今日一日を機嫌よく過ごしたい…そんな女性に観てほしい、まったりなのに心に響く物語

映画は気持ちよく生きるためのヒント

hikari

「今日も機嫌よくやんなさいよ」というセリフが個人的に印象的だった映画が『マザーウォーター』。

つい無意識に一日を過ごしてしまいがちですが、その日の終わりにただ「疲れた」と思ったり、なんだか虚しさを感じたりするより、「今日は心地よかった」と思えた日が多ければ多いほど、生きている充実感がありますよね。

マザーウォーター』には、そんな風に機嫌よく過ごすためのヒントが散りばめられています。

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京都を舞台に日常の風景を切り取ったような物語

マザーウォーター』は京都の大きな川や湧き水など、水が身近にある街が舞台。

そこにはどこからかこの地に流れ着いて、ウイスキーしか出さないバーを営むセツコ(小林聡美)、コーヒー店の店主・タカコ(小泉今日子)、豆腐を作るハツミ(市川実日子)が登場します。

ほかにも家具職人のヤマノハ(加瀬亮)や銭湯の主人・オトメ(光石研)、そこで働くジン(永山絢斗)、散歩する人・マコト(もたいまさこ)、そしてみんながお世話をする赤ちゃんのポプラ(田熊直太郎)の存在も。

劇中ではそれぞれの過去や背景は深く語られません。今この街にいて、この8人がそれぞれセツコのバーやタカコのコーヒー店、ハツミの豆腐屋やオトメの銭湯などで出会って、ただ何気なく語らう姿を描いています。そういった日常にありそうな風景を映し出している作品です。

ちょっとずつ人が変化する姿が丁寧に描かれている

だから一見、彼女たちは何も変わっていないようにも感じます。

だけど、最初はタカコとヤマノハの2人、オトメとジン、マコトの3人だけしか知り合い同士でなかった輪が次第に広がっていく様子や、ハツミの豆腐屋が今まで持ち帰りしかやっていなかったのに、いつしか店先で食べられるようになったり、いつの間にかみんながポプラの世話をするようになったり……。

ちょっとずつちょっとずつ、人が変化していく姿を丁寧に描いています。

それは、明日は今日予想していたものとはまったく違う日になるかもしれないけど、とにかく「今」をしっかり生きること。そうすることで昨日よりも今日、今日より明日のほうがさらに自分に合った環境に変わっていく……という人生訓のようなものを教えてくれている気がします。

機嫌のいい一日を送るために、常識は必要ない?

こうやって人が変化していくのと同じように、機嫌よく一日を過ごすには、「今」を大切に生きるのが肝心なんだと思います。

でも本作を観ていると、それと同じくらい、常識にとらわれることなく柔軟に物事を考えていくことも、機嫌のいい一日にするには必要な気がしてくるのです。

映画の中で、いつでもご機嫌なのが赤ちゃんのポプラ。そのせいか、みんながポプラの面倒をみたがります。機嫌がいいのは大人とか社会とか常識にとらわれていないからなのかも!?

そんなポプラのように、常識に縛られず生きている人がもうひとり。それがマコトです。

いつも自分の好きなところに出没し、ハツミに豆腐をその場で食べられるように提案したり、自分の気持ちに素直になれず悩むジンに「凝り固まっている」と叱ったり、柔軟に生きることで日々、機嫌よく過ごしているキャラクターです。

そうやってまわりの目や考え方を気にしないということも、その日一日を機嫌よくするコツなんだとひしひしと伝わってきます。

水のように流れて生きるのが女性にとっての心地よい生き方?

このように一日を機嫌よく過ごすコツがわかる『マザーウォーター』ですが、心地よい生き方をも教えてくれているように感じます。それを象徴しているのが、どこからともなく京都に居着いたセツコ、タカコ、ハツミの3人が語らうところ。

そこでは、ハツミがセツコへこのままこの地にずっといるのかを問うのですが、「先のことはわからない。ただ今はここにいる。それでいいんじゃない」とセツコは答え、タカコもそれにうなずきます。

本作では、タイトルにも「ウォーター」と入っている通り、川や湧き水、銭湯など水に関わるシーンが頻繁に登場します。今はその場にいたとしても、人間以外の主役である「水」のように、流れに任せて場所や行動を変えてみるのも、女性が心地よく生きるための手段だと伝えたかったのかな、と、深読みですがそう思えるのです。

作品の雰囲気自体はとても穏やかでまったりしていますが、観れば観るほど心に染み入る言葉やシーンが見つかる映画。ちょっとつまずいてしまったときや、生き方に悩んだとき、そっとヒントをくれるかもしれません。

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※2022年2月26日時点のVOD配信情報です。

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  • 五十嵐竜ちゃん
    4.3
    ああ。やっぱりいい。 シンプルだけど、しっかり感じる生活
  • 4.2
    川が近くを流れる町。ウイスキーバー。コーヒー店。豆腐屋。銭湯。ゆっくりと丁寧な毎日と人々の関わり。特別なことは何も起きない。とんでもない心地の良さ。穏やか。心臓に優しい。こういので良い。こういうのが、良い。
  • yuki
    -
    記録
  • 龍之介MARVELOUS
    2.5
    当時付き合ってた映画好きの元カノのチョイスでシネマート新宿で一緒に観た 当時荒くれた不良でブイブイ言わせてた俺には人生で一番退屈ですんげぇつまらん作品だったw ブイブイw 森ガールのなれの果ての様なイメージ作品? なんか忘れたわw それはさておきナゼ今頃になってコメントしたかというと『転々』というロードムービーを観たらなんか少し雰囲気が似てる感じがしてこの作品を観た事を思い出した 実際は全然『転々』とは似てないと思うw てか元カノも面白いとは言ってなかった気がする とにかくテキトーだが面白くなかった変な想い出も含めて少しだけなぜか評価点に0.5プラスしておこうw まぁそんな感じだ
  • nasuraso
    -
    小林聡美さんともたいまさこさんと言えば 昔、夜遅くにやってた  やっぱり猫が好きという番組で なんだか、好きでいつも見ていた。 鴨川の結構北の方だと思うんだけど あのあたりは、ほんま、ぶらぶら散歩するのに良い所だと思う。 見ていると、 余計なものがなくて、 シンプルだなぁと思う。 私はと言えば、最近少し、ゆとりを手に入れたけれど、まだまだ余計なものに囲まれている。もっと削ぎ落とさねば。 京都は水とかかわりの深い 伏見の酒や宇治茶、豆腐、生麩など 美味しいものが多い。 その昔、和菓子の菓子司を訪ねた時も こし餡を晒す水も量と質が とても大切と聞いた。 けれど、ここ数年は 京都も買われてしまって なんだか急に 様変わりしてきて ちょっと不安。 もうのどかな春は なくなってしまうのかなぁ
マザーウォーター
のレビュー(7155件)