『イカゲーム』のヒットも記憶に新しいNetflixオリジナルドラマシリーズ。我らが日本からも、生死をかけたゲームに挑戦していくシリーズが登場しています。それが『今際の国のアリス』。主演に山崎賢人や土屋太鳳を据え、日本作品ではあまりなかった規格外のスケールで、スリリングなデスゲームが繰り広げられます。
シーズン1では早くも複数のゲームが展開されましたが、どんなゲームで、いかにして主人公のアリスたちが突破したのかを振り返ります。
『今際の国のアリス』(2020)
優秀な弟と比べられてきたアリスこと有栖良平(山崎賢人)は落ちぶれ、不満を持て余す日々を過ごしていた。そんなある日。高校時代からの友人であるチョータ(森永悠希)やカルベ(町田啓太)とともに渋谷を訪れていたところ、突如として町中の人々が消えていなくなってしまう事態に直面するのだった。
誰もいない街の様子に最初は歓喜するアリスたちだったが、3人は突如として命を懸けた“げぇむ”に参加させられることとなる。アリスたちが迷い込んだのは、生き残るためには“げぇむ”をクリアし続けなければ生き残ることができない今際の国だったのだ。
“げぇむ”の最中で出会ったウサギこと宇佐木柚葉(土屋太鳳)らとの出会いを経て、アリスは生き残るべく、過酷な難題へと立ち向かっていく。
『今際の国のアリス』キャスト&スタッフ一覧
有栖良平(アリス)/山﨑賢人
家庭内に居場所がなく、生きる意味や目的も見出せないまま、日々ゲームに明け暮れる生活を送っている24歳。チョータとカルベだけが、かけがえのない仲間。得意ジャンルは「バランス型」。
宇佐木紬葉(ウサギ)/土屋太鳳
尊敬していた登山家の父が、不可解な死を遂げる。「おにごっこ」でアリスと出会い、信頼関係を深めていく。日々身体の鍛錬を怠らず、逆境でも強い気持ちを持って極限状況を生き抜く体育会系。得意ジャンルは「肉体型」。
アリスの仲間たち
チョータ/森永悠希
アリスの親友で、IT会社に勤めている。育った環境が影響してか覇気に乏しく、アリスたちと過ごす時間に救われている。得意ジャンルは「バランス型」。
カルベ/町田啓太
アリスの親友でバーテンダーだったが、店長の恋人と恋仲に発展してしまいクビになる。喧嘩に自信あり。得意ジャンルは「肉体型」。
シブキ/水崎綾女
“今際の国”で初めて遭遇した女性。げぇむのルールを説明し、3人と行動を共にする。
「ビーチ」の滞在者
ボーシヤ/金子ノブアキ(金子統昭)
強烈なカリスマ性を武器に、理想を掲げて人々を魅了する“ビーチ”の創設者。得意ジャンルは「心理型」。
アグニ/青柳翔
力で”げぇむ”を制圧する武闘派。得意ジャンルは「肉体型」。
ニラギ/桜田通
“ビーチ”武闘派の若頭的存在。屈折した過去を持り、陰湿かつ攻撃的な性格。得意ジャンルは「知能型」。
アン/三吉彩花
危機的状況に陥っても冷静な態度で問題を論理的に対処していく。得意ジャンルは「知能型」。
ミラ/仲里依紗
微笑みを絶やさない謎めいた存在。得意ジャンルは「心理型」。
クズリュウ/阿部力
常にボーシヤと行動を共にするが、多くは語らない。得意ジャンルは「知能型」。
ラスボス/栁俊太郎
“ビーチ”において顔面にタトゥーを施した、口数の少ない不気味な男。得意ジャンルは「肉体型」。
チシヤ/村上虹郎
“今際の国”の秘密を追っている謎めいた青年。「おにごっこ」で出会ったアリスとウサギに興味を持つ。得意ジャンルは「心理型」。
クイナ/朝比奈彩
チシヤと行動を共にする。得意ジャンルは「肉体型」。
アサヒ/吉田美月喜
タッタ/渡辺佑太朗
アサヒ/吉田美月喜
モモカ/矢崎希菜
スタッフ
■原作:麻生羽呂(「今際の国のアリス」/小学館「週刊少年サンデーS」「週刊少年サンデー」連載)
■監督:佐藤信介
以下、『今際の国のアリス』シーズン1のネタバレを含みます。
『今際の国のアリス』シーズン1振り返り&考察ポイント
絵札でわかるゲームの種類
今際の国で繰り広げられる“げぇむ”。その“げぇむ”のトレードマークと言えるのがトランプです。
アリスたちが参加させられることになる“げぇむ”は、それぞれトランプのカードで性質が表されていて、トランプの数字が大きいほど、その“げぇむ”の危険度や難易度は増していきます。また、トランプのマーク(スート)により“げぇむ”のクリアに必要な要素が変わっていきます。
各マークごとの特徴は以下の通りです。
すぺぇど
すぺぇどで示されるげぇむは肉体型です。主に体力勝負のゲームになっており、シンプルながら、過酷なルールが設けられます。
だいや
だいやで示されるげぇむは知能型です。頭を使って解いていくゲームになっており、ただルールに従うだけではクリアができません。
くらぶ
くらぶで示されるげぇむはバランス型です。チーム戦となっており、体力、知性のどちらも要するゲームを協力して解いていく、総合的な能力が問われます。
はぁと
はぁとで示されるげぇむは心理型です。人の心や感情をもてあそぶようなルールが設けられています。作中ではミラが死んでもいいおとりを連れていけば、確実に自分は生き延びれると述べられているように、命を天秤にかけるような悪質なものが多いです。
実施されたゲーム振り返り
シーズン1でアリス達は以下のゲームに参加していきました。
くらぶの3「生きるか死ぬか」
雑居ビルの1フロアが舞台となるげぇむ。参加者は、部屋ごとに決められた制限時間の間に、用意された「生」と「死」のどちらかのドアを選び続け、建物の外に出ることができればゲームクリアとなります。もし不正解のドアを選んでしまうと、天井からのレーザー光線により頭を撃ち抜かれて死ぬことになり、制限時間内に次の部屋に進まなかった場合も、部屋の床から炎が吹き出して死ぬことになります。
このゲームは一見、運頼みのゲームですが、アリスは記憶を頼りに建物のスケールから、部屋は3×3の9部屋しか作れないことに気づき、正解のルートを導き出します。
ちなみに終盤の部屋には、ビルの外側に通じているドアがあり、全ての部屋が実は正方形ではなかったことに気づかないと、正解の扉を導き出せない罠も設けられていました。アリスは、最初に犠牲となった女子高生の動画をチョータが撮影していたことから、実は細長い部屋が隠されていることに気づき、最後の部屋を見つけることに成功しました。
すペぇどの7「おにごっこ」
1棟のマンションを丸ごと舞台に、サブマシンガンを持った鬼二人から逃げ回りながら、マンションのどこか鍵がかかっていない部屋“じんち”にあるボタンを押すことができればゲームクリアとなります。
制限時間の20分以内にボタンを押せなかったり、参加者が全員殺されてしまった場合はゲームオーバーとなります。
ちなみに実はルールはもうひとつ設けられており、ボタンはだれか2人が同時に押さなければいけません。協力してクリアに臨んだアリスとウサギはこのゲームをきっかけに親しくなります。
はあとの7「かくれんぼ」
植物園を舞台となるげぇむ。参加者は一人の狼とそれ以外の羊に分けられて、それぞれ特殊なゴーグルを装着しており、狼に見つかった羊は、次の狼になります。ゲームの終了時点で、狼だった参加者だけが生き残る事が出来ます。
「羊は狼に見つからないように隠れましょう」というルールが明かされますが、実際は生き残るために狼役を奪い合い、羊側が狼を追いかけ、狼が羊たちに見つからないように隠れることになるようなゲームとなっていました。
しかし、アリスはカルベ、チョータたちによって狼役を譲られることになり、奇しくも当初のルール通り、狼が羊を探す顛末を迎えます。
くらぶの4「ディスタンス」
長い海中トンネルが舞台となるげぇむ。参加者は制限時間内にゴールを目指すという単純なものです。
ただし具体的なゴールは示されておらず、手がかりはスマホに表示された数字のみ。アリスたちは、立ち塞がるクロヒョウや大量の放水に立ち向かいながらゴールを目指します。
しかし、実はこのゲームのゴールは、最初の地点が既にゴールだったという引っかけ問題。スマホの数字はゴールからの距離でした。“くらぶ”のゲームはチーム戦。仲間を見捨てまいと、ゴールに戻ったアリスはそこでやっと、その引っかけに気づきます。
最終ゲームの結末
最終ゲームは、はぁとの10の「まじょがり」でした。今際の国のユートピアとして機能していた“ビーチ”のホテル全体を舞台にしたゲームです。ビーチのメンバーの一人であるモモカを殺害した犯人“まじょ”が敷地内に潜んでいるので、制限時間の2時間以内に野外に焚かれているかがり火で“まじょ”を燃やして処刑することができればゲームクリアです。
互いに疑心暗鬼になったビーチの人々は、武闘派を中心に無差別に殺害して、手当たり次第に“まじょ”を探していくことになります。
本当の“まじょ”は、実はモモカ。モモカは実は殺されたのではなく、自殺しており、モモカの遺体をかがり火にくべればゲームは終わりだったのですが、ゲームと並行してボーシヤの殺害事件が絡み合い、武闘派のアグニがビーチを崩壊させようとする思惑により、大規模な殺し合いが起こるゲームとなっていました。
シーズン1で明らかになった「今際の国」の謎は?
突然「今際の国」に迷い込むことになってしまったアリスですが、シーズン1ではこの世界がいったいどこで、なぜアリス達が次々とげぇむに参加させられるのかは明らかになりませんでした。
エピソードの5では、ボーシヤがげぇむをクリアし続けてトランプのカードを全て集めれば開放されると豪語していたのですが、実はそれは終わらない絶望から人々を救うためにボーシヤがでっち上げた嘘でした。
エピソードの8では、アサヒが残した映像からゲームを仕掛ける側が存在していることも明らかになります。彼らはディーラーと呼ばれており、プレイヤーに扮して参加者を混乱させたり、ゲームの設営を手伝っていました。ディーラーも監視されており、自身がディーラーであることをバラしてしまうと、殺されてしまいます。
ディーラーたちは、各ゲームを監視するアジトがあったのですがアリスやチシヤが駆けつけた時には、ビーチでのゲームの勝利で、ディーラーは全員処刑されており、ディーラーも参加者の一員であった事が明かされます。
アリスたちがさらに上の存在を悟った時に姿を現したのは、ミラ。彼女は新たなゲームの開始を宣言するのですが、彼女の真の正体や目的は明らかになりません。今まで現れることのなかったとされる絵札のカードを下げた飛行船を東京上空にいくつも現れたところで、シーズン2へと続いていきます。
原作漫画との違いは?
そんな『今際の国のアリス』には原作漫画が存在します。ゲーム内容であったり、ストーリーの大筋は、原作漫画と同様に展開されていますが、いくつか実写版ならではの違いがあります。
中でも特に大きな違いは、漫画では高校生だったアリスが、無職のゲーマーという設定に変わっているように、キャラクターのディテールがアレンジされているところにあります。
過激なゲームの内容や設定、1シーズンにまとめる構成に合わせるべく、実写化に合わせて明快な改変が行われています。
『今際の国のアリス シーズン2』(2022)情報
“今際の国”の謎を追いかけるアリス(山﨑賢人)とウサギ(土屋太鳳)。二人は謎を解き明かす鍵と思われる場所で仲間と敵、そして“げぇむ”を操る黒幕と出会う。“げぇむ”に勝利する度に手に入るトランプの数字のカードをすべて集めたアリスたち。残るはジャック、クイーン、キングの絵札のカードのみ。前作を上回る難易度とスケールの“げぇむ”に挑むアリスとウサギたち。果たしてすべてのカードが揃った時、彼らは元の世界に戻ることができるのか…!? 12月22日よりNetflixにて独占配信
※2022年11月30日時点の情報です。