近未来を描いたSF映画はたくさんありますね。2015年の世界を描いた名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989)は、実際に2015年の現実と共通することが多く、「予言していた」として話題になりました。
実は、ちょうど今年“2019年”を描いた映画もあるんです。今回は『AKIRA』『ブレードランナー』『アイランド』『デイブレイカー』の4本を紹介します! さて、それぞれの映画が描いた“2019年”はどんな世界なのでしょうか!
『アキラ AKIRA』2020年東京五輪が的中!
1982年に「週刊ヤングマガジン」で連載開始した大友克洋の漫画「AKIRA」が原作で、連載中の1988年に大友克洋自ら監督を務めて、映画化されました。
2020年東京五輪開催を予言的中!
なんと言っても2020年の二度目の東京五輪が的中していることがかなりの興奮ポイント! アテネやパリなど五輪が複数回開催された都市はありましたが、それでもピンポイントに2020年開催を当てて「復興五輪」という意味合いでも合致している点が驚きです。
都市内での格差
舞台であるネオ東京は先進的な巨大都市ですが、すぐそばには荒廃した猥雑な街もあり、格差が広がっている様子が描かれています。
金田のバイクがとにかくカッコイイ!
他に取り上げる映画でもそうですが、近未来では車よりバイクをかっこよくしたくなるのでしょうか。それから、製作年の1989年に比べて実際の2019年の日本では暴走族は衰退していますが、この映画ではまだイキイキとがんばっていますね。
ケータイはない!?
1988年に日本初の携帯電話「ショルダーホン」が発売されていたのですが、映画の中では公衆電話しかなく誰もケータイを使っていませんでした。
他にも、東京湾のほとんどが陸地となっていたりと、社会情勢への批判とともに未来を描いたアニメの金字塔となっています。
『ブレードランナー』人造人間が歌舞伎町に!?
原作はフィリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。感情を持った人造人間の悲哀を描いた物語であり、近未来の世界を魅力的に表現した舞台美術によって当時カルト的な人気を得た作品です。
未来都市は新宿歌舞伎町!?
『アキラ AKIRA』と同じく、先進的な大都市の傍らに荒廃したエリアがありますが、それがなぜか新宿歌舞伎町。それもそのはず監督のリドリー・スコットが歌舞伎町を訪れた時にインスパイアを受けたからだそうです。
空飛ぶ車(スピナー)
結構な長い時間を使ってスピナーが空を飛ぶシーンが描かれます。そのシーンは興奮するんですが、残念ながら自動運転システムまでは搭載されていないようです。
愛すべき不思議日本語たち
日本人にとっての『ブレードランナー』の大きな魅力のひとつが、看板に書かれた不思議な日本語たち。「基礎の充実の上に」「お手持ちの烏口」「人造P星」など、どこからコピペして来たんだという謎の文字列が日本人にとってはとてもかわいらしく感じます。
『アイランド』個人が管理された世界
この映画での2019年は、大気汚染された地球で生き残った少数の人間たちが管理されたコロニーで生活しているという世界です。監督は『アルマゲドン』や「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ。
個人が管理された社会
みんな同じ白い服を来て、手首のタグを読み取ればタブレットに個人情報が表示される仕組みになっています。
クリーンな建築デザイン
コロニーのデザインは白を基調としたシンプルでクリーンな印象。威圧的ではないけど、あまりの清潔さに恐怖を感じさせます。
車は普通でバイクはカッコイイ!
車はガソリン車っぽい音を出して走るし、デザインもそれほど未来的ではないですが、バイクは突然にカッコイイ! しかも空を飛びますからね。
ビデオマーケットで観る【初月無料】『デイブレイカー』人口の9割がヴァンパイアに!
代用血液の開発に失敗した結果、人口の9割がヴァンパイアになっちゃって、人間の血を飲まないと死んじゃうので人間を捕獲して「人間飼育場」で血液を量産しているという、この中では一番荒唐無稽なお話……!
冷たく硬質なデザイン
ヴァンパイアが低体温(平熱が15.6度くらい?)だからか美術のデザインは冷たくて硬質な印象。画面全体はブルーで統一されています。
自動運転システムはない
ヴァンパイアは直射日光を浴びると燃えちゃうので、昼間に車運転するときは窓を締め切って光が入らないようにして、車外カメラの映像を車内で見ながら自分で運転します。そこまでやるなら、目的地を入力すれば自動で連れてってくれる車があっても良かったんだけど……。
血液スタンド
駅前などで人間の血液が一杯いくらで売られています。でも純粋な人間の血は高価なので薄められていたりして 。お客さんが反乱を起こしたりするのです。怖いですねぇ。
未来予言が当たっているのも純粋にスゴイ!と思いますし、当たってなくて良かった〜と思えるものもありますね。20年後や30年後の近未来を描いた映画をタイムリーに答え合わせできるというのは貴重な体験だと思います。
『ブレードランナー』の続編『ブレードランナー2049』の舞台は2049年。あと30年! 長生きして答え合わせするぞ!
※2020年11月28日時点のVOD配信情報です。