連休にじっくり読みたい!おすすめ映画本・映画関連書籍10選

いい映画を何度も観るアラフォー

hiziriya

せっかくの10連休。映画を観るのもいいけれど、忙しくて普段なかなか手が伸びない映画の本を読んでみるのにもいい機会です。

まだ観ぬ映画を見つける、もっと深く映画を知るなど、楽しみはさまざま。この連休、時間を忘れてじっくり読みたい映画関連書籍10冊をご紹介します。

本から映画を探してみる

「みんなの映画100選」(オークラ出版)

[著:鍵和田啓介/イラスト:長場雄]

登場人物の何気ない一言に実はその映画のエッセンスがギュッと詰まっている。そんなことに気づかせてくれる一冊。

1作品につき、1セリフ、1シーン、それと解説文。シンプルな線画イラストを見ていると、このセリフがどんなトーンで、どんな流れで語られているのか、思わず本物をたしかめたくなるから不思議。同シリーズの「みんなの恋愛映画100選」もおすすめ。

「死ぬまでに観たい映画1001本 改訂新版」(ネコ・パブリッシング)

[著:スティーヴン・ジェイ シュナイダー/翻訳:野間けい子]

映画本好きの間では知られた、一家に一冊的な事典的書物。約1,000ページに1902年から2013年までの古今東西の名作が網羅されています。観なくてもちょっとわかった気になれてしまうのもいいところ(!?)。まずは、死ぬまでに観るべき映画を自分は何本観たのかチェックしたい。

あの評論家の本を読んでみる

「「最前線の映画」を読む」(集英社インターナショナル)

[著:町山智浩]

ご存知、町山先生の一冊。本書の「このシーンにはどんな意味が隠されているのか」といった解説ひとつひとつにハッとさせられ、あらためてもう一度その映画を観たくなること必須。その国の文化、歴史、生活、政治、宗教を知るともっともっと映画を深く楽しめることを教えてくれます。

『ラ・ラ・ランド』や『ベイビー・ドライバー』など、近年の作品を取り上げているところもおすすめポイント。たとえ観ていなくても、謎解きを楽しむようにドキドキしながら読めるのも魅力。新書なので手に取りやすいですね。

「淀川長治のシネマトーク 上」(マガジンハウス文庫)

[著:淀川長治]

「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」でおなじみの映画解説者、故・淀川長治さん。1989年から1999年の間に雑誌「anan」に連載されていた彼の映画コラムから厳選された196本が掲載されています

語る内容はもちろん、淀川さんといえばやはり語り方。映画愛にあふれた語り口で「そんな見方もあるのか」とやさしく気づかせてくれる一冊です。

研究本にトライする

「Film Analysis 映画分析入門」(フィルムアート社)

[著:マイケル・ライアン、メリッサ・レノス/翻訳:田畑暁生]

映画を精神分析、自然科学、社会学などの視点から学べるアカデミックな一冊。映画を「技法」と「批評」の両面から分析する構成で、取り上げる作品のシーン画像も掲載されているので比較的読みやすく、学術的な映画書籍にトライしてみたいという方に特におすすめです。

「映画のキャッチコピー学」(洋泉社)

[著:樋口尚文]

ちょっと角度を変えて映画を愉しむには、打ってつけの一冊。「全米が泣いた!」などに代表される映画のキャッチコピーを読み解く研究本。劇場へ足を運んでもらうために宣伝担当者が苦心の末にひねり出した100年分の名(迷)コピーの数々が載っており、映画広告史を知るという点でもとても興味深い内容になっています。

コピーライター・糸井重里による映画『もののけ姫』の「生きろ。」など、国内で公開された古今東西の映画が取り上げられています。

映画監督の話を聞いてみる

「映画を撮りながら考えたこと」(ミシマ社)

[著:是枝裕和]

もはや世界的映画監督となった是枝裕和監督による一冊。内容はまさにタイトルの通り。『誰も知らない』『海街diary』など数々の作品を撮りながら是枝監督が考えていた、その思索をたどることができます。自身の出身業界であるTVへの鋭い洞察もとても興味深いです。

本書を楽しめたら、同じミシマ社から発行されている想田和弘監督の「観察する男 映画を一本撮るときに、監督が考えること」や、是枝監督が“師匠”にあたる西川美和監督の「映画にまつわるXについて」(実業之日本社文庫)もぜひ。

「定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー」(晶文社)

[著:フランソワ・トリュフォー、アルフレッド・ヒッチコック/翻訳:山田宏一、蓮實重彦]

海外監督による書籍も一冊。こちらは国内外の映画ファンの間でも知られ、マンガ家・荒木飛呂彦が制作の参考にしたことでも有名な映画のバイブル的名著。サスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコックの全作品に及ぶ、演出、カメラワーク、照明、編集などといったテクニックの諸々についてつまびらかにされています。

ヌーヴェルヴァーグを代表する監督のひとりであり、こちらも巨匠のフランソワ・トリュフォーがヒッチコックにインタビューするという体裁で、画像も多く掲載されており、堅苦しくなく読み進めていけます。映画作法のみならず、人生訓にも通ずる珠玉の言葉も。

映画のアート本を読んでみる

「MONDO 映画ポスターアート集」(スペースシャワーネットワーク)

[著:MONDO]

世界中の映画ファン、映画製作者から愛される“MONDO” で制作・販売されたレアなポスター約300点を一冊に収めたアートブック。

モチーフはヒッチコックやキューブリック、ディズニーやジブリ作品など実にさまざま。私たちが普段に目にする宣伝ポスターとはまったく違ったユニークなデザインや手法で、「あの映画をこう描くか!」とめくるたびに新しい発見があります。観た作品が出てくるとさらに楽しい一冊です。

「アート・オブ・スパイダーマン:スパイダーバース」(SPACE SHOWER BOOKS)

最後に、1作品にフォーカスした書籍を一冊。コミックとアニメーションを融合した革新的な映像表現で高い評価を受けている『スパイダーマン:スパイダーバース』のアートブック。

コンセプトアート、スケッチ、絵コンテ、さらに解説と盛りだくさんの内容。映画レビューサービス・Filmarksでも★4.3(4月23日現在)という驚異的なハイスコアを叩き出している、その面白さの核に迫る内容になっています。

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以上、10冊。ライトなものから重厚な事典的書物まで、映画を観る視点がグッと深まる書籍の数々、ぜひこの連休に手にとってみてはいかがでしょうか。

アイキャッチ画像:フリー素材ぱくたそ

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