日本アカデミー賞【作品賞】歴代受賞作品一覧!あらすじと配信状況を紹介

2024年で47回目を迎える日本映画の祭典である日本アカデミー賞。本記事では、日本アカデミー賞受賞作品の中から、歴代の「最優秀作品賞」に輝いた作品のあらすじを、VOD配信状況と一緒にご紹介いたします。

1977年よりはじまり、2024年で47回目を迎える日本映画の祭典である日本アカデミー賞。本記事では、日本アカデミー賞受賞作品の中から、歴代の「最優秀作品賞」に輝いた作品のあらすじを、VOD配信状況と一緒にご紹介いたします。

第45回最優秀作品賞『ドライブ・マイ・カー』(2021)

あらすじ:舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう……。二年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく……。

監督は『寝ても覚めても』(2018)の濱口竜介。出演は西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか、パク・ユリム。

第44回最優秀作品賞『ミッドナイトスワン』(2020)

あらすじ:故郷を離れ、新宿のショーパブのステージに立ち、ひたむきに生きるトランスジェンダー凪沙。ある日、養育費を目当てに、育児放棄にあっていた少女・一果を預かることに。常に片隅に追いやられてきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった感情が芽生え始める。

監督。脚本は『家族マニュアル』(2019)の内田英治。出演は草彅剛、服部樹咲、田中俊介、吉村界人、真田怜臣ほか。

第43回最優秀作品賞『新聞記者』(2019)

あらすじ:東都新聞記者・吉岡のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届いた。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある強い思いを秘めて日本の新聞社で働いている彼女は、真相を究明すべく調査をはじめる。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原は葛藤していた。「国民に尽くす」という信念とは裏腹に、与えられた任務は現政権に不都合なニュースのコントロール。愛する妻の出産が迫ったある日、彼は、久々に尊敬する昔の上司・神崎と再会するのだが、その数日後、神崎はビルの屋上から身を投げてしまう。真実に迫ろうともがく若き新聞記者。「闇」の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。二人の人生が交差するとき、衝撃の事実が明らかになる。

監督・脚本は『最後まで行く』(2023)の藤井道人。シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、郭智博ほか。

第42回最優秀作品賞『万引き家族』(2018)

あらすじ:高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の四人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である祖母の初枝の年金だ。それで足りないものは、万引きでまかなっていた。社会という海の、底を這うように暮らす家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、口は悪いが仲よく暮らしていた。そんな冬のある日、治と祥太は、近隣の団地の廊下で震えていた幼いゆりを見かねて家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく……。

監督・脚本は『怪物』(2023)の是枝裕和。出演はリリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏ほか。

第41回最優秀作品賞『三度目の殺人』(2017)

あらすじ:それは、ありふれた裁判のはずだった。殺人の前科がある三隅が、解雇された工場の社長を殺した容疑で起訴された。犯行も自供し死刑はほぼ確実。しかし、弁護を担当することになった重盛は、なんとか無期懲役に持ちこむため調査を始める。調査を進めるにつれ、重盛の中で違和感が生まれていく。三隅の供述が、会うたびに変わるのだ。金目当ての殺人のはずが、週刊誌の取材では被害者の妻・美津江に頼まれたと答え、動機さえも二転三転していく。さらには、被害者の娘・咲江と三隅の接点が浮かび上がる。重盛がふたりの関係を探っていくうちに、ある秘密に辿り着く。なぜ殺したのか? 本当に彼が殺したのか? 弁護に必ずしも真実は必要ない。そう信じていた弁護士が、初めて心の底から知りたいと願う。その先に待ち受ける慟哭の真実とは?

監督・脚本は『怪物』(2023)の是枝裕和。出演は福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎ほか。

第40回最優秀作品賞『シン・ゴジラ』(2016)

あらすじ:東京湾羽田沖。 東京湾アクアトンネルが崩落する原因不明の事故が発生した。 首相官邸では総理大臣以下、閣僚が参集されて緊急会議が開かれ、 内閣官房副長官・矢口蘭堂は、海中に棲む巨大生物による可能性を指摘。 周囲は矢口の意見を一笑に付すものの、直後、海上に巨大不明生物の姿が露わになった。 慌てふためく政府関係者が情報収集に追われる中、謎の巨大不明生物は上陸。 普段と何も変わらない生活を送っていた人々の前に現れ、次々と街を破壊し、止まること無く進んでいく。 政府は緊急対策本部を設置し、 自衛隊に防衛出動命令を発動。 そして、  “ゴジラ”と名付けられたその巨大不明生物と、 自衛隊との一大決戦の火蓋がついに切られた。

監督を務めるのは『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2020)の庵野秀明と『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(2014)の樋口真嗣。出演は長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、松尾諭、高良健吾ほか。

第39回最優秀作品賞『海街diary』(2015)

あらすじ:まぶしい光に包まれた夏の朝、鎌倉に住む三姉妹のもとに届いた父の訃報。十五年前、父は家族を捨て、その後、母も再婚して家を去った。父の葬儀で、三姉妹は腹違いの妹すずと出会う。三姉妹の父を奪ったすずの母は既に他界し、頼りない義母を支え気丈に振る舞う中学生のすずに、長女の幸は思わず声をかける。「鎌倉で一緒に暮らさない?」と。しっかり者の幸と自由奔放な次女の佳乃は何かとぶつかり合い、三女の千佳はマイペース、そんな三姉妹の生活に、すずが加わった。季節の食卓を囲み、それぞれの悩みや喜びを分かち合っていく。しかし、祖母の七回忌に音信不通だった母が現れたことで、一見穏やかだった四姉妹の日常に、秘められていた心のトゲが見え始める……。

監督・脚本は『怪物』(2023)の是枝裕和。出演は綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、大竹しのぶほか。

第38回最優秀賞『永遠の0』(2013)

あらすじ:太平洋戦争末期。勝利を目前にしたアメリカを大混乱に陥れた、たった一機の戦闘機。「悪魔」と呼ばれたそのゼロ戦は米軍最強の空母艦隊による一斉射撃・百万の銃弾をくぐり抜け、包囲網を突破してみせたのだ。その「悪魔」を操るパイロットは、実に意外な人物であった。宮部久蔵。天才的な操縦技術を持ちながら、生還することにのみ執着し、仲間から『臆病者』と罵られた男だった……。

監督・脚本は『ゴジラ-1.0』(2023)の山崎貴。原作は百田尚樹の同名小説。出演は岡田准一、三浦春馬、井上真央、濱田岳、染谷将太ほか。

第37回最優秀作品賞『舟を編む』(2013)

あらすじ:出版社・玄武書房に勤める馬締光也は、営業部で変わり者として持て余されていたが、言葉に対する天才的なセンスを見出され、辞書編集部に異動になる。新しい辞書「大渡海」……。見出し語は24万語。完成まで十五年。編集方針は「今を生きる辞書」。個性派ぞろいの辞書編集部の中で、馬締は辞書編纂の世界に没頭する。そんなある日、運命の女性に出会う。しかし馬締は言葉のプロでありながら、彼女に気持ちを伝えるにふさわしい言葉がみつからない。問題が山積みの辞書編集部。果たして「大渡海」は完成するのか? 馬締の思いは伝わるのだろうか?

監督は『月』(2023)の石井裕也。原作は三浦しをんの同名小説。出演は松田龍平、宮﨑あおい、オダギリジョー、黒木華、渡辺美佐子ほか。

第36回最優秀作品賞『桐島、部活やめるってよ』(2012)

あらすじ:ありふれた時間が校舎に流れる「金曜日」の放課後。1つだけ昨日までと違ったのは、学校内の誰もが認める“スター”桐島の退部のニュースが校内を駆け巡ったこと……。連絡がとれずその理由を知らされぬまま、退部に大きな影響を受けるバレーボール部の部員達はもちろん、桐島と同様に学校内ヒエラルキーの“上”に属する生徒から“下”に属する生徒まで、あらゆる部活、クラスの人間関係が静かに変化していく。そんな中、桐島に一番遠い存在だった“下”に属する映画部前田が動きだす。

監督・脚本は『騙し絵の牙』(2021)の吉田大八。原作は朝井リョウの同名小説。出演は神木隆之介、橋本愛、大後寿々花、東出昌大、清水くるみほか。

第35回最優秀作品賞『八日目の蝉』(2011)

あらすじ:今日まで母親だと思っていた人は、自分を誘拐した犯人だった。二十一年前に起こったある誘拐事件。不実な男を愛し、男と妻の間に生まれた赤ん坊を連れ去った女、野々宮希和子と、その誘拐犯に愛情一杯に四年間育てられた女、秋山恵理菜。実の両親の元に戻っても、「ふつう」の生活は望めず、心を閉ざしたまま成長した恵理菜は、ある日自分が妊娠していることに気づく。相手は、希和子と同じ、家庭を持つ男だった。封印していた過去と向き合い、かつて希和子と暮らした小豆島へと向かった恵理菜が見つけた衝撃の真実。そして、恵理菜の下した決断とは?

監督は『銀河鉄道の父』(2023)の成島出。原作は角田光代の同名小説。出演は井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子、田中哲司ほか。

第34回最優秀作品賞『告白』(2010)

あらすじ:ある中学校で、1年B組の担任・森口悠子は生徒に語り始める。自分の娘が学校で死亡したのは警察が断定した事故死ではなく、この組の生徒に殺されたのだと。そして自らの手で仕返しをすると宣言して学校を辞め、後任で熱血教師“ウェルテル”がやってくる……。「生徒に娘を殺された」という女教師の告白からはじまり、殺人事件に関わった登場人物たちの独白形式で構成される物語は、虚実入り混じり、驚愕・戦慄・唖然の連続となる。

監督・脚本は『来る』(2018)の中島哲也。原作は湊かなえによる同名小説。出演は松たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、芦田愛菜ほか。

第33回最優秀作品賞『沈まぬ太陽』(2009)

あらすじ:昭和40年代、巨大企業・国民航空の労働組合委員長・恩地元は職場環境の改善に取り組んだ結果、海外赴任という事実上の左遷人事であう。会社は恩地に組合脱退を迫る一方、露骨に組合の分断を図っていた。そんな中、恩地の同僚・行天四郎は早々と組合を抜け、エリートコースを歩む。十年に及ぶ僻地での海外勤務に耐え、ようやく本社に復帰したものの、恩地への待遇が変わることはなかった。そんな逆境の日々の中、航空史上、最悪最大のジャンボ機墜落事故が起こる。遺族係を命ぜられた恩地は現地に赴き、未曾有の悲劇に直面する。政府は事態を重く受け止め、腐りきった組織を立て直すため、新会長に外から招聘した国見に要請する。そして国見は新設した会長室の部長に恩地を抜擢。国見の「君の力を借りたい」という真摯な説得に応じた恩地だったが、それは終わりなき暗闘の始まりに過ぎなかった。

監督は『Fukushima 50』(2019)の若松節朗。原作は山崎豊子の同名小説。出演は渡辺謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二ほか。

第32回最優秀作品賞『おくりびと』(2008)

あらすじ:リストラを機に帰郷した、チェロ奏者の大悟。 高給と短い労働時間にひかれ、求人に応募した彼だが、社長の佐々木から思いもよらない業務内容を告げられる。それは遺体を棺に納める仕事だった。戸惑いながらも、妻の美香には結婚式場の仕事と偽り、納棺師の見習いとして働き出す。美人だとおもったらニューハーフだった青年、幼い娘を残して亡くなった母親、沢山のキスマークでお送り出される大住生の老人。そこには、さまざまな境遇のお別れが待っていた。

監督は『北の桜守』(2018)の滝田洋二郎。出演は本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、吉行和子ほか。

第31回最優秀作品賞『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(2007)

あらすじ:九州の小倉。変わり者のオトンはボクが小さい頃から別居していて、15歳で家を出るまでボクはオカンと共に暮らしていた。やがて故郷を離れボクは東京の美大に通い、オカンにあらゆる迷惑をかけ続けながら、ぐうたらな生活を続けていた。だが、ようやく「ボクの最低の底もつき」、ついに仕事を始める。やがて、ボクは食えるようになり、オカンを東京に呼び寄せる。オカンと共にはじめて手にした我が家。気兼ねなく暮らし、オカンはボクの友達にも飯を振る舞い、楽しい生活が始まった。ところが、オカンの身体はガンに冒されていたのだった……。

監督は『深夜食堂』(2015)の松岡錠司。原作はリリー・フランキーの同名小説。出演はオダギリジョー、樹木希林、内田也哉子、松たか子、小林薫ほか。

第30回最優秀作品賞『フラガール』(2006)

あらすじ:昭和40年、エネルギー革命により閉鎖に追い込まれた炭鉱の村。そこには北国をハワイに変えようという起死回生のプロジェクトが持ち上がっていた。目玉となるのはフラダンスショー。フラダンスを見たこともない炭鉱娘に指導するため、東京からダンサーの平山まどかがやってきた。最初は嫌々教えるまどかだったが、ひたむきに踊る谷川紀美子らの姿に、忘れてかけていた情熱を思い出していく。

監督・脚本は『流浪の月』(2022)の李相日。出演は松雪泰子、豊川悦司、蒼井優、山崎静代(しずちゃん)、池津祥子ほか。

第29回最優秀作品賞『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)

あらすじ:昭和33年、東京下町の夕日町三丁目。ある日、鈴木則文が営む自動車修理工場・鈴木オートに、集団就職で上京した六子がやってくる。しかし、思い描いていたイメージとのギャップに、少しがっかりした様子。その鈴木オートの向かいにある駄菓子屋の店主で、しがない小説家の茶川竜之介。彼はひょんなことから、一杯飲み屋のおかみ・ヒロミのもとに連れてこられた身寄りのない少年・淳之介の世話をすることになるのだが……。

監督・脚本は『ゴジラ-1.0』(2023)の山崎貴。原作は西岸良平の漫画「三丁目の夕日 夕焼けの詩」。出演は吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、三浦友和ほか。

第28回最優秀作品賞『半落ち』(2003)

あらすじ:アルツハイマー病を患う妻・啓子を殺害したとして、現役警部・梶聡一郎が自首して来た。捜査一課強行犯指導官・志木和正の取り調べに対し、梶は素直に犯行を認める。しかし、彼は自首するまでの二日間に関しては決して口を開こうとしなかった。

監督は『ツレがうつになりまして。』(2011)の佐々部清。原作は横山秀夫の同名小説。主演は寺尾聰、柴田恭兵、原田美枝子、吉岡秀隆、鶴田真由ほか。

第27回最優秀作品賞『壬生義士伝』(2002)

あらすじ: 幕末の混乱期に、京都府中守護の名目で結成された新選組の隊士・吉村貫一郎。幕府の力が弱まるにつれ、明日をも知れない運命に翻弄される隊士たちの中で、貫一郎はただ一人、異彩を放っていた。名誉を重んじ、死を恐れない武士の世界において、彼は生き残りたいと熱望し、金銭を得るために戦った。全ては故郷の妻と子供たちを守るため。愚直なまでに「愛する者のために生きる」。家族だけではない。友、仲間、心を通わせた相手のために貫一郎は生き抜いた。やがて「守銭奴」と彼をさげすんでいた隊士も気づき始める。貫一郎の「義」は、「人としての愛」なのだと。波瀾の運命をたどりながらも、見事なまでに純粋に生きた男の物語。

監督は『おくりびと』(2008)の滝田洋二郎。出演は中井貴一、佐藤浩市、三宅裕司、夏川結衣、中谷美紀ほか。

第26回最優秀作品賞『たそがれ清兵衛』(2002)

あらすじ:幕末の庄内、海坂藩。平侍の井口清兵衛は妻を亡くし、二人の娘と老母のために下城の太鼓が鳴ると家路を急ぐ毎日。同僚たちはそんな彼を“たそがれ清兵衛”と呼んでいた。ある日、幼なじみの朋江を救ったことから剣の腕が噂になり、上意討ちの討手として清兵衛が選ばれてしまう。清兵衛は藩命に逆らえず、朋江への想いを打ち明け、切腹を不服とする余吾膳右衛門が立てこもる死地に向かった。

監督は「男はつらいよ」シリーズの山田洋次。出演は、真田広之、宮沢りえ、小林稔侍、大杉漣、吹越満ほか。

第25回最優秀作品賞『千と千尋の神隠し』(2001)

あらすじ:不思議な世界に迷い込み、両親と離れ離れになってしまった10歳の少女・千尋は、神々が集う湯屋「油屋」の主人・湯婆婆に名前を取り上げられ、謎の少年・ハクの協力を得て働くことになる。湯婆婆、釜爺、ススワタリ、カオナシやオクサレ様と個性的なキャラクターと様々な経験を通して、千尋は生きる力に目覚めていく。

監督は『風の谷のナウシカ』(1984)の宮崎駿。声の出演は島本須美、辻村真人、京田尚子、納谷悟朗、永井一郎ほか。

第24回最優秀作品賞『雨あがる』(1999)

あらすじ:武芸の達人でありながら、お人好しな性格が災いして仕官になれない三沢伊兵衛とその妻・たよは、旅の途中、雨に降られてある安宿に泊まることに。そんな折、若侍同士の果しあいを仲裁した三沢は、その腕を見込まれて藩主・永井和泉守の城に招かれるが……。

監督は小泉堯史、脚本は黒澤明。出演は寺尾聰、宮崎美子、三船史郎、吉岡秀隆、原田美枝子ほか。

第23回最優秀作品賞『鉄道員(ぽっぽや)』(1999)

あらすじ:北の果ての小さな終着駅で、不器用なまでにまっすぐに、鉄道員一筋の人生を送ってきた佐藤乙松。一人娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、駅に立ち続けた……。今年で定年を迎える乙松は、彼と運命を共にするように廃線が決まった北海道のローカル線の駅長だった。駅を守り続けながらも、かつて愛する妻と幼い一人娘の命さえ守れなかった苦い悔恨は、乙松の心に深く宿っていた。そんなある日、いつものように気動車を見送り、ホームの雪掻きをしていた乙松のもとへ、愛らしい少女がやって来る。ありふれた日々の、なにげない出来事のように思えたこの出会いこそ、孤独な乙松の人生に訪れた、やさしい時間の始まりだった……。

監督は『駅 STATION』(1981)の降旗康男。出演は高倉健、小林稔侍、大竹しのぶ、広末涼子ほか。

第22回最優秀作品賞『愛を乞うひと』(1998)

あらすじ:夫を早くに亡くし、娘の深草と二人で暮らす照恵。彼女は幼い頃に死に別れた父親の遺骨を探していた。そんなある日、父親違いの弟・武則が詐欺で捕まったとの知らせが届く。久々に武則と再会した照恵の脳裏に蘇ってきたのは、母から受けた虐待の記憶だった。

監督は『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』(2019)の平山秀幸。出演は原田美枝子、野波麻帆、小日向文世、熊谷真実、國村隼ほか。

第21回最優秀作品賞『もののけ姫』(1997)

あらすじ:中世日本。青年・アシタカは村に襲い来るタタリ神をくい止めることに成功したものの、その代償として右腕に死の呪いを受けることになってしまう。呪いを解くための方法を見つけるため、アシタカはタタリ神のやってきた方角へ旅立っていく。その旅の先。アシタカは山犬に育てられた人間の娘・サンや、タタラ場を治める女性・エボシたちと遭遇する。鉄を作るために自然を破壊する人間と、それに争う自然の生き物たちとの戦いに、アシタカも巻き込まれていくのだった……。

監督は『風の谷のナウシカ』(1984)の宮崎駿。声の出演は松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、小林薫、西村まさ彦、上條恒彦ほか。

第20回最優秀作品賞『Shall we ダンス?』(1996)

あらすじ:真面目でごく普通のサラリーマン杉山正平は、ある晩、ダンス教室の窓べにものうげにたたずむ美しい女性を通勤電車から見る。家庭にも会社にも何の不満もなかったが、どこか空しさを感じていた杉山が、数日後、ためらいながらもダンス教室の扉を開くと、そこには「社交ダンス」の摩訶不思議な世界が広がっていた……。

監督は『シコふんじゃった。』(1991)の周防正行。出演は役所広司、草刈民代、竹中直人、渡辺えり(渡辺えり子)、柄本明ほか。

第19回最優秀作品賞『午後の遺言状』(1995)

あらすじ:毎年、夏になると蓼科の別荘を訪れる新劇のベテラン女優・森本蓉子と、三十年以上も別荘を管理している農婦のとよ子。今年の夏もその別荘でさまざまな出来事が起きていく。そしてとよ子は、蓉子に向かってある重大な秘密を打ち明けた……。

監督は『鬼婆』(1964)の新藤兼人。出演は杉村春子、乙羽信子、朝霧鏡子、観世栄夫、瀬尾智美、松重豊ほか。

第18回最優秀作品賞『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(1994)

あらすじ:時は元禄。浪々の末、ようやく浅野家の家臣に取り立てられた伊右衛門だったが、刃傷沙汰による赤穂藩取り潰しで、再び浪人になってしまう。琵琶の門付けに立つ彼の前に現れた一人の女。彼女こそが、運命の女、お岩だった……。

監督は『バトル・ロワイアル』(2000)の深作欣二。出演は佐藤浩市、高岡早紀、蟹江敬三、津川雅彦、荻野目慶子ほか。

第17回最優秀作品賞『学校』(1993)

あらすじ:夜間中学の教師・黒井は、卒業式も近づいたある日、卒業記念文集のための作文の授業を行う。原稿用紙にそれぞれの思いを綴る様々な職業、年齢の生徒たち。給食の時間に、クラスの一員・イノさんが死んだという知らせが届く。突然の訃報に悲しむ黒井と生徒たちは、イノさんの思い出を語り始める。不幸な生い立ちとその後の苦労、田島先生への恋心。そして突然病に倒れ、故郷の山形へ帰ったきり帰らぬ人となったこと。いつしか黒井と生徒たちは人間の幸福について話し合うようになっていった。生徒と先生が汗を流して語り合う、これこそ授業だと確信する黒井先生に応えるかのように、クラスの一員・えり子が、自分も夜間学校の先生になる、そしてこの場所に戻ってくる、と決意を語る。

監督は「男はつらいよ」シリーズの山田洋次。出演は西田敏行、新屋英子、裕木奈江、竹下景子、萩原聖人。

第16回最優秀作品賞『シコふんじゃった。』(1991)

あらすじ:大学四年生の秋平は、父親の人脈を使って就職も決まり、残り少ない大学生活を楽しんでいた。ある日、彼は卒論指導教授の穴山に呼び出される。授業に一度も出席したことのなかった秋平は、穴山から卒業と引き換えに、相撲部の試合に出るよう頼まれる。

監督は『Shall we ダンス?』(1996)の周防正行。出演は本木雅弘、清水美砂(清水美沙)、竹中直人、水島かおり(矢沢由美)ほか。

第15回最優秀作品賞『息子』(1991)

あらすじ:妻に先立たれ、岩手に住む父親の悩みは、東京に住む末っ子・哲夫のことだ。定職もなくアルバイトで気ままに暮らす息子をたしなめる父、そして反発する息子……。そんな哲夫も下町の工場で働くうち、可憐なろうあ者の娘に激しい恋をする。愛する人のために働く喜びを見い出した哲夫は、父親を愛している自分にも気づき、やがて岩手に帰っていくのだった。

監督は「男はつらいよ」シリーズの山田洋次。出演は三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見、田中隆三、原田美枝子ほか。

第14回最優秀作品賞『少年時代』(1990)

あらすじ:昭和19年10月、戦局が悪化の一途辿る中、東京の小学五年生だった風間進二は、富山に縁故疎開することになった。ひ弱な優等生タイプの進二は学校ではよそ者扱いを受ける。そんな進二にガキ大将の武が近づいてきた。徐々に打ち解ける二人だったが、権力を誇示する武は学校では進二に冷たく接するのだった……。

監督は『乾いた花』(1964)の篠田正浩。藤田哲也、堀岡裕二、山崎勝久、小日向範威、岩下志麻ほか。

第13回最優秀作品賞『黒い雨』(1989)

あらすじ:昭和20年8月6日午前8時14分30秒、一瞬の閃光とともにヒロシマが消えた。二十歳の矢須子は大粒の黒い雨に打たれる。これが、矢須子の人生を大きく左右する雨であった。五年後、矢須子は叔父夫婦とつつましく暮らしていた。しかし、彼らは既に原爆病に冒されていた。矢須子は結婚適齢期をむかえ、何度お見合いをしても原爆病であることが噂になり破談になってしまう。どうしようもない憤りを持つ矢須子の運命は……。

監督は『復讐するは我にあり』(1979)の今村昌平。出演は田中好子、北村和夫、市原悦子、沢たまき、三木のり平ほか。

第12回最優秀作品賞『敦煌』(1988)

あらすじ:科挙の試験に落ちた行徳は、失意の末に西夏へ向かう。西夏軍に捕らえられ、外人部隊に編入させられた行徳は朱王礼と出会い、参謀として重用される。やがて、行徳は敦煌で辞書の編纂をするようになるが、この地にも西夏軍の侵略が迫っていた。

監督は『人間の証明』(1977)の佐藤純彌。岡田茉莉子、松田優作、ジョージ・ケネディ、ジョー山中、三船敏郎、岩城滉一ほか。

第11回最優秀作品賞『マルサの女』(1987)

あらすじ:港町税務署の調査官・板倉亮子は、パチンコ店の所得隠しを発見したり、老夫婦の経営する食料品店の売上計上漏れを指摘するなど、地道な仕事を続けていた。亮子は、実業家・権藤英樹の経営するラブホテルに脱税の匂いを嗅ぎつけたものの、強制調査権限のない税務署業務の限界もあり、巧妙に仕組まれた権藤の犯罪を暴くことができなかった。そんな中、亮子は東京国税局査察部、通称「マルサ」に抜擢される。

監督は『お葬式』(1984)の伊丹十三。宮本信子、山崎努、津川雅彦、大地康雄、桜金造、麻生肇ほか。

第10回最優秀作品賞『火宅の人』(1986)

あらすじ:桂一雄には、先妻の子をはじめ、言葉と手足が麻痺した次郎を含めた五人の子供と妻ヨリ子との家庭があった。妻は次郎のことで、怪しい宗教にすがるようになっていた。昭和31年夏、一雄はとうとう新劇女優・恵子との同棲に踏み切る。恵子は八年前に一雄を訪ねてきて以来、女給をしながら舞台に立つかたわら、一雄の原稿の清書を手伝っていた。転々流浪、一雄は若々しい恵子との情事のとりこになっていた。その挙句、恵子は妊娠し堕胎。二人の生活にはどこか負い目がつきまとっていた。恵子との大喧嘩の後、一雄はアテのない旅に出る。そこで、自分に似た悲しいまでに孤独な魂をもった不思議な島の女・葉子と知り合い、束の間のやすらぎを得るのだった。しかし、久々に東京に戻った一雄を待っていたのは、次郎の死と恵子との別れであった……。

監督は『バトル・ロワイアル』(2000)の深作欣二。出演は緒形拳、いしだあゆみ、原田美枝子、松坂慶子、利根川龍二ほか。

第9回最優秀作品賞『花いちもんめ』(1985)

あらすじ:元大学教授の考古学者・鷹野冬吉がアルツハイマー性老人痴呆症にかかった。軽いめまい、手足の痺れから始まって、極度の物忘れに家族の顔や名前さえも判らなくなり、一気に症状が悪化する。痴呆老人を抱えた一族ののっぴきならない大騒動が始まり……。

監督は『日本独立』(2020)の伊藤俊也。千秋実、十朱幸代、西郷輝彦、中田喜子、加藤治子、二宮さよ子ほか。

第8回最優秀作品賞『お葬式』(1984)

あらすじ:井上佗助と雨宮千鶴子は俳優夫婦。二人がCMの撮影中、千鶴子の父が亡くなったと連絡が入る。その夜、夫婦は、子どもたち、マネージャーの里見と車に分乗し、千鶴子の両親が住む別荘へと向かった。病院に安置されている亡き父と対面した後、侘助は病院の支払いを里見に頼み、二十万円を渡すが、費用はわずか四万円足らず。初めて喪主を務めることになった侘助にとって、葬儀は知らないことばかりだった。

監督は『マルサの女』(1987)の伊丹十三。出演は山崎努、宮本信子、菅井きん、大滝秀治、奥村公延、財津一郎ほか。

第7回最優秀作品賞『楢山節考』(1983)

あらすじ:冬、信州の雪に埋もれた小さな村のはずれにおりんの家があった。おりんは六十九歳、楢山まいりの冬を迎えようとしている。この村では七十歳を迎えた冬に楢山へ行くことで貧しい村の未来を守っていた。それは死を意味し、供につく者の親を思う心は重くつらい。おりんは楢山へ行くことを少しも恐れてはいなかった。夏、楢山祭りの日、息子・辰平の後添えに向こう村から玉やんがやってきた。おりんは玉やんを気に入り、得意のやまめ取りを教えると約束する。早秋、食料を盗んだ村人が生き埋めにされた。これも村の厳しい掟の一つだった。晩秋、おりんが玉やんにやまめ取りの秘法を教えたその晩、山へ行くための儀式が始まった。辰平はおりんを背負って険しい山を登る。そこには無数の老人たちの白骨が待っていた……。

監督は『復讐するは我にあり』(1979)の今村昌平。出演は緒形拳、坂本スミ子、あき竹城、倉崎青児、左とん平ほか。

第6回最優秀作品賞『蒲田行進曲』(1982)

あらすじ:「新選組」の撮影真っ只中、土方歳三に扮する“銀ちゃん”こと倉岡銀四郎は、敵役の坂本龍馬を演じる橘が、主役の自分より目立っているのが気に入らない。さらに、最大の見せ場である“池田屋の階段落ち”のシーンが、命の危険を伴うため、中止になろうとしていた。そんなある夏の日、大部屋役者のヤスのアパートに、銀ちゃんが子供を身ごもった女優・小夏を連れてくる。銀ちゃんに、「俺を助けると思って、小夏と一緒になってくれ!」と言われたヤスは、言われるままにする。そんな中、銀ちゃんが失踪する……。

監督は『バトル・ロワイアル』(2000)の深作欣二。出演は松坂慶子、風間杜夫、平田満、高見知佳、原田大二郎、蟹江敬三ほか。

第5回最優秀作品賞『駅 STATION』(1981)

あらすじ:雪の降る北海道の銭函駅で、三上英次は妻と別れた。警察官であり、オリンピック射撃選手でもある英次には、妻のたった一度の過ちも許せなかった。ある日、英次の上司が凶悪犯に射殺された。だが、オリンピックが目前の英次は捜査から外されてしまう。

監督は『鉄道員(ぽっぽや)』(1999)の降旗康男。高倉健、小林稔侍、大竹しのぶ、広末涼子、奈良岡朋子、田中好子ほか。

第4回最優秀作品賞『ツィゴイネルワイゼン』(1980)

あらすじ:士官学校の教授・青地豊二郎と、元同僚で無頼の友人・中砂糺は、旅先の宿で弟の葬式帰りだという芸者・小稲と出会う。一年後、結婚したという中砂の家を訪ねた青地は、新妻の園を見て驚く。彼女はかつて旅先で呼んだ芸者・小稲と瓜二つだった。

監督は『ピストルオペラ』(2001)の鈴木清順。原田芳雄、藤田敏八、大谷直子、大楠道代(安田道代)、麿赤兒、真喜志きさ子、樹木希林ほか。

第3回最優秀作品賞『復讐するは我にあり』(1979)

あらすじ: 二人の男を殺して逃亡する榎津巌は投身自殺を偽装して警察の目を欺き、以後も次々と殺人を繰り返していく。やがて彼は浜松に住むハルの情夫となるが……。九州、浜松、東京で五人を殺した上、史上最大と言われる重要指名手配の公開捜査をかいくぐって、時には大学教授、時には弁護士と称して詐欺と女性関係に明け暮れる犯罪王の行く末は……。

監督は『楢山節考』(1979)の今村昌平。出演は緒形拳、三國連太郎、ミヤコ蝶々、倍賞美津子、小川眞由美ほか。

第2回最優秀作品賞『事件』(1978年)

あらすじ:神奈川県の相模川沿いにある土田町の山林で、若い女性の刺殺体が発見された。その女性はこの町の出身で、新宿でホステスをしていたが、一年ほど前から厚木の駅前でスナックを営んでいた坂井ハツ子であった。数日後、警察は十九歳の造船所行員・上田宏を犯人として逮捕する。 裁判が開始され、果たして本当に宏が殺人を犯したのかという疑問を含め、 裁くもの裁かれるものすべてを赤裸々にあばきながら、青春そのものが断罪されていく。

監督は『震える舌』(1980)の野村芳太郎。渡瀬恒彦、十朱幸代、中野良子、若命真裕子ほか。

第1回最優秀作品賞『幸福の黄色いハンカチ』(1977)

あらすじ:模範囚として六年の刑期を終えた男・島勇作が、行きずりの若者二人と共に、 妻のもとへ向う。刑期を終える直前、勇作は妻・光枝に手紙を書いていた。「俺は、お前が良い男と再婚して、幸せになっていることを望んでいる。 この手紙がつく頃、俺は夕張に行くが、 もしも、お前が今でも独りで暮しているなら、庭先の鯉のぼりの竿の先に黄色いハンカチをつけておいてくれ。そのハンカチを見たら俺は家に帰る。 でもハンカチがなかったら、俺はそのまま夕張を去っていく」と。 車は赤平、 歌志内、砂川を過ぎて一直線に夕張に向かった……。

監督は「男はつらいよ」シリーズの山田洋次。出演は高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり、たこ八郎、太宰久雄。

※2024年2月20日時点の情報です。

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