遂に劇場版公開!放送コードギリギリの過激さで魅せる刑事ドラマ『MOZU』とは?

感受性複雑骨折

寂々兵

11月7日(土)より、ファン待望の『劇場版 MOZU』が公開されます。

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Season2で多くの謎を残して最終回を迎えた『MOZU』。Season3の製作も期待されましたが、先に劇場版が公開されるということで期待を隠せないファンも多いでしょう。

今回は2014年に放映されたドラマ版にスポットを当て、『MOZU』のあらすじと魅力を振り返っていきたいと思います。なお、ネタバレをしていますので、未見の方はご注意ください。

過激で凄惨な描写が話題を呼んだドラマ『MOZU』とは?

『MOZU』は公安警察の陰謀やテロリストとの闘いなど多数の思惑が絡み合い、謎が謎を呼ぶサスペンス・アクションです。原作は推理小説や時代小説で著名な逢坂剛の長編小説。現在『百舌の叫ぶ夜』『幻の翼』の2作が映像化されていますが、ドラマオリジナルの展開も多いようです。

ドラマ版はTBSとWOWOWの共同制作という形で作られ、2014年4月よりTBS系列にてSeason1が、続く6月よりWOWOWプライムチャンネルにてSeason2が放映されました。

近年の日本のドラマでは珍しい凄惨な暴力描写、ハードボイルド調の演出や展開が話題となり、「これは放送コードギリギリじゃないか?」といった声も多くあがりました。

また、過激さだけではなくストーリーもしっかりしており、SEASON1は第43回国際エミー賞の連続ドラマ部門にノミネートされるなど大奮闘を見せています。

そのあまりのハードボイルドっぷりに、一部の視聴者から「喫煙シーンが多すぎる!」という「そんなの知ったこっちゃないよ」としか言えないクレームも殺到したとか。

本作にとってタバコという嗜好品は作中の世界を構築する上で重要なアイテム。確かに四六時中吸い過ぎな気もしますが、嫌なら見なければいいだけの話です。

Season1~百舌の叫ぶ夜~

Season1のメインの謎は銀座の繁華街で白昼に発生した爆発事件の真相解明です。この爆発で公安部の倉木(西島秀俊)の妻(石田ゆり子)が死亡し、また同じく公安部の明星(真木よう子)も別件の捜査で現場に立ち会います。

更に刑事部の大杉(香川照之)も加わり、警察庁警務局の監査官・津城(小日向文世)の指示のもと、事件を捜査していきます。

爆破で死亡した首謀者・筧(田中要次)は警察内部の機密情報が入ったICチップを持っており、またサルドニア共和国テロリストと共謀して大統領の暗殺を企てていたことが明らかになります。

この爆破事件の黒幕は公安部長の室井(生瀬勝久)。筧がサルドニア大統領暗殺を狙っていることを知り、利用したのです。他国の大統領が日本で暗殺されることによって現警察幹部が失脚し、その後新たな「公安省」なる組織を設立して自らがその組織のトップに就くことが目的でした。

元公安部の捜査官でもあった倉木の妻はこの陰謀に巻き込まれ死亡したのです。結局暗殺計画は阻止され、室井も殺害されました。

物語の中盤以降は、犯罪などを請け負う裏の顔を持つ警備会社の役員・東(長谷川博己)や、彼に筧の暗殺を命令された殺し屋・新谷和彦と双子の弟・新谷宏美(共に池松壮亮)なども絡み、デパートやビル、空港、廃墟などを舞台に派手なアクションが繰り広げられます。

東の元で働いていた殺し屋・中神(吉田鋼太郎)が新谷との死闘の末に惨殺・百舌鳥に見立てて串刺しにされたり、また細かな描写こそ省かれたものの、たまたま事件に巻き込まれただけの記者(有村架純)が拷問・殺害されるなど、民放ではなかなか見れないハードな展開も多く見ごたえ十分でした。

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Season2~幻の翼~

Season2のメインの謎は、室井が指揮をとり、倉木の妻が参加させられた極秘の潜入作戦「グラークα」の全容解明です。全6名からなる精鋭部隊のうち、潜入捜査から生きて帰ってこれたのは倉木の妻一人だけ。

彼女が拘束されていた”空白の72時間”に何があったのか? 倉木はその真相を握っている人物、イワン・タイラーと呼ばれる男を追うため、彼の情報を求めてジャーナリストと接触します。

そして明星もまた、行方不明となっている自身の父について頭を悩ませていました。

表向きには「ソ連に乗っ取られた国民監視システムの奪還」と言われていたグラークαの真の目的とは、公安を裏切りロシアに付いた男の暗殺でした。その男こそ、明星の父である明星洋人(篠田三郎)であり、また倉木が探し求めていたイワン・タイラーでもあったのです。

グラークαの際、公安の精鋭部隊は明星洋人に拘束されましたが、倉木の妻だけは「グラークα作戦が存在した事実の証明」として、また「日本とロシアの間に緊張感を保持する」目的で生かされました。「彼女ならば夫の身の安全を考えて秘密を口にしないだろう」と判断されたためです。

結局彼は真相を話した後、スパイの拠点であった潜水艦と共に海の底に沈んでいきます。

Season2はたった5話と短い話数のため、テンポよく話が進んでいきました。Season1と比べてアクションが控え目となった代わりに、ミステリ色が強くなった本作。小さな謎も少しずつ解決していきましたが、シリーズを通しての最大の謎が未だ解明されていません。

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劇中最大の謎である”ダルマ”とは?

作中たびたび登場する「ダルマ」という名称。不気味な坊主頭の男のイラストがそう呼ばれています。登場人物の多くが「夢で見た」と発言したり、はたまたSeason2の最終回で津城が「ダルマを使って隠蔽してください」と何者かに電話するなど、その素性の一切が不明のままドラマは最終回を迎えました。

元ネタは「This man」と呼ばれる人物。2006年、ニューヨークの精神科に通った人々の夢に登場する男のモンタージュがそっくりであることからその名を知られ、現在はウェブを通じて数千人の目撃情報が出ています。

現在ではアメリカ軍による陰謀説、ストレスの状況下における元型説、実在の男が夢に入り込んだ説など様々な憶測が飛び交っていますが、真相は定かではありません。

そしてその「ダルマ」の謎については、ドラマファンから多くの考察が巻き起こりました。

ダルマとは警察上層部が使用する隠語ではないか?国民監視システムの名称か?津城がダルマに酷似しているのはあからさまなミスリードか?最終回でちょこっとだけ映った警察のおっさんがダルマ?いや、そもそもダルマの謎は解明されないのでは?

そんな中、今年5月に衝撃のニュースが飛び込んできました。

『ビートたけしが”ダルマ”役で劇場版MOZUに出演!』

何と、御大ビートたけしがダルマ役で出演するというのです。ファンはまず「ダルマが実在しちゃうの!?」と驚きを隠せなかったことでしょう。「ビートきよしの方が似てない?」という私見はさて置き、これは期待せざるを得ない展開です。

気になった方は劇場へ!

今回の劇場版では、高層ビル占拠爆破・ペナム大使館襲撃という二つの大規模テロが描かれます。

この2つの事件は犯罪プランナー・高柳(伊勢谷友介)と殺し屋・権藤(松坂桃李)らによるテロリスト集団によって引き起こされました。そしてその陰に見え隠れするのが、日本の大きな犯罪を操ってきたダルマことビートたけしです。

更にドラマでお馴染みだったキャラ・東や新谷なども登場し、彼らを相手に倉木や明星などのメンバーが闘いを挑みます。ドラマでの伏線や謎がそのまま引き継がれる形となるので、ドラマ版をおさらいしておいた方が良いかもしれません。

邦画ではなかなかお目にかかれない壮大なアクションシーンなども多くあり、今から楽しみですね!

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※2021年5月31日時点のVOD配信情報です。

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劇場版 MOZU
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