2016年!ザック・スナイダー監督による『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』を皮切りに、今年も映画ファンの胸を熱くするアメリカンコミック(=アメコミ)界のヒーローたち。「あのバットマンとスーパーマンが戦うの!?」と驚く人もいれば、「待ってました!」と目を輝かせる人も…。
今回はそんなアメコミヒーローたちが2016年にどんな勇姿を見せてくれるのか?というテーマで、今年公開予定のアメコミ映画を紹介していきたいと思います。
(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC
ついに始動!DCコミックスの一大プロジェクトとは?
早くも2016年3月25日に公開を控えている『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』。本作こそ今年最初の大作アメコミ映画にして、DCコミックスによる一大プロジェクトの序章とも言うべき作品です。
まず、アメコミというものに馴染みがない人のためにも“DCコミックス(=DC)”について簡単に説明しましょう。
DCコミックスとはアメコミの出版社のことです。DCは、MARVELコミックス(『スパイダーマン』や『アベンジャーズ』のヒーローたちを生んだ出版社)よりも古く歴史の長い出版社で、アメリカのコミック出版社といえばDCとMARVELと言われています。
DCが生み出した代表的なヒーローといえば、もちろんスーパーマンとバットマンですね。その他のヒーローでいえば2011年に日本でも劇場公開された『グリーン・ランタン』や、TVドラマシリーズの『アロー』(原作のタイトルは『グリーン・アロー』)、『少年は残酷な弓を射る』のエズラ・ミラーが演じることでも注目されている『ザ・フラッシュ』もDCコミックスのヒーローです。
また、「ファントムには逆らえない。」という知る人ぞ知る名セリフを生んだ『ザ・ファントム』もDCの古いヒーローだったりします。
そのDCが満を持して打ち出すプロジェクト。それが“ジャスティス・リーグ”の映画化と、それに伴うDCコミックスのヒーローたちの映画化&クロスオーバー企画!
最強のヒーロー軍団“ジャスティス・リーグ”に備えよ!
ジャスティス・リーグとは、バットマンとスーパーマンを中心に結成されたDCのヒーローたちによるチームのこと。MARVELコミックスでいうところの“アベンジャーズ”と同じですが、実はDCの方が出版社としての歴史が長い分、コミックスに登場したのはアベンジャーズよりも先だったりします。
ジャスティス・リーグに名を連ねるのはバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマン、アクアマン、サイボーグ、ザ・フラッシュがメインであり、今回企画されているジャスティス・リーグの映画化にもこのメンバーが登場することだけは判っているようです。
その他にも原作のコミックスではグリーン・ランタンやグリーン・アロー、シャザム!といったヒーローたちがチームに加わっています。グリーン・ランタンとシャザム!に関しては今後映画化されることが既に決まっているのだとか。(グリーン・ランタンに関しては2011年のライアン・レイノルズ主演の方は無かった事になり、リブートとしての企画だといいます。)
『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』は“ジャスティス・リーグ”の誕生秘話?
皆さんは『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』(=BVS)の予告編は御覧になられたでしょうか?
(C) 2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. TM & ©DC Comics.
タイトルにもなっているバットマンとスーパーマンの他に何やらヒロインらしきかっこいい女性が写っていませんでしたか?そう、剣と盾を持った彼女こそジャスティス・リーグのメンバーの一人。ワンダーウーマンなんですね。
バットマンとスーパーマンの他にもワンダーウーマンが出ているとなれば、これはもしかしたらジャスティス・リーグ結成のキッカケになる作品なのでは?と予想ができるわけです。
また、海外の映画情報サイトImdbのBVSのキャストに関するデータベースにはアクアマンを演じるジェイソン・モモア(『コナン・ザ・バーバリアン』)やザ・フラッシュを演じることになっているエズラ・ミラーの名前まであるので、BVSがジャスティス・リーグと大いに関係してくるのはほぼ間違いないと言えるでしょう。
BVSの予習に観ておきたい作品とは?
ここまでのお話で『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』が実はとてつもなく巨大な映画プロジェクトの一つであることは分かって頂けたかと思います。
MARVELコミックスの『アベンジャーズ』シリーズもそうですが、本作もDCの豪華絢爛なお祭り映画といった装いもありますので、アメコミファンはもちろんのこと、そういったジャンルに馴染みがなかった人たちも大いに楽しんで頂きたく思います。
そのために予習といってはなんですが、ぜひBVSの前に観ておいてほしい作品を一つだけ紹介します。それが『マン・オブ・スティール』です。
本作はスーパーマンの誕生を描いた作品で、BVSと同じくザック・スナイダーが監督を務めています。スーパーマンを演じるのはヘンリー・カヴィルということで、そこもBVSと同じ。つまり、本作『マン・オブ・スティール』はBVSと世界観が同じなのです。
とは言っても『マン・オブ・スティール』を観ていなければBVSが楽しめないなんてことは絶対にないと思われるのでご安心を。
ただ、これはBVSの予告編で判明していることなのですが、バットマンとスーパーマンというDCの二大ヒーローがぶつかり合うコトの発端となったのは『マン・オブ・スティール』の一件があったから…ということらしいので、本作を観ておくとよりBVSを楽しめるのではないかと。
さぁ、DCコミックスによるジャスティス・リーグを中心としたビッグ・プロジェクトがついに始動です!
「“俺ちゃん”大ヒット!?」な『デッドプール』の魅力!
(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
MARVELコミックスのヒーローたちの中でも一、二位を争うほどの人気者。そして、ある意味で最強、ある意味で問題児のデッドプールがついに映画化され、全米で公開されました。
劇場でのチケット売り上げや興行成績などを示したBox Officeを見てみてもR指定映画としては過去最高の興行収入を叩き出しており、今現在でもその勢いは止まりません。そんなデッドプールってどんなヒーロー?という紹介をしましょう。
デッドプールとは元々X-MENシリーズから派生したキャラクターです。本名はウェイド・ウィルソン。彼が“デッドプール”となる前は軍の特殊部隊で訓練された凄腕の暗殺者でした。
しかし、癌に侵されその治療のために“ある実験”に参加。そこでウルヴァリンの持つ自己再生能力を身体に注入され癌を克服するのですが、皮肉にもその実験のせいで癌細胞が暴走。そして再発…。
おかげで身体が蝕まれているのに自己再生してしまうから死ぬこともできないという何ともかわいそうな境遇に…。それだけに留まらず、全身の皮膚状態も悪化しゾンビのような面構えになってしまうのです。そのせいからか、いつしか頭の中にいるもう一人の自分と会話をするようになります。
そんな悲劇的な境遇とは裏腹に、デッドプールはとにかく明るくておしゃべり。また、彼は自分自身がコミック世界のキャラクターであるということが分かっているという設定なので、原作コミックスでは読者に話しかけてくるんですよね。
はたして、その部分を映画ではどのように表現するのか?やはり観客に向かって話しかけてきたりするんだろうか?というのも楽しみの一つであると思います。
ちょっとかわいそうで、でもどこかキュートな魅力を持つデッドプールは、とにかく強い!死なないという設定もそうですが、元々が凄腕の傭兵なので、明るくひょうきんなキャラクターに見えても、やるときはやる男!
男性はもちろん、女性ファンも虜にしてしまう魅力を持ったデッドプールが日本の劇場に姿を現すのは2016年6月3日となっております。
彼のデビュー作『マーク・ウィズ・ア・マウス』をはじめとした原作コミックスも沢山翻訳されいています。この機会に読んでみてはいかがですか?
アベンジャーズ崩壊の危機!?『キャプテン★アメリカ:シビル・ウォー』と初登場のヒーローたち
(C)2015 Marvel.
“マーベル・シネマティック・ユニバース(通称:MCU)”としてシリーズ化され、まるで『スター・ウォーズ』サーガのような一大絵巻となりつつあるMARVELコミックスの映画化シリーズ。
その最新作といえば『キャプテン★アメリカ:シビル・ウォー』です。これはもちろんキャプテン・アメリカが主役のシリーズ二作目『キャプテン★アメリカ:ウィンター・ソルジャー』からの流れを汲んだ作品なのですが、実はほとんどアベンジャーズの物語。
既に公開されている予告編を観ても分かるように、キャプテン・アメリカとそのヴィラン(悪役)だけでなく、アベンジャーズのメンバーのほとんどが登場。原作でも特に重要なエピソードといわれるアベンジャーズの内乱を描いた“シビル・ウォー”をどのように映画化するのか?映画ファンやアメコミファンの注目を集めます。
物語の全貌こそ分かりませんが、これまでのシリーズを追ってきたファンには衝撃の展開が待ち受けているのかも?なんにせよ気になるところですが今回は物語部分には触れずに、本作で初登場するヒーローたちを紹介していきたいと思います。
3月11日には最新の予告編も公開されました。なんとそこには“あのヒーロー”の姿まで!?
~ワカンダの戦士ブラック・パンサー登場!~
『キャプテン★アメリカ:シビル・ウォー』の予告編を観て、これまでのシリーズで観たことのないキャラクターがいると思いませんでしたか?黒い豹のようなコスチュームに身を包んだ戦士。彼がブラック・パンサーです。
彼はMARVELコミックス初となる黒人のヒーローで、アフリカのジャングルの奥地ワカンダの王でもあります。本名はティ・チャラ。彼は物理学の博士号を持っており、格闘技の達人。彼のスーツはキャプテン・アメリカのシールドと同じヴィヴラニウム合金で出来ており、主な武器は爪!というまさに原始的かつ原始的なヒーローです。
そんな彼が最新作『~シビル・ウォー』に登場するキッカケというのはまだ判りませんが、おそらく『アベンジャーズ』シリーズの二作目『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』に彼の故郷ワカンダが出ていたことに関係しているのではないかと思われます。
知的で肉体的にも屈強なワカンダの戦士ブラック・パンサーの活躍も気になりますね。
~早くも登場!アントマンの立ち居地はいかに?~
これまではただの噂でしかなかった『~シビル・ウォー』へのアントマン登場説。これがなんと3月11日に公開された最新版の予告編にハッキリとその姿が写っていたことで、またもファンの注目を集めました。
予告編を観るかぎりでは早くもアベンジャーズの内乱に参加ということになりそうです。記憶に新しいペイトン・リード監督による『アントマン』はコメディ俳優のポール・ラッドが主演ということもあってか『~シビル・ウォー』とは真逆のコミカルタッチな映画でした。
そんなアントマンがいきなりアベンジャーズの深刻な問題に関っていくことになるのもなんだか悲しい気がしますが、どういうタイミングでの登場なのか?もしかして仲裁役?といった彼の立ち居地が気になるところですね。
アメコミ映画ブームの火付け役!親愛なる隣人スパイダーマンが帰ってきた!
3月11日に公開された『~シビル・ウォー』の最新版の予告編により世界中の映画ファンやアメコミファンが歓喜の渦に巻き込まれた瞬間がありました。それが予告編の中の2:15あたりから。まだ観ていないという方はぜひ観て頂きたいのですが…
ついに登場です!
スパイダーマンに関しても先ほどのアントマンと同じように噂にはなっていました。そもそもは『~シビル・ウォー』への登場以前に三度目のリブート企画の噂が浮上し、それが『アベンジャーズ』シリーズへの参加のための再映画化というものだったんです。それがまさか『~シビル・ウォー』からの参加だったとは!
ちなみにスパイダーマンのリブートに関しても噂から真実へ。三代目のスパイダーマンを演じることとなるのは『インポッシブル』の若手俳優トム・ホランド。新『スパイダーマン』シリーズの公開も2017年7月を予定しているといいます。
サム・ライミが監督し、トビー・マグワイヤが演じた『スパイダーマン』三部作。マーク・ウェブが監督し、アンドリュー・ガーフィールドが演じた『アメイジング・スパイダーマン』二部作。これまで二度の映画化が成されているスパイダーマンですが、トム・ホランドが演じるスパイダーマンはどういった切り口で物語を再開させるのか?これもまた気になるところですね。
というわけで、『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』をはじめとしたDCコミックスの一大プロジェクトとは?というお話から、これから期待されるアメコミ原作のヒーロー映画を紹介させて頂きました。
もはや映画のジャンルの一つと言ってもおかしくはない“アメコミ映画”は今回紹介した作品の他にもまだまだあります。しかし「日本の漫画はともかく、アメコミは敷居が高いなぁ…」と感じてる方もまだ少なくないはず。
これを読んで少しでもアメコミ映画やヒーローの魅力を知り興味を持って頂けたら幸いです。まずは『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』をみんなで楽しみましょう!