東野圭吾の人気推理小説シリーズを映像化した「新参者」シリーズ。東京・日本橋署に赴任してきた“新参者”の刑事・加賀恭一郎が、鋭い推理力と独特の観察眼、足で稼ぐ地道な捜査によって事件の真相を解明するミステリーです。単なる刑事ドラマにとどまらず、事件の裏に秘められた人間模様や悲しい過去が“泣ける”と話題を呼びました。連続TVドラマに始まり、SPドラマ、劇場版など計5作品が展開され、17年の劇場版をもって幕を閉じています。
今回は、シリーズ全5作品をまとめてご紹介します。
連続ドラマ『新参者』(2010)
刑事・加賀恭一郎(阿部寛)が日本橋署に異動して間もなく、一人暮らしの女性翻訳家・三井峯子(原田美枝子)が絞殺される事件が発生。捜査一課の松宮脩平(溝端淳平)とコンビを組み、事件の捜査にあたることになった加賀は、日本橋や人形町で聞き込みを開始、独特の推理力と観察眼を働かせながら事件の真相に迫る……。
東野圭吾の「加賀恭一郎」シリーズ第8作目『新参者』を連続ドラマ化。1話完結型で、阿部寛、溝端淳平、黒木メイサといったメインキャストのほか、各話に豪華ゲストが登場する。一見バラバラの出来事が、加賀の発見で1本の線につながり、犯人が犯行を及ぶに至った動機を紐解く様子が見事。天才的かつ個性的な加賀のキャラクターもクセになる。
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スペシャルドラマ『赤い指』(2011)
サラリーマンの前原昭夫(杉本哲太)は、認知症の母とヒステリックな妻、口も聞かない息子が待つ家に帰宅するのを今日も躊躇っていた。ところが、妻・八重子(西田尚美)から取り乱した様子の電話を受けて慌てて帰宅すると、そこには見知らぬ少女の遺体があった……。
SPドラマとして放送された。加賀が日本橋署に赴任する2年前、練馬西署に勤務していたときの事件を描く。加賀と父親との確執、加賀の従弟である松宮との関係、亜美との出会いなどを描いたエピソードゼロ的な内容。平凡な家族を襲った突然の悲劇を通して、家族のあり方とは何かを映し出す。
映画『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』(2011)
東京・日本橋の麒麟像の下で、ひとりの男性の死体が発見される。その男性・青柳武明(中井貴一)は、胸を刺されてから8分もの間歩き続けていたことが判明。一方、容疑者とされる男性の八島(三浦貴大)は逃走中に交通事故に遭い、意識不明となる。八島の恋人・香織(新垣結衣)は彼の無罪を強く主張。加賀が捜査を進めるうちに、複雑に絡み合う人間関係が明らかになる……。
シリーズ初の劇場版。『いま、会いにゆきます』などの土井裕泰が監督を務めた。レギュラーメンバーに加え、中井貴一、新垣結衣、三浦貴大らがゲスト出演。中井貴一演じる青柳はなぜ麒麟の像を目指して必死に歩き続けたのか? 衝撃の結末が涙を誘う。
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スペシャルドラマ『“新参者”加賀恭一郎「眠りの森」』(2014)
夜勤明け、興味もないバレエの公演を観に行くことになった加賀は、浅岡未緒(石原さとみ)が演じる黒鳥に心を奪われてしまう。ところが後日、その公演を主催した高柳バレエ団で、ある男性が殺害される事件が発生。その場に居合わせた団員の斎藤葉瑠子(木南晴夏)が被疑者とされるが、彼女は正当防衛を主張する。
『赤い指』よりも前の出来事を描いたSPドラマ。恋愛的な感情を抱いた加賀がバレエ界の複雑な人間事情を紐解き、その真実に苦悩する、大人の悲しいミステリー。バレエダンサー・熊川哲也が芸術監督を務め、バレエシーンや舞台美術、音楽など、すべてが圧巻で見どころ満載。
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映画『祈りの幕が下りる時』(2017)
滋賀県に住む女性・押谷道子の絞殺死体が、東京都葛飾区のアパートで発見される。松宮らが捜査にあたるが、アパートの住人の越川は姿を消した上、道子との接点も見つからず捜査は難航。遺品のカレンダーに日本橋を囲む12の橋の名が書かれていたことを知った加賀は、激しく動揺する……。
劇場版第2弾であり、「新参者」シリーズの完結編。『七つの会議』などの福澤克雄が監督を手掛けた。主要キャストに加え、松嶋菜々子、小日向文世、伊藤蘭がゲスト出演。加賀と父との確執、母の失踪の謎など、これまでに語られなかった加賀自身の謎が明かされ、シリーズ史上最大の感動作品としてその幕を下ろした。
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(C)2012映画「麒麟の翼」製作委員会(C)2018 映画「祈りの幕が下りる時」製作委員会
※本記事で紹介する作品は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。
※2020年10月6日時点の情報です。