注目作『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』を見る前にチェックしたい古沢良太脚本作

映画は気持ちよく生きるためのヒント

hikari

4月29日公開の映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』は、狂言師・野村萬斎さん初の現代劇出演ということでも注目を集めている作品。また、ドラマ『リーガルハイ』や『鈴木先生』、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』といったヒット作を手がけた脚本家・古沢良太さんの最新作ということでも話題になっています。

そこで、作品を見る前にチェックしておくとより本編を深く味わえそうな古沢脚本映画をピックアップしてみました!

単なるアイドルファンだと思いきや……どんでん返しだらけの密室劇『キサラギ』

kisaragi

自殺したアイドル・如月ミキの1周忌のため、ネットのファンサイト経由で集まった男5人の密室劇。

自殺した彼女が実は他殺なのではないかという話から、単なるファンだと思っていた5人の素性が徐々に明らかになり、ミキの死の真相に迫っていくストーリー。

何気ない登場人物の行動やセリフがすべて結末につながっていて、作品のはじめから張り巡らされた伏線が見事に回収されていくのは爽快!

5人のキャラクターも堅物、チャラ男、破天荒な男など個性的。なので、誰かひとりは自分のツボに刺さる人が出てくると思います。

個人的には、誰も気にしてないのにひとり喪服じゃないことを気に病んで近くにあった青山までスーツを買いに走る空気が読めない安男という登場人物がツボでした。

ハードボイルドとコメディタッチなシーンが魅力の『探偵はBARにいる』

tantei

東直己さんの小説「ススキノ探偵シリーズ」の『バーにかかってきた電話』を原作に作られた作品。

ストーリーは、探偵が常連にしているバーにかかってきたコンドウキョウコからの仕事依頼の電話をきっかけに、1年前に起きた大グループの社長が殺された事件の真相に迫っていくというもの。

でも事件の裏にはヤクザが絡んでいて、探偵が調べれば調べるほど乱闘騒ぎになるなど、そのハードボイルドな描写も見どころのひとつ。

また、コンドウキョウコに翻弄される探偵がノリツッコミをしたり、探偵の運転手・高田とのテンポのいい掛け合いがあったり、思わずクスッと笑ってしまうコメディタッチなシーンが散りばめられているのもこの映画の魅力です。

ウソからはじまる7つの物語が思わぬ展開を導く『エイプリルフールズ』

april

(C)2015フジテレビジョン

対人恐怖症の妊婦と大の女好きの男、ヤクザと彼らに拉致された少女、刑事と詐欺占い師の老婆、高貴な家柄の老夫婦、親友同士の男2人組、自分が宇宙人だと信じる少年、失踪から42年ぶりに帰国した男性と彼を探し続けた女性。

エイプリルフールのウソをきっかけに、これらバラバラの人物たちの人生が大きく変わっていくストーリー。

しかも一見なんの接点もなく7つの物語が進んでいるように見えるのですが、ラストに向けてそれらのストーリーがひとつにつながっていく様子はなんとも痛快

それだけでなく、登場人物たちがウソで隠していた真実も明らかになり、思わずジーンときてしまうシーンも。そんな人間の優しいウソに癒やされたい人におすすめの作品です。

ちなみに『リーガルハイ』を見ていた人にとっては思わず興奮してしまうシーンもあります! どんな場面かは映画をチェック。

『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』は小説版も!

scaner

(C)2016「スキャナー」製作委員会

ちなみに『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』は映画公開に先駆けて、古沢良太さん自ら書き下ろした小説版も出ています。

物体から人の思念を読み取れる特殊能力を持つ仙谷と、彼の芸人時代の元相方で極度な人嫌いの仙石を引っ張る丸山が、ピアノ教師の失踪事件を解決していくストーリー。

小説を読んでみて、『探偵はBARにいる』の小気味いい掛け合いに、『キサラギ』や『エイプリルフールズ』のようなスッキリと伏線が回収されていく心地よさ、点と線がつながる清々しさを『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』でも体験できそうな予感がムンムン。

物語の流れはわかってしまいますが、映像化したらどんな風になるのか見てみたくなる小説版。

なので過去作品を堪能して小説で予習すれば、きっとより深く映画本編を楽しめそうな気がします!

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
  • サリー
    3.6
    記録
  • ロールシャッハ
    4
    宇多丸さんはボロクソに言ってましたが、僕はテンポ良くて好きです。 だだし、エンドロール後の話は完全に蛇足だと思います。
  • ちょび
    4.5
    アイドルの追悼会がどのようなものかは知らんけどオフ会の雰囲気はよくでてた。そこから始まるドタバタ推理劇はすべての言動に意味がある。点と線を結び続ける進行がすごい。
  • マッスルゾンビinウエスタン
    4.3
    白状しますと、私は邦画はほとんど観ません。だってドラマやCMやバラエティでいつも見かける人たちを映画で観ても、そんなに驚きがないんだもの。 もちろん日本にも常に新鮮さを感じさせてくれる素晴らしい役者さんは数多くいるし、気になる作品もチラホラある。でも先に観たい洋画がたくさんあるので結局後回しになってしまいます。 なのでこの数年で観たのなんて、るろ剣や銀魂など漫画の実写化と三池崇史監督作品をチラホラ摘むくらい。そんな自分にとって、ずっと前に観たにも関わらず燦然と輝き続けている一作がこちらです。 色々盛り込むと途端に陳腐化する邦画(個人的見解)において、こちらは引き算の美学を感じさせるもの。登場人物も舞台も限られたコンパクトな作りだからこそ、かなり密度が濃くなっています。正直、邦画ってこういうスタイルこそ真価を発揮すると思う。 謎の自殺を遂げてしまったアイドルのファン5名が集まり、彼女の思い出話に華を咲かせるうちに、どんどん明らかになっていく新事実。 二転三転していく先の読めない展開と、「えぇっ!お前なの!?」という驚きの連続。舞台劇のようシンプルさがありながらも、小気味よくコミカルに話が進んでいくのが実に面白い。 もう一つ良かったのが、鑑賞当時は小栗旬も小出恵介も香川照之もほとんど知らなかったという点。ユースケと塚地はテレビで観るのとは違う顔を見せていたし、これらの要素が相まって新鮮に見えていたのかもしれません。 逆に今観れば、彼らの演技の上手さを再確認できるのかも? 唯一不満があるとすれば、それまで顔が全く出ていなかったアイドルが、エンディングで顔を出してしまったこと。マクガフィン的なものとして「どんな顔だったのか」想像を膨らませていただけに、答えを提示されてしまったのが少し残念だったかなー。
  • さな
    3.8
    本当に面白い! またみたいと思えましたまる
キサラギ
のレビュー(32282件)