巨匠として映画界の一世代を築くマーティン・スコセッシ監督。人物の闇や深層心理を巧みに描き映画ファンの心を掴みます。今回はマーティン・スコセッシの監督作品10本をご紹介します。
『ドアをノックするのは誰?』(1968)
ニューヨークのリトル・イタリーで暮らすイタリア系アメリカ人のJ.R.(ハーヴェイ・カイテル)は、フェリーで出会った女性(ジーナ・ビートゥン)に心を奪われお互い惹かれ合っていく。順調に交際を始める2人だったが、彼女には誰にも言えない過去があり、それを知ったJ.R.はショックを受ける。
マーティン・スコセッシ監督の長編デビュー作。モノクロームの映像で主人公の葛藤や孤独を切実に描き、すでにスコセッシ監督のセンスと作風が垣間見える。
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『キング・オブ・コメディ』(1983)
スターを夢見るパプキン(ロバート・デ・ニーロ)は人気コメディアンのジェリー・ラングフォード(ジェリー・ルイス)に憧れ、自分を売り込むが全く相手にされない。そこでパプキンはジェリーを誘拐し、代わりに自分がTV出演するという大胆な作戦を企てる。
夢のために常軌を逸する男の狂気を描くブラックコメディ。狂気さを表現しながらも、誰もが持つ自己顕示欲や承認欲求を重ねさせる怪作。
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『グッドフェローズ』(1990)
大物ギャングのアジトで育ったヘンリー(レイ・リオッタ)は、幼い頃からマフィアに憧れて育つ。そして念願の“グッドフェローズ”の仲間となり、次々と犯罪を重ね、地位を高めていく。ケネディ国際空港を襲撃し、600万ドルの強奪にも成功したが、この事件から、徐々にヘンリーの終わりが始まっていく……。
実話を基にした犯罪伝記映画。スコセッシ監督ならではのドキュメンタリータッチで裏世界で堕ちていく男の半生を描く。
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『カジノ』(1995)
1973年のラスベガス。予想屋のエース(ロバート・デ・ニーロ)はマフィアのボスからも信頼される賭博の才能でカジノ経営を任され、多大な運営益をあげていた。そんな中、エースの用心棒的存在だったニッキー(ジョー・ペシ)が暴走を始め、次々とトラブルを起こすようになる。そして、それは次第にカジノ経営にも影響が及んでいく。
実話を基にラスベガスで生きる男の繁栄と没落を描く超大作。3時間という長編ながら、スコセッシ監督ならではの映像美、音楽の演出で一気に見せる。
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『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2001)
ニューヨークのアイルランド移民の少年アムステルダム(レオナルド・ディカプリオ)は移民同士の抗争により、目の前で父親を殺されてしまい、自らも投獄させられてしまう。それから15年、アムステルダムは父親を殺したギャング組織のボスへ復讐を遂げるため、素性を隠してニューヨークに戻ってくる。
ギャングや移民の抗争による人間ドラマを、19世紀のニューヨークを忠実に再現して描く。構想に30年を費やし、巨額の製作費が投じられたスコセッシ監督渾身の一作。
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『ディパーテッド』(2006)
マフィアの潜入捜査を命じられた新人警察官のビリー(レオナルド・ディカプリオ)と、マフィアのボスに命じられ警察の内通者になるため警察官になったコリン(マット・デイモン)。危険と隣り合わせの中、マフィアと警察の二重生活を送る2人だったが、やがてマフィア側も警察側もスパイ探しを始め、通報者を突き止めようとする。
香港映画『インファナル・アフェア』をスコセッシ監督が舞台をアメリカに置き換えてリメイク。警察とマフィアに潜入したそれぞれの男の死闘を伏線を散りばめながら描く。本作でアカデミー賞作品賞と合わせて、自身初となる監督賞も受賞した。
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『シャッター アイランド』(2009)
精神を病んだ犯罪者だけを収容する閉ざされた孤島・シャッターアイランド。ある日、この島から1人の女が姿を消す。連邦保安官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)は捜査のために島を訪れるが、島全体に不穏な空気が漂っており、解けば解くほど謎は深まっていく。やがて驚愕の事実にたどり着く。
観客も参加できる本格的な謎解きが展開されるミステリー大作。スコセッシ監督が漂わせる不気味な世界観に目が離せない。
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『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)
学歴も貯金もないジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、22歳でウォール街に飛び込み、その巧みな話術や斬新なアイデアで業績を上げ、26歳で証券会社を設立、年収4900万ドルにまでなる。富と名声を一気に手に入れたベルフォートだったが、その先には思わぬ転落が待ち受けていた。
実在の株式ブローカーの回顧録を基に映画化。若くして成功した男の栄枯盛衰を描き、人間の貪欲さと金で動くアメリカ社会へのメッセージを投げかける。
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『沈黙ーサイレンスー』(2015)
江戸幕府による激しいキリシタン弾圧が行われていた17世紀の日本。長崎で捕らえられてしまった宣教師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)を追って、弟子のロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルぺ(アダム・ドライバー)はキチジロー(窪塚洋介)の協力でマカオから長崎へと潜入する。そこで隠れキリシタンと呼ばれる日本人たちに出会うが、キチジローの裏切りにより、ロドリゴらも幕府に捕らえられてしまう。
スコセッシ監督が長年構想していた企画を念願の映画化。キリシタン弾圧下の日本での宣教師の葛藤を描き、宗教という重厚なテーマを細部までこだわった美術と演出でたっぷりと魅せる。
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『アイリッシュマン』(2019)
トラック運転手のフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)はマフィアのボスであるラッセル・ブファリーノ(ジョー・ペシ)に気に入られ、殺しを請け負うようになる。やがて全米トラック運転組合のリーダーであるジミー・ホッファ(アル・パチーノ)の右腕となるが、ジミーがある日突如失踪し、シーランに疑いがかけられる。
第2次世界大戦後のアメリカで暗躍した裏社会の無法者たちの生き様を、ある殺し屋の目線で描く。スコセッシ監督、そしてロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノも80歳近い年齢ながら、『カジノ』や『グッドフェローズ』よりさらに重厚感が増し、洗練された作品となっている。
※2020年12月4日時点の情報です。