圧巻の映像美と神秘的な音楽があなたを虜に!『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』

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2016年8月、今年の夏もたくさんのアニメ作品が公開されました。

各メディアでも注目され、CMでも目にする事の多かった『ファインディング・ドリー』『ペット』『君の名は。』これらの作品は鑑賞された方も多いと思います。

では、みなさん、8月20日公開の『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』というアニメーション作品はご存知でしょうか?

ソングオブザシー

(C)Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm Superprod, Norlum

こちら、小規模公開ではありますが、先に挙げた作品に負けず劣らず、たくさんの魅力が詰まった作品です。

そもそも『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』ってどんな作品?

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』は2014年にアイルランド、ルクセンブルグ、ベルギー、フランス、デンマークの5カ国によって制作された作品です。

昨年2015年のアカデミー賞長編アニメ映画賞では、ジブリの『かぐや姫の物語』やディズニーの『ベイマックス』と共にノミネートされています(『ベイマックス』が受賞)。その他アニー賞では7部門でノミネート、ヨーロッパ映画祭(European Film Awards)にて長編アニメ賞受賞など、世界中のアニメーション界を席巻しました。

本作の特徴は、何と言ってもこれまでに無い新たな映像美と神秘的な音楽です。

鑑賞者は何とも不思議な感覚を味わい、忘れられない映像体験が出来る作品だと、話題になっています。

アイルランドの神話を基に創られたストーリー

海ではアザラシ、陸では人間の姿となる妖精と、人間の間に生まれた二人の兄妹。兄のベンは愛する母親が聞かせてくれる神話や詩が大好きでした。

妹であるシアーシャの出産をきっかけに母は姿を消してしまい、そのことからベンはシアーシャを疎ましく感じていました。

シアーシャの6歳の誕生日、彼女は魔女の手下にさらわれてしまいます。

シアーシャの不思議な力に気がついたベンは、母親の形見である貝の笛と幼い頃に聞いていた妖精の詩を頼りに、シアーシャと妖精の世界を救うための不思議な旅に出発するのです。

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』3つの見所をピックアップ

1. ピクサー、ジブリに並ぶアニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」が目指した独自の作品創り

トム・ムーア監督は1999年に自らアニメーションスタジオ兼、制作会社を設立しました。

彼はこの作品を通して、失われつつある母国の民話に命を吹き込み、現代の大人から子供まで楽しめる作品にすることを目指したそうです。

ストーリーは兄妹の冒険物語ですが、作品には一貫した幻想的な世界観、穏やかさ、優しい静寂が表現されています。

1シーン1シーンが、映像として過ぎていくのが惜しいと思わせるほど綿密に描き込まれており、鑑賞者は上質な絵本のページをめくっているかのような錯覚を覚えます。

繰り返される印象的な詩と上質な絵画が融合して生み出される映像美は、ただ眺めるだけでもその独特な世界観に引き込まれ、癒されるはずです。

2. 愛らしいキャラクター

ソングオブザシー

水彩の滲みと細かい線画で綿密に描き込まれた背景とは逆に、キャラクターはいくつかの幾何学模様を組み合わせたシンプルな線と色面で描かれています。

しかしそのシンプルな線と面から生み出されたとは思えない程に表情は豊かで愛らしく、物語が進むにつれて愛着を感じる事、間違いありません。

主人公のシアーシャやベン、飼い犬のクーはもちろんですが、それ以外のどの動物も本当に愛らしく、海の中のシーンや森を駆け抜けるシーンなど、全ての動物を見逃さないよう注意して観てほしいです。

3. 監督自身が日本アニメに大きく影響を受けている!

監督は自身の作品制作の上で、日本のアニメーション、特にジブリ作品に大きく影響を受けたと話しています。

作品を観ても、背景を細かく描き込み、人物をシンプルに描写する手法や、手書きでの水彩の滲みを生かした背景の表現からもそれがわかります。

この物語の中の描写にも『千と千尋の神かくし』の湯婆婆や『となりのトトロ』の猫バスを彷彿とさせるシーンもあり、ジブリファンはそういった視点でも楽しめるかもしれません。

アニメーション界の注目の新人監督、日本初公開作品を是非劇場で!

トム・ムーア監督は1作目『ブレンダンとケルズの秘密』に引き続き、本作が2作目となる新人監督。

1作目もヨーロッパや各映画祭では注目されていたものの、日本での公開には至りませんでしたので、今作がトム・ムーア監督の日本初公開作品となります。

ヨーロッパの不思議な神話や、雄大な自然、人々の営みをエッセンスに創られた、新しいアニメーションを是非劇場で体験してみてはいかがでしょうか。

(C)Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm Superprod, Norlum

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    3.5
    毎日映画コーナー89 ソングオブザシー 海のうた アイルランド版ジブリ。 アイルランドには実際に妖精伝承が残っており、それを題材にしているあたりは、日本人にとっての八百万の神の湯屋である千と千尋の世界観に近いものがあるかもしれない(思えばマカは湯婆婆そっくりだ) __ Báidín fheilimiやDúlamánなど、実在するアイルランドの伝承歌もいくつも出てくるのでテンションが上がる(どちらもアイルランドの海にまつわる歌だ)。 また、景色もどう考えてもあそこがモデルだろうという場所がたくさん出てくるので、アイルランドの人も親しみを持ってみたはずだ。 ___ その上で、とにかく景色のデフォルメと映像表現が綺麗である。マカの瓶を破壊するシーンなんかは、本当にファンタジーアニメの真骨頂という感じがする。 また、歌も当然素晴らしく、前述のような実在の伝承歌も所々に顔を出しつつ、メインテーマが非常に荘厳に各所で使われる。それ以外の各所のテーマも素晴らしい。流石アイルランド(アイルランド音楽大好きなので贔屓目があります) ___ 生い立ちの上仕方ないとはいえ、最初の方のお兄ちゃんはガチクズ。
  • ゆうなてぃ
    4
    アイルランドのアニメ映画は初めて見ましたが、こんなにも映像が綺麗だとはビックリでした。 元ネタがアイルランド神話ということですが、妖精だったり精霊だったりと、あまり馴染みのない登場人物が多く出てきますが、どのキャラクターも可愛らしく、見ていてとても楽しかったです。 ソングオブザシーという名前もあり、歌が重要なシーンで何度となく流れますが、すごく歌がうまいわけではないのに、何故かグッとくるものがありました。 子供も大人も楽しめると言った内容で、かつ上映時間も90分そこらと短めなので、冒頭10分見て「なんか好き!」って思ったら、終わりまで飽きることなく見れると思いますので、是非見てほしいです。
  • Rosso
    3.3
    神話ベースのアニメっつうことなんでね、最近クトゥルフ神話TRPGとやらに片足突っ込んでる身としてはちょっと観ておこうかなと。 いや〜まず冒頭の歌よ。 冒頭限らずキーポイントな旋律ですけどこれがまたいいっすね〜!! 神秘的な雄大さを感じながらでも繊細な細い音がもう引き込んでくれます。 そしてシアーシャの表情がこれまたいいね稼ぎどころだね。 喋れなくても十分感情伝わるアニメーションは技ですよ、良かった良かった。 まあ神話ベースアニメに対してあれこれ突っ込むのは野暮だって分かってるけども父親はまごうことなき厄災っすよね。 どんだけ頭弱いんだこいつは。 6年間何してたのか。 とりあえず宇宙よりも遠い場所第一話視聴してハルカトオク聴きながら一歩踏み出すことを学びなさい! ベンくんも物語を通して丸くなったとはいえ中々ヤバイやつだな認定がちょっと拭えなかったな、まあ婆ちゃんも見るからにヤバイやつだし、もう妖精血族以外はお察しということやな。 余談ですがエンドロール入ってからのシアーシャの復讐(命名:ろうそくカウントダウンダイナマイト)が最高だったね。 なんやかんや根に持ってたんやろなあと思うとそれだけでゾクゾクするね。
  • てん
    4
    とても色彩豊かできれい。 動く絵本。 監督はジブリ作品が好きらしいけど、 神のこうごうしくてあらたかな感じや、中盤の恐ろしい感じはなんとなくそれを彷彿とさせるものがあった。
  • なれたれな
    3.5
    セルキー または セルキー族(selkie fowk)は スコットランド 特にオークニー諸島やシェトランド諸島の民間伝承に語られる あざらしから人間の姿に変身する 神話上の種族  wikiより 仲の悪い兄妹、消えた母親、 妹の真実 なんとも言えない絵柄でしたが 可愛いっちゃ可愛い笑
ソング・オブ・ザ・シー 海のうた
のレビュー(3615件)