恋人から来るメールは1日何回?死んでも届き続ける愛のことば『ある天文学者の恋文』

人との出会いに日々感謝(ライター・編集)

大久保渉

―その<謎>を解き明かしたとき、極上のミステリーは切ない愛の物語に生まれ変わる―

『ニュー・シネマ・パラダイス』、『鑑定士と顔のない依頼人』のジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作『ある天文学者の恋文』が、2016年9月22日(木・祝)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国ロードショーされる。

ある天文学者の恋文

(C) COPYRIGHT 2015 – PACO CINEMATOGRAFICA S.r.L.

本作で描かれるのは、ひとつの「永遠の愛」のかたち

たとえ直接会えなくても、今はE-mail、Skype、LINEと、想い人に気持ちを伝える方法はたくさんある。そこに「純粋な愛」があるならば、文字でも、映像でも、そのことばは永遠に相手を優しく包むのではないだろうか。

会いたい。会えない。でも、この気持ちをあなたに届けたい。

輝く星のきらめきのように、あなたの歩く道をそっと照らす、美しくも儚い愛の物語をぜひ劇場でご堪能いただきたい。

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緻密なミステリーに誘われる、崇高な、純粋な、愛の物語

「世界に配信された、天文学者の訃報。だが、恋人のもとには彼からのメッセージが届き続ける」

著名な天文学者エドとその教え子エイミーは、皆には秘密の恋を謳歌していた。メールや手紙、ビデオメッセージと、遠く離れた地にいる彼から届くことばの数々にやすらぎを覚えるエイミー。

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しかし、そんな彼女の元に突然のエドの訃報が舞い込む。手紙やメールは依然として、その瞬間も、その後も、まるで彼がそばで見ているかのように、彼女の生活や気持ちに応えたことばが時を置かずに届くというのに……。

なぜエドの死後もメッセージは届くのか?それはいつまで続くのか?今この瞬間の、二人の関係は何なのか?

エドの遺した謎を解き明かそうと、エイミーは彼の軌跡を辿りはじめる―。

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喜び、哀しみ、瞳で語らう俳優たち

オルガ・キュリレンコ (エイミー・ライアン)

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1979年、ウクライナ生まれ。モデル。女優。映画デビュー作『薬指の標本』(04)に出演し、その後『007/慰めの報酬』(08)でボンドガールに大抜擢。さらに巨匠テレンス・マリック監督の『トゥ・ザ・ワンダー』(12)でメディアからも高く評価され、6ヶ国語+アクションをこなせる女優として今後がますます期待される。

本作では、PC画面に映る想い人を相手に、こぼれおちる感情を一人芝居で繊細に演じている

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ジェレミー・アイアンズ (エドワード・フィーラム教授)

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1948年、イギリス、ワイト島生まれ。英国を代表する演技派俳優。映画、舞台、TVと国際的に活躍。『運命の逆転』(90)アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞等の主演男優賞に輝く。2016年は『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』他に出演。

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(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC

深い絆で結ばれたスタッフたち

ジュゼッペ・トルナトーレ (監督・脚本)

ニューシネマ

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1956年、イタリア、シチリア州生まれ。短編ドキュメンタリー映画『荷馬車』(76)で監督デビュー。その後、監督・脚本を手掛けた『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ、アカデミー賞最優秀外国語映画賞を始め、数々の栄誉ある賞に輝き、全世界で大ヒットを記録する。

鑑定士

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その後はイタリアの新鋭として、そして現在では世界的フィルムメーカーとしてその作品に注目がよせられている。その他の主な作品は、『海の上のピアニスト』(99)『マレーナ』(00)『シチリア!シチリア!』(09)『鑑定士と顔のない依頼人』(13)など。

エンニオ・モリコーネ (作曲)

1928年、イタリア、ローマ生まれ。映画音楽界の巨匠。セルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』(64)が大ヒットを記録し、本格的に映画音楽家として活躍し始める。その後、ハリウッドに進出し、数々のヒット作で作曲を担当する。

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ジュゼッペ・トルナトーレ監督とは『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)で初タッグを組み、叙情的な旋律と共に世界中にその名を知られる。これ以降、25年以上に渡ってトルナトーレ監督とのコラボレーションが続いている。

時の流れが生み出した、来訪者を優しく包み込むロケーション

「緑に包まれた小さな宝石」オルタ湖に浮かぶサン・ジュリオ島

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イタリア・ミラノの北、スイスとの国境地帯に広がる湖水地方のひとつ、オルタ湖に浮かぶサン・ジュリオ島。人口はおよそ1200人。オルタ湖は「イタリアの最も美しい村」の1つに認定されている。

街の中心にあるモッタ広場から丘を登ったところにあるサクロ・モンテの聖堂は、湖水地方に点在する他の8ヶ所のサクロ・モンテも含めて「ピエモンテとロンバルディアのサクリ・モンティ」として2003年にユネスコ世界遺産に登録された。

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credit : Alessandro Vecchi via wikipedia

木々が生い茂る美しい自然と歴史ある建造物、礼拝堂や街並み、小道などが、エドとエイミーの「永遠の愛」を、幻想的であっても確かに存在するものとして豊かに演出している。

長年温めていた企画の実現。どんな障害も乗り越える力強い想いを描いた物語

天文学、死者からのメッセージ、登場人物達の隠された過去…。

ジュゼッペ・トルナトーレ監督はこれまでの過去作と同じく、細やかな心の揺れ動きをみせる人間たちのすがたを見守るように捉えることで、観客たちを感情溢れる、あっと言わせるラストシーンへと導く。

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オープニングの、エドとエイミーによる、体と体を求めて激しく口付けする音がしばらく耳に残るものの、その後の、お互いの瞳をPCの画面ごしに見つ合う姿にも、大切な人に向けた強い気持ちが伝わってくる。

「数十億年前に死してなお、地球に光を届ける星々のように、命尽きても、我々の愛は大切な人たちの行く先を照らし続けることができるのか?」

通信手段の発達により、空想でも、架空でもなく、ひとつの「永遠の愛」のかたちをトルナトーレ監督は現代に紡ぎだす。

大切な人と一緒に、ぜひ劇場まで足をお運びくださいませ。

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※2022年4月30日時点のVOD配信情報です。

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  • RAIN
    3
    天文学者を愛した教え子エイミー。 彼を亡くした後、彼からメールやビデオレターがやって来る。 彼の伝えたいメッセージとは。 すまん、全然響かなかった。 マレーナや海の上のピアニストと比べ物にならないくらい微妙。 確かにナルシストの教授と言われても仕方ないかな。 ミステリーというほどのめり込む程の内容でもない。 教授はゾッコンだったみたいだったけど、正直主役の人間性に魅かれるようなシーンが正直無かったように感じる。 過去と向き合おうと諭す人に意見も聞こうとせずにキレ散らかすような人間を好きになるもんなのかな…。
  • パン
    3.4
    ニューシネマパラダイスや鑑定士と顔のない依頼人のトルナトーレ監督作。 この監督の作品にしては割と正統派の映画で驚いた。 自分としてはもっと捻りや刺激が欲しかったが。 なんとなく、教授と教え子の交際ってエロくない? 多分女の子のほうもそう思ってるから年の離れた教授と付き合ったりするんだろうなあ。親子くらい歳離れてたりするし。 なんか会話とか生活が一々知的で優雅なんだよな。 上級国民って感じするw そういう少し嫌味な格調高さが苦手じゃないならありだと思う。 まあ同監督による海の上のピアニストも割と上流階級の描き方上手かったよね。 大体どんな話なのか想像はしてたけど、やっぱり切ない気持ちになった。
  • 贅沢は味方
    -
    年齢差恋愛ものはめっちゃ苦手基本受け付けないから序盤でやめそうになったけどサスペンスぽくて面白いのかな?と最後までみた!!そんなにドカンとくる衝撃とかではなかった!
  • Kiki
    3.7
    死別した恋人の天文学者教授(ジェレミー・アイアンズ)と学生の彼女(オルガ・キュリレンコ) 死別した後も彼女の元に届く教授からのナイスタイミングのメールや贈り物。それは行動や心理まで把握しているよう。 教授と付き合っていた頃の主人公が少しずつ前を向いて成長し、教授が把握している頃の彼女ではなくなりタイミングも噛み合わなくなってきていて… 恋人との別れは辛いが、良くも悪くも人は変わっていく生き物だということ、残された側の人生はこの先もずっと続き、少しずつ良き思い出として残って行くという事実が切なくも救われる映画。 何よりジェレミー・アイアンズ✖️天文学者教授という設定は色気あるなあ 天文学者ってやっぱりロマンチストが多いのかな。 細かいツッコミどころは置いておいて、音楽と美しい景色に最高に癒されました。
  • nmt
    3
    トルナトーレ×モリコーネなんて観るっきゃない🎬️ が、ちょっと観るのがキツかった。 好きな方いたらごめんなさい😫 自分が主人公と同じ学生だからかな🤔 正直設定から全然許容できない。 風景や音楽はとても綺麗で楽しめたし、純粋に誰かを想う気持ちは素敵だと思う(良いこと言ってみた)(だが薄い)。 でも結局教授と学生の不倫なんだよな… ってなっちゃって、自分は本作の恋愛を素直に"美しい"とは思えませんでした🤔 まだまだ世間知らずの若造なんです、、😅 もう少し歳を重ねてまた観てみます。
ある天文学者の恋文
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