「もう普通の映画は飽きました……」ちょっとマニアな映画ファンがオススメする「ミニシアター系映画」まとめ10本!

ちょっとマニアな映画ファンがオススメする一味違う「ミニシアター系映画」を10本ピックアップ! 『トレインスポッティング』や『パリ、テキサス』、『汚れた血』など定番から隠れた傑作まで幅広くご紹介。

2020年は新型コロナウイルスの影響で大作の公開延期を余儀無くされました。そんな中でスポットが当たったのが、独自配給や旧作を上映するミニシアターや名画座でした。実際、シネコンにしか行ったことがなかった若者がミニシアターに行っている様子が度々SNSでも注目されました。

ミニシアター系映画は1990年代にサブカルチャーの一種として大人気となり、その中で『トレインスポッティング』はカルト的人気にとどまらず、社会現象になるほどの大ヒットを記録しました。ミニシアターの定義は一言でいうのは難しいものの、シネコンでは観られないような特定の人に刺さる低予算映画、あるいはセンスやおしゃれさが印象的な作品であると一般的に捉えられています。

そこで今回はミニシアターに行ったことがない人や、どういう作品が“ミニシアター系”なのかを入門編として10本紹介します。普通の映画に飽きた人はぜひチャレンジしてみては?

トレインスポッティング』(1996)

『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督が、ドラッグ中毒の若者たちの青春を描いた物語。ヘロイン中毒の仲間たちと冴えない日常を過ごしていたレントン(ユアン・マクレガー)は、人生を変えるために一獲千金の賭けに出る……。

ミニシアター系と言えば?でまず最初に出てくる大定番。ドラック中毒者が主人公のため、バイオレンスや禁断症状に苦しむシーンも多く憂鬱になるが、所々の構図のスタイリッシュによっておしゃれ映画のアイコンとして知られている。映画に限らず、お笑い番組でも引用されるなどいまだに根強い人気を誇る一作。

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バグダッド・カフェ』(1987)

日本のミニシアターブームを牽引した一作。アメリカのモハーベ砂漠にあるさびれたモーテル「バグダッド・カフェ」を訪れたドイツ人の旅行者・ヤスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)。変人ばかり集まるモーテルは彼女に癒やされ、変わっていく……。

『トレインスポッティング』と同じく根強い人気を誇る。しかしこちらは事件の連続という感じではなく、アメリカの郊外で起こる小さな人間模様を描いている。テーマ曲「Calling You」が流れるラストを観た後は心温まるそんな作品。

ブギーナイツ』(1997)

『マグノリア』のポール・トーマス・アンダーソン監督作。1970年代末~80年代のアメリカを舞台に、アダルト業界の光と影が描かれている。主人公エディ・アダムス(マーク・ウォールバーグ)はクラブでアルバイトをする日を送っていたが、ある日ポルノ映画監督(バート・レイノルズ)に才能を見出される。「ダーク・ディグラー」としてデビューしてスターへの道を駆け上がるエディだったが、次第にドラッグに溺れていく……。

作品が毎回話題になるポール・トーマス・アンダーソンの初期の名作。アダルト業界を題材にしているが、内容は王道のサクセスストーリー。そこにアンダーグラウンドな世界ならではのいざこざも加わるため、155分があっという間に過ぎるテンポ感が良い。冒頭の長回しは映画史に残る圧倒的なおしゃれさ。

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パリ、テキサス』(1984)

『ベルリン・天使の詩』のヴィム・ヴェンダース監督作。テキサスの荒野をひとり歩き続ける男。名前はトラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)、4年間失踪していた。かつて妻と息子を失った男が夢見た“パリ、テキサス”とは……。

ロードムービーの大傑作として名高い。ミニシアター系らしい、ストーリーより映像で語りかける作風はのちの映画に大きな影響を与えた。カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞している。

気狂いピエロ』(1965)

『勝手にしやがれ』のジャン=リュック・ゴダール(ハンス・リュカス)監督作。「ピエロ」ことフェルディナン(ジャン=ポール・ベルモンド)は、退屈な日常を送っていた。そんな時に行ったパーティーで、昔の恋人マリアンヌ(アンナ・カリーナ)と再開して一夜を過ごす。そして二人逃避行が始まる……。

フランスの映画運動「ヌーヴェル・ヴァーグ」の中心人物であるゴダールの代表作。映画好きなら誰でも一度は通る作品で、やっぱり『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が好きか、どっぷりヌーヴェル・ヴァーグにハマるかは大きな別れ道。ともあれ、他ゴダール作品よりはストーリーが明確にあり最高におしゃれなので、フランス映画入門として最適。

汚れた血』(1986)

『ポンヌフの恋人』のレオス・カラックス監督作。ハレー彗星が接近し、酷い暑さに襲われたパリでは、愛のないセックスによって感染する恐ろしいウイルスが蔓延していた。人々の命を救う特効薬をめぐり、対立するふたつの勢力。疾走の中で愛が生まれる……。

「アレックス三部作」の2作目。本作を26歳の時に監督したカラックスは、フランス映画の黄金コードに乗っ取りながら、新しい映像表現を試みて「ネオ・ヌーヴェルヴァーグ」を生み出した。デヴィッド・ボウイ「モダン・ラヴ」をバックに主人公アレックス(ドニ・ラヴァン)が街を疾走するシーンは特に印象的。

トラスト・ミー』(1990)

『シンプルメン』のハル・ハートリー監督作。女子高生マリア(エイドリアン・シェリー)は、予期せぬ妊娠で退学処分になってしまう。加えて父親は彼女が原因で死んでしまう。そんな時に、社会に馴染めずに不満を抱いている青年マシュー(マーティン・ドノヴァン)と出会う。次第に惹かれあう2人だったが……。

NYインディーズ界の孤高の存在として知られているハートリーの代表作。ジム・ジャームッシュやヴィム・ヴェンダース、ケリー・ライヒャルト好きなら確実に好きになること間違いなし。

ミツバチのささやき』(1973)

『エル・スール』のビクトル・エリセ監督作。スペインのある小さな村に「フランケンシュタイン」の巡回上映がやってくる。6歳の少女アナ(アナ・トレント)はスクリーン上の怪物を精霊と思い、姉から怪物は村外れの一軒家に隠れていると聞いたアナは、ある日その家を訪れる。そこでひとりの謎めいた負傷兵と出会って……。

子供から見える世界や思考を題材にした作品で本作の右に出るものはないと言えるほどの傑作。現在でも定期的にミニシアターで上映され、毎回満席になるほどの人気を誇る。

ほえる犬は噛まない』(2000)

『殺人の追憶』や『母なる証明』のポン・ジュノ監督の劇場映画デビュー作となった異色コメディ。閑静なマンションを舞台に起きた連続小犬失踪事件を巡る、個性的な登場人物たちの人生が交差する様子を描く。

『パラサイト』ではアカデミー賞作品賞を受賞するなど、国際的な活躍を見せているポン・ジュノだが、本作から貧困層や人の暗い部分を描くという一貫した姿勢が垣間見える。同時にユーモアやスリリングな展開の世界観もすでに完成されていることに驚く。主演を演じたペ・ドゥナの初々しい演技は要注目。

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サマーフィーリング』(2016)

『アマンダと僕』のミカエル・アース監督作。夏真っ盛りのある日。30歳のサシャは突然この世を去る。彼女の死は、ある二人の見知らぬ者同士を出逢わせる。サシャの恋人ローレンス(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)とサシャの妹ゾエ(ジュディット・シュムラ)。突然の別れとなったベルリン。深い悲しみが残るパリ。少しずつ自分の生活を取り戻すニューヨーク。三度の夏、三つの都市。愛した人の思い出と幾つもの美しい景色の中で、遺された者たちは少しずつ人生の光を取り戻していく……。

最愛の人を亡くした喪失感と夏の日差しの眩しさが印象的な本作。カナダ出身のシンガーソングライター、マック・デマルコが出演するなど細かな演出のセンスが光る。

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本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。

2021年2月20日時点のVOD配信情報です。

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