TOKYO MXの人気バラエティ番組「バラいろダンディ」で、玉袋筋太郎(以下:玉さん)&RHYMESTER 宇多丸(以下:宇多さん)の映画好きコンビが月に一度とっておきの映画を解説するコーナー「水曜バラいろショー」。
12月のテーマは「VS映画」。数ある「VS映画」の中から、宇多さんイチ押しのマッチメイク映画を紹介していきます!
宇多さん&映画ファンが選ぶ“夢の対決”とは!?
玉: 12月に入ったので今年最後ですね。それではいきましょう、今日のテーマはこちら!「VS映画」ですよ。
宇多:大物同士が戦うというね。夢の対決がいっぱいありますよね。
玉:ワクワクするもんね。やっぱり。
宇多:みなさんは「VS映画」といえばどんな作品を思い浮かべるのでしょうか。TSUTAYAがおすすめする国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」によるVS映画ランキング。今回もTOP15を見てみましょうこちらです!
「VS映画」Filmarksランキング TOP15
1位:『ゴジラ対ヘドラ』(1971年/日本)
2位 : 『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(2010年/アメリカ)
3位:『ピープルvsジョージ・ルーカス』(2010年/アメリカ)
4位:『貞子vs伽倻子』(2016年/日本)
5位:『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』(2013年/日本)
6位:『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年/アメリカ)
7位:『キングコング対ゴジラ』(1962年/日本)
8位:『サイボーグ009VSデビルマン』(2015年/日本)
9位:『ゴジラVSキングギドラ』(1991年/日本)
10位:『モンスターVSエイリアン』(2009年/アメリカ)
11位:『エイリアンVS. プレデター』(2004年/アメリカ)
12位:『ゴジラVSメカゴジラ』(1993年/日本)
13位:『フレディVSジェイソン』(2003年/アメリカ)
14位:『ドラキュラvsヴァン・ヘルシング』(2006年/イギリス)
15位:『富江VS富江』(2007年/日本)
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宇多:やっぱりFilmarksは映画ファンが多いから毎回結構渋いんですよ。「ゴジラ」なんて対決ものばっかりなんだけど、1位が『ゴジラ対ヘドラ』なんですよ。
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玉:やっぱヘドラなんだな。
宇多:今、ヘドラはカルト的人気があるんですね。歌と込みでね。『スコット・ピルグリムVS. 邪悪な元カレ軍団』は対決っていうのかな?って感じですけどね。最近だと『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』。
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玉:スーパーマンもあったな。
宇多:『キングコング対ゴジラ』。これはゴジラシリーズの中でも娯楽性が高いですからね。
玉:『マジンガーZ対デビルマン』はないんだな。『サイボーグ009VSデビルマン』はあるけど。
宇多:あとは当然『フレディVSジェイソン』とかですかね。
玉:これ観た観た。
宇多:『エイリアンVS. プレデター』とかいろいろありますけどね。
玉:あったあった。
宇多:さあ、ということで、私が今回おすすめする作品は、堂々4位に食い込んだこの作品でございます!
Jホラーを代表する2大巨頭のデスマッチ!
宇多:2016年に公開されました『貞子vs伽倻子』。
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玉:きましたー!
宇多:貞子っていうのは、当然『リング』ですね。
玉:沢村貞子さん!?
宇多:違います(笑) テレビから出てくる、呪いのビデオの貞子。そして、伽倻子(かやこ)っていうのは『呪怨』でお馴染みの俊雄くんっていう男の子とセットの、階段から降りてくるあの伽倻子。ある意味、Jホラーを代表するこの2大巨頭がバーサスしてしまうという。
玉:うわ〜。
宇多:何なんだそれは!という感じがすると思いますけどね。とんでもない作品でございます『貞子vs伽倻子』。まずはダイジェスト映像がございますのでご覧ください。どうぞ。
(『貞子vs伽倻子』の映像を観ながら)
* 参考 : 『貞子vs伽倻子』予告編
宇多:まず、もういきなり『リング』ね。これ『貞子vs伽倻子』用にアレンジされてますけど、これは貞子の呪いのビデオですね。
玉:やだよ、もう。
宇多:今回は設定が変えられていて、前は1週間だったのが3日くらいになってるのかな。スピードアップしてますね。
玉:わー!やめろっ!!
宇多:これを見ると死んでしまいますと。貞子が寄ってくる。呪いのビデオを古びた中古ショップにあったVHSデッキから見つけてしまって。
玉:ダメだよー。
宇多:これをやっぱり見てしまい、呪いがかかってしまうわけですね。
玉:うわ〜。
宇多:ということで、除霊をしようといろいろやるんですけど、なかなかうまくいかないというですね。
玉:わ、本当だ。
宇多:こういう風に呪われてしまうんですね。
玉:下ヨシ子かな? あれ。
宇多:あの、いろんな情報を挟まないでください(笑)
玉:すいません!
宇多:そしてね、これが貞子サイドの話。やっぱり貞子の呪いはなかなか簡単に解けない。
玉:うん。
宇多:そしてこの家。『呪怨』の伽倻子のほうは、やっぱりこの家なんですよね。この家に行くと呪いをかけられてしまうというのが『呪怨』ですよね。
玉:おー。
宇多:この男の子も、うっかりこの家に入ってしまったがためにいろいろ変な目にあってしまうわけですね。
玉:バカだなー。
宇多:ここでね、俊雄くんという有名なキャラクターが出てきますね。ということで、その貞子のほうの呪いにかかってしまった人と、伽倻子のほうの呪いにかかってしまった人。これを両方解決するために、「怪物には怪物をぶつけるのだ」という発想で、あの伽倻子の家で呪いのビデオをつけて、伽倻子と貞子が直接対決するという。
玉:うわー! 夢のマッチメイクだ、こりゃあ。
宇多:これはとんでもない。豪快ですよ。
玉:ルールはどういうルールなんだ? ノールールか、これは。
宇多:ノールールですよ。デスマッチですね。
玉:最初から死んでるだろ!(笑)
宇多:両方とも最初から死んでますからね。どうやってこの呪いが解けるのかというね。
玉:うわ〜、面白そうだね。
宇多:伽倻子が呪いのビデオをグーッて握り潰したくだりで、もう予告見てるときからみんなガン笑いしてましたからね。そういう問題か?みたいな。
玉:やっぱプロレスなんだろうな。
白石晃士監督のケレン味が炸裂するもうひとつの見どころ
宇多:ちょっと軽く解説させてください。貞子が出てくる『リング』は、いわゆるJホラー表現のブレイクポイントというか。僕はいろんな映画を観てますけど、未だに『リング』が一番こわいですね。うちにソフトを置いておきたくない映画ですね。1998年、大衝撃を受けました。
これでいわゆるJホラー表現というのがブレイクして、世界中に広まっていくわけですね。一方、伽倻子のほうの『呪怨』といのは、ちょっとJホラー表現からすると反則なんですよ。もうおもいっきり霊を見せちゃう。もう顔とかもおもいっきり見せちゃう。結構反則技な感じで。非常に日本の恐怖映画歴史を、しかも世界レベルで広めた2作なんですけど。
これに対して『貞子vs伽倻子』、今回の作品は白石晃士という監督さんです。フェイクドキュメンタリー系のホラーで、こんな本を出しているんです。
宇多:「フェイクドキュメンタリーの教科書」この本めちゃめちゃ面白いんですよ。あなたもiPhoneでフェイクドキュメンタリーの映画が撮れますっていう、そういう指南もしててですね、めちゃめちゃ面白い人なんですけど。
玉:へー!読もう。
宇多:今回この方が監督しているんですけれど、白石晃士さんはいわゆるJホラー的表現の流れとはちょっと違う人なんです。あんまりJホラーはそんなに興味がなく、むしろ豪快なアメリカンホラーというかですね。どんどん見せ場をつくって盛り上げていくみたいな。そんな感じが得意な方なんですけど。
ということで今回の『貞子vs伽倻子』、『リング』とも『呪怨』とも違う、今回特有の見どころというのを私挙げたいと思います。
玉:おー。
宇多:それはどこかというと、Jホラー的でも全くないんですけどこういうことです。
宇多:「白石晃士監督ならではのケレン味がさくれつする『ブラックジャックとピノコ風の霊媒師コンビ!!』」これが途中で登場するんですよ。
玉:あっ、そうなんだ。
宇多:これのキャラ立ちが半端ないというあたり。ちょっと抜粋しましたのでご覧ください。どうぞ。
(再び『貞子vs伽倻子』の映像を観ながら)
宇多:この霊媒師コンビ、安藤政信さん演じるブラックジャック的なちょっと態度悪い男。それと少女ですよ。ピノコ風の盲目の少女。
玉:あー、本当だ。
宇多:このコンビですね。こういう奇怪な2人が出てきてですね。この安藤政信さんが呪いを解くときに、いちいちこう手をフェッフェッフェッてこうね、キュッキュッキュッと、あれを切るわけですよ。
玉:切るんだ。
宇多:それがまたかっこいいんですよね。髪が出てきた、呪いが。
玉:うわー!
宇多:見えますかね。画面ね。チャッチャッチャッ、チャッチャッチャッ。
玉:あ、やった、やった。
宇多:こうパッてやって、この袋の中に追い込んでいったり。これは実際の対決の場面ですね。こういうところで、追いすがって来る髪をチャチャチャって切ったり。これもピノコのほうが調子悪いということで、ブラックジャック風、ペペペ、ペッペッ!と、こうやってやる。あとね、この女の子のほうがめちゃめちゃ毒舌で。
玉:うん。
宇多:さっきの貞子の呪いをこうやってお払いで解こうとする場面なんですけど、あそこで大惨劇が起こるんですよ。もういる人みんな大変なことになって。そこに彼女がやってきて、「この人、無駄死にだね」って言う(笑)
玉:笑いもあるんだね。
宇多:身も蓋もない発言をして、もう大爆笑ということでですね。
玉:いいねぇ。
宇多:ということで、たぶんこの『貞子vs伽倻子』は、監督の白石晃士さんの資質もあって、Jホラーが苦手な方もたぶん楽しめます。わりと豪快エンターテイメントになっておりますので、ぜひご覧ください!
「RIZIN」を超える芸能界の夢のマッチメイクとは!?
「夢の対決はね、映画の中だけではありません」と、今回は玉さんがぜひテレビで実現させたい『芸能界の“夢のマッチメイク”』を紹介。政界の大物同士のビックマッチから、「なんだこれは!」というような面白いマッチメイクを笑いと共に紹介したところで、次回のテーマを発表!
次回2017年1月放送は「悪い奴映画」
宇多:いよいよ次回の「水曜バラいろショー」は2017年ということでございます。1月のテーマはなんでしょうか。
玉:「悪い奴映画」!
宇多:大体悪い奴出てきますけどね。映画はね。
玉:出てきます。いっぱいいるんだから。
宇多:ということで、映画の中に出てくる悪い奴。どんな作品を取り上げるのか、ぜひお楽しみに!
玉・宇多:以上、水曜バラいろショーでしたー!
■オトナの夜のワイドショー!「バラいろダンディ」番組公式サイト
(月〜金曜日 21:00〜21:55放送)
水曜バラいろショー過去放送分 書き起こし
- 宇多丸おすすめのフィルム・ノワール新傑作『マジカル・ガール』
- 男性必見!悲哀なプレイボーを描いた名作『カサノバ』
- Jホラーを代表する2大巨頭のデスマッチ映画『貞子vs伽倻子』
- 日本警察史上最大の不祥事を扱った実録映画『日本で一番悪い奴ら』
- 映画本来の面白さに満ちた完全映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
- 日本人のトラウマを突く映画『シン・ゴジラ』
- 西川美和監督ならではのゾッとする映画『永い言い訳』
- ものすごいカースタントを淡々と見せる実験映画『マッハ’78』
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※2021年11月30日時点のVOD配信情報です。