2020年以降、緊急事態宣言など、自宅で休日を過ごさなければいけない休暇といったケースも増えてきたのではないでしょうか。そうでなくても、生憎の天気で外に出れなかったり、体調が悪かったりといった理由でお家で過ごすしかない日というのは度々訪れるものです。
そんな日の過ごし方としておすすめしたいのが、映像配信サービスを利用した映画やアニメ鑑賞。まとまった時間がある時ほど、存分に物語を浴びることができるということで有意義な時間の使い方ができます。
映像配信サービスの中でも紹介しておきたいのがNetflix。映画製作などにも取り組んでおり、多数のオリジナル作品を世に送り出しており、独占配信作品も充実しています。
今回はそんなNetflixで観ることができるおすすめのアニメ作品をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
Netflixオリジナル作品
Netflixでは、ハイクオリティなオリジナル作品が充実しています。せっかくNetflixを利用するのであればここでしか観れない体験を味わっておきましょう。
『ラブ、デス&ロボット』(2019)
『デッドプール』(2016)のティム・ミラーをはじめとして、世界各国の映像クリエイターが集結。各監督がSFやファンタジー、アクションにホラー、コメディに至るまで様々なジャンルの短編を制作し、各話ごとにオムニバス形式で配信されているシリーズです。
大人向けの作品を多数配信しているNetflixならではの作品も多く、襲い来るクリーチャーと戦い合う過激な暴力表現から、男女の性的表現に至るまで地上波などでは放送できないであろう作品も数多くラインナップされています。そのため18歳未満の未成年者の視聴は推奨されていないので視聴の際には注意しましょう。
ジャンルだけでなく、アニメーションの手法も作品ごとに違い、手描きの2Dアニメからフォトリアルな3DCGに至るまで、ストーリー以外の部分でも見応えのあるシリーズとなっています。
2019年に配信された第1シーズンでは全18話、そして2021年に配信を開始した第2シーズンでは全8話が制作されています。
『Devilman Crybaby』(2018)
永井豪による往年の傑作漫画『デビルマン』を原作に、TVアニメ『映像研には手を出すな!』(2020)のサイエンスSARUが全10話のアニメシリーズ化。監督を務めるのは『夜は短し歩けよ乙女』で日本アカデミー賞のアニメーション作品賞を受賞したり、『夜明け告げるルーのうた』で世界的なアニメーション映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭の最高賞であるクリスタル賞を受賞した湯浅政明が務めます。
『デビルマン』は過去にも複数回映像を果たしていながら、特に壮絶な終盤の展開については映像化を果たしてきていませんでした。しかし今作『DEVILMAN crybaby』では、物語の舞台を現代に移し替えながらも、衝撃的なその顛末についても映像化に挑戦しました。
陸上競技といった原作ではなかったエッセンスに加え、SNSやHIPHOPなど現代ならでの要素も物語に絡んできて、見事なリブートを果たしました。
性的な表現や暴力描写に至っても真っ向から描いていることもあり、18歳未満の未成年の視聴は推奨されていないので、こちらも注意が必要です。
『ミッチェル家とマシンの反乱』(2021)
2021年にソニー・ピクチャーズ・アニメーションが新たに発表した長編アニメーション映画が『ミッチェル家とマシンの反乱』です。ガジェットを駆使して数多くの映像作品を作りあげてきた娘のケイティがついに映画学校へ進学。娘と喧嘩をしたまま別れるのを惜しむ父リックは、家族揃ってケイティを学校まで送り届けるドライブ旅行を計画するのですが、その先で巨大IT企業のPAL社の作り出したAIが反乱に巻き込まれることになります。
『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』(2012)の制作に参加していたマイケル・リアンダが監督を務め、製作には『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019)のフィル・ロードとクリストファー・ミラーが名を連ねるなど、製作の布陣だけ観ても強力!
家族を巡るドラマに加えて、ユーモア溢れるギャグ、さらにはアニメーションの上にアニメーションをデコレーションする独特の演出など、約2時間の本編の中に見所がぎっしり詰まっています。
『YASUKE -ヤスケ-』(2021)
天下統一を目前にして、自決を決断する織田信長……その城の外では武士たちだけでなく、ミュータントや巨大なマシンが戦い合っていた。SF要素も入り混じった日本で、信長の解釈を務めた黒人武士・ヤスケが、ある特別な力を持った少女を守るべく再び刀を握る異色の時代劇です。
アニメーション制作には『呪術廻戦』(2020)や『ドロヘドロ』(2020)などを始めとしたアクション作品でも活躍するMAPPAが担当。原案・監督、そして製作総指揮には、『キャノン・バスターズ』(2019)のラション・トーマスが担当した国境を越えた合作作品となりました。
時代劇でありながらも、派手なエフェクトや特殊能力が飛び交うアクションは新鮮。Netflixらしく、容赦のないバイオレンス描写も交えながら、緊張感のある戦いを繰り広げます。ちなみに作中の日本はもちろん架空の世界ですが、意外なことに異国からやってきて武士として仕えたとされる弥助は実在したとされる人だったりします。
『バキ』(2018)
週刊少年チャンピオンにて連載されている板垣恵介氏による漫画『刃牙』シリーズの25周年を記念して、本作を原作に製作されたアニメシリーズが『バキ』。すでに90年代〜00年代にかけて、アニメ化を果たしていたのですが、2018年に制作された本シリーズでは、“最凶死刑囚編”以降の物語が描かれます。
自らの敗北を知ることを求めて、世界に偏在していた人並み外れた強さを持った五人の死刑囚がそれぞれ脱獄し東京へ集結。試合というルールのある世界で地下闘技場で戦ってきた戦士たちとの場所・時間・ルール無用の戦いが描かれていきます。
どのキャラクターも最強と言っても過言ではない実力者たちがぶつかったらどうなるのか?そんな想像を、これでもかという展開と演出で再現し、怒濤のベストバウトを連続して味わえます。TV放送の際には、規制の入っていたバイオレンス表現も、Netflixの配信ではそのまま配信されており、際限のない戦いを堪能できるのも魅力です。
『極主夫道』(2021)
おおのこうすけ氏によって描かれたコメディ漫画「極主夫道」を、アニメーション化したシリーズ。“不死身の龍(たつ)”として極道の世界でも恐れられていた男は、突如姿を消してカタギの世界でデザイナーの妻と暮らしています。当時の凄みや忠義心はそのままに、すっかり専業主夫となってしまった龍の日々がコミカルに描かれます。
『極主夫道』の面白いところが、アニメと言えども原作漫画の表現を取り込んでいるところ。作中に擬音が登場していたり、激しい動きのないアニメーションは、素朴な雰囲気と漫画のテンポ感がそのまま表現されていて、肩の力を抜いて楽しめるものとなっています。
龍のビジュアルに対してギャップのある行動の数々はもちろん、そんな龍と馴染んでいる妻の美久との掛け合いや、飼い猫の銀の日常が描かれるほのぼのとしたパートもあったりと、短いながらもハマりがいのある要素も多数。1話ごとが短いので、気軽に観ることができるのも魅力です。
『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア- シーズン1』(2017)
コナミより1980年代から発売されている海外でも人気のゲーム「悪魔城ドラキュラ」シリーズを元にしたアニメシリーズが『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア- シーズン1』。
中世のヨーロッパ。人間の女性と結ばれたドラキュラ・ヴラド・ツェペシュは、妻の進言通り旅に出たものの、その隙に妻は主教を始めとした人間たちに異端の魔女として殺されてしまいます。それに怒ったドラキュラは、一年をかけて配下の吸血鬼たちを集わせ、ついに人間たちを襲撃。ヴァンパイアによる復讐が始まります。
吸血鬼を題材にした作品は数あれど、本作は特に正統派とも言える本格的なストーリーが魅力。作品を面白いするためであれば、バイオレンス描写や性的な描写も躊躇なく盛り込むNetflixの姿勢が生きた大人なアニメーションへと仕上がっています。
本作はアメリカで制作された作品なのですが、日本で制作されたアニメーションのような演出やルックなのも特徴です。ゲームシリーズなどを追っていないという日本人でも、見やすくすぐに親しめるシリーズとなっています。第1シーズンは4話のみの比較的コンパクトな内容となっているので、まずはこの壮大な物語の冒頭だけでも観てみて欲しいところです。
『泣きたい私は猫をかぶる』(2020)
TVシリーズだけでなく、Netflixではもちろん長編作品も配信中。WEBアニメ『薄明の翼』シリーズなどで知られるスタジオコロリドが『ペンギン・ハイウェイ』に続いて発表した長編アニメーション映画の第二弾が『泣きたい私は猫をかぶる』です。
自由奔放な性格の主人公・笹木美代は、その変わった性格から無限大謎人間こと“ムゲ”というあだ名を持つ中学二年生の女の子。クラスメイトの日之出賢人に想いを寄せており、積極的にアピールを続けているのですが、あまり相手にされていませんでした。そんなムゲには、秘密があります。それは、夏祭りの夜にお面屋からもらったお面を被ることで、猫に変身することができること。猫の姿となって、こっそり賢人に会いにいき可愛がってもらう日々を送るようになるのですが、ムゲは次第に人間としてではなく猫として生きるかの選択を迫られることになります。表現下手な二人の男女の、一風変わった青春ラブストーリーであり、優しい後味が残る物語となっています。
猫が身近にいる人にとっては、随所に登場する猫たちも見所と思えるのではないでしょうか。本作では、猫モーションデザインとして、猫の動きを専門に描く役職を設けているというのも驚きのポイントです。“猫映画”としても楽しめる一本です。
話題のアニメーションも配信中
Netflixでは、もちろんオリジナル作品以外にも話題のアニメーション作品も多数配信されています。
『東京リベンジャーズ』(2021)
週刊少年マガジン連載の和久井健が手がける「東京卍リベンジャーズ」を、『さよなら私のクラマー』(2020)などを手がけたライデンフィルム製作により2021年にTVアニメ化。かつては不良として過ごしていながらも今は落ちぶれた生活を送っていた主人公の武道は、ある事故に巻き込まれたことをきっかけに、12年前の中学生の頃にタイムリープ。未来で命を奪われるとされるかつての恋人の橘日向を救うべく、暴走族である東京卍會のキーマンたちに接触することで過去の改変に挑みます。
往年の不良漫画のイズムに、タイムリープ要素が加わり、これまでとは全く違った不良作品に。負け組に成り下がってしまった武道がいかにして、リベンジをしていくのか。そのドラマに胸を熱くさせられます。
不良が主人公の作品に馴染みがない人も“仲間を大切にする”、“いざという時に勇気を振り絞れる”といった本作が描くメッセージは意外と強く響くのではないでしょうか。
『カウボーイビバップ』(1998)
1998年に放送されたサンライズ発のSFハードボイルドアニメが『カウボーイビバップ』。惑星間を短時間で航行できるようになった未来の太陽系を舞台に、“カウボーイ”と呼ばれた賞金稼ぎのスパイクとジェットは、謎の女性フェイや天才ハッカーのエド、そして人間並の知能を持ったデータ犬のアインと共に共同生活をすることになり、さまざな事件に巻き込まれていくことになります。
洒落た音楽に、バリエーションも様々なエピソード、そして粋な台詞回しは、日本だけに止まらず海外でも人気を獲得し、2001年には劇場版『カウボーイビバップ 天国の扉』も公開され、20年以上経った現在も根強い支持を得ています。
その証拠に、実はそんな『カウボーイビバップ』は2021年秋に実写ドラマ版のNetflix配信が発表されています。『スター・トレック』(2009)などの出演で知られるジョン・チョーが、スパイク役を担当。音楽をTVアニメシリーズにも参加していた菅野よう子が担当することでもニュースとなります。
『呪術廻戦』(2020)
週刊少年ジャンプで連載中の芥見下々氏によって描かれる同名漫画を原作に、『ドロヘドロ』や『ユーリ!!! on ICE』のMAPPAがTVアニメ化した現代ダークファンタジー作品。
高校一年生の虎杖悠仁が、自身の先輩や呪術師の伏黒恵らを救うべく、呪物である“宿儺の指”を取り込んだことをきっかけに、特急呪物である両面宿儺が復活し、虎杖は宿儺の器となってしまいます。特異体質だった悠二は、その身に宿儺を宿しながらも正気を保っており、そのほかに存在する宿儺の指を取り込んでから死ぬ、という約束の元に呪術高専の生徒となって呪術師の道を歩んでいくという物語です。
ホラー要素、異能力バトル物要素、学園物要素と複数のジャンルの魅力が盛り込まれており、見た目も性格も個性豊かなキャラクターたちによる怒涛の展開の連続に、夢中になる人が続出しました。
その証拠にTVアニメの放送をきっかけに人気は爆発し、原作の人気も急上昇。放送前の原作コミックスの累計発行部数は累計850万部だったのですが、放送後の2021年4月には累計4500万部と5倍以上に拡大しました。
『進撃の巨人 第1期』(2013)
別冊少年マガジンにて2009年から諫山創氏によって連載されていた同名漫画を原作にTVアニメ化したのが『進撃の巨人』。2021年に10年以上の時を経て、ついに完結を迎えたわけですが、TVアニメシリーズもついにFinal Seasonに突入し、物語の完結へと向かっています。
舞台は王都を中心に巨大な城壁が張り巡らされた国。この壁は、人間を捕食する巨人の襲撃を防ぐために設けられていたのですが、ある日、その壁すらも越える巨人が現れて事態は一変。多くの人間が巨人に食べられてしまいます。そんな巨人に親を食べられてしまったエレン・イェーガーは、成長して世界の探索などを任務とする調査兵団へと入団し、巨人との遭遇が免れない最前線へと挑んでいくことになります。
登場する調査兵団たちは、立体機動装置という道具を使い、街中を飛び回りながら巨人と戦うのですが、その映像が圧巻の一言。アニメーションだからこそできた迫力のあるカメラワークで、観ているこちらも巨人との戦いを想像以上の臨場感で楽しむことができます。
アニメーションだけでも、ここでは紹介しきれないほど独自のラインナップが充実しているNetflix。ぜひまだ観ていない作品があればチェックしてみてください。
※2021年8月20日時点の情報です。