【クズ男映画】宇多丸が解説!ガチのバイオレンス映画『クズとブスとゲス』

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TOKYO MXの人気バラエティ番組「バラいろダンディ」で、玉袋筋太郎(以下:玉さん)&RHYMESTER 宇多丸(以下:宇多さん)の映画好きコンビが月に一度とっておきの映画を解説するコーナー「水曜バラいろショー」。

11月のテーマは「クズ男映画」。自称クズ男(?)の宇多さん玉さんは、一体どんな作品を解説してくれたのでしょうか。

映画好きが思い浮かべる「クズ男映画」といえば…!?

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玉:さあ、本日のテーマはこちら!「クズ男映画」。

宇多:出ました! これはもうTOKYO MXをご覧の皆さんにピッタリのね(笑)

玉:もうみんなクズっていうね(笑)

宇多:クズのツートップがいきますからね。

玉:ツートップいくぜ!

宇多:「クズ男映画」といえば、世の中の皆さんはどんな作品を思い浮かべるのでしょう。こんなジャンルはなかなかね。

玉:ないんだよ。

宇多:こんなジャンルないですけれどね。TSUTAYAさんがオススメする国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」によるランキング。こちらです、どうぞ!

「クズ男映画」FilmarksランキングTOP15

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15位:『モテキ』(2011年/日本)

14位:『ろくでなし』(2017年/日本)

13位:『アバウト・ア・ボーイ』(2002年/アメリカ)

12位:『(500日)日のサマー』(2009年/アメリカ)

11位:『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年/アメリカ)

10位:『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009年/アメリカ)

9位:『ビッグ・リボウスキ』(1998年/アメリカ)

8位:『トレインスポッティング』(1996年/イギリス)

7位:『ラブ・アクチュアリー』(2003年/イギリス)

6位:『ヒメアノ〜ル』(2016年日本)

5位:『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年/イギリス)

4位:『時計じかけのオレンジ』(1971年/イギリス)

3位:『レスラー』(2008年/アメリカ)

2位:『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』(2009年/アメリカ)

1位:『Kids Return キッズ・リターン』(1996年/日本)

宇多:これね、やっぱりFilmarksは本当に侮れないんですけれどね。まず1位『Kids Return キッズ・リターン』。

玉:あれ、うちの師匠の映画が入っている。あの2人がやっぱりクズだったってことか。

宇多:あと、モロ師岡さんが演じるボクシングジムの先輩、あれはクズ。

玉:あれはクズだったな。

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宇多:2位の『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』は、別にクズっていうかね、本人頑張ってるわけだからね。

玉:3位の『レスラー』だってクズじゃないよ、あれ。

宇多:4位『時計じかけのオレンジ』、あれはクズかなとか、いろいろある。

玉:あれはクズだな。

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宇多:6位の『ヒメアノ〜ル』のは、確かにそうかもしれないとかね。私、たいへん感心してしまったんですよ。実は今回紹介する作品が、日本のインディーズ映画で小規模な映画なので、このランキングには入らないだろうなと思っていたんですね。『ろくでなし』という作品。

玉:『ろくでなし』?

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宇多:この作品が、なんと14位に入っているんですよ。

玉:14位! すごいね。

宇多:監督の奥田庸介さん、非常に才能がある。これから間違いなく出てくる監督です。(登場人物の)チンピラがイイ男なんだけれど、すごいハードボイルドです。渋谷を舞台に、クラブの店員の女の子とこのチンピラの、ちょっとバイオレントなんだけれど切ない純愛を描いています。あの大和田獏さんが、超ゲスなヤクザの組長役なんですよ。

玉:大和田獏さんがですか?

宇多:大和田獏がですよ。ヤバいんですよ。

玉:またオヤジ狩りに遭うぞ!(笑)

宇多:ということで、奥田監督は非常に爽やかな好青年でございます。本人から送られてきた写真、奥田庸介監督はこちらです!

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宇多:なんて爽やかな好青年でしょう!

玉:爽やかでもねぇだろう(笑)

宇多:僕はご本人ともお会いしたことがあって、非常に真面目に映画をつくり続けていて。映画に対して妥協したくない熱い思いがあって、素晴らしいですよ。

奥田庸介監督自ら主演した『クズとブスとゲス』

宇多:「クズ男映画」ということで今回ご紹介したいのが、この奥田庸介監督の『クズとブスとゲス』。先ほどの『ろくでなし』のひとつ前の作品で、本当に代表作といっていいと思います。

玉:すごいね、これ。

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宇多:奥田監督演じるスキンヘッドの男と、あるリーゼントの男がいて、そのリーゼント男の彼女がいて。スキンヘッドの男は、基本的に女の人をいろいろたぶらかせて、例えば薬を飲ませて眠らせて、裸にして写真を撮って脅したりとか、そういうことをして生計を立てる最低な男なんですね。そこにいろいろ暴力団の皆さんとかが絡んできて、さまざまな事態が起きていくという。めちゃくちゃ面白いんです。先ほどの監督の写真はこの好青年ですが、監督自らが演じている主人公はこんなビジュアルです。

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玉:(笑)

宇多:すごいでしょ。めちゃくちゃ怖いんですよ。

玉:クズだな。

宇多:クズなんですよ。

清々しいほどのクズ男ぶりとガチのバイオレンスシーン!

宇多:作品自体いろいろと見どころがあるんですけれど、私の見どころポイントを2つあげてきました。まずはこちらです。

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宇多:「監督自らが演じる主人公が…とにかくゲスすぎて逆に清々しい!」。

玉:逆に?

宇多:はい。鼻にピアスとかして、格好とかもすごい変なんですけれど、けっこう平気で女にガンガンアタックするんですよ。ナンパしたり。ということで、作品の中盤くらいに出てくる、喫茶店で女の子に無理やり絡んでいくシーンをちょっとご覧ください。これが最高なんですよ。

(『クズとブスとゲス』の映像を見ながら)

宇多:彼もいろいろ殴られたりしてくさっています。(喫茶店に)全く関係ないかわいらしい女の子がいますね。じっと見て、いきなり「ここに座っていい?」と。女の子は、怖いからもう抵抗できないんですよ。こうやって女の子のジュースを飲んだり、トーストを食べちゃったりですね。

玉:Mr.ビーンだな、やっていることが。

宇多:店員さんが「出ていってください」って言って。それに対して最悪な反論しますから。「でも、この女が最初に誘ってきたんだよ」って、最悪(笑) ゲスさに一本筋が通っていて。

玉:清々しいね。

宇多:清々しいんですよ。そして、この『クズとブスとゲス』のもう1個の私の見どころポイントは、

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宇多:「ガチのバイオレンスシーン!」。

(再び映像を見ながら)

宇多:スキンヘッドの男とリーゼントの男、リーゼントの男はすごく一本気で非常にいい奴なんですけれども、ヤクザに拉致されてしまうんですね。拉致されて、ボコボコにされるわけですよ。この映画、殴ったり蹴ったりしているじゃないですか。奥田さんがガッツありすぎて、これはガチです。ガチ当てです。特殊メイクじゃございません。奥田さん、最終的に顔がめちゃくちゃ腫れ上がっているんですけれど。

玉:『県警対組織暴力』の川谷拓三を超えるな、これ。

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宇多:本当ガチですから。ただ奥田さんが妥協せずに自分の思いをぶつけた作品で、ちょっとショッキングな場面とかもあるけど、やっぱり「すごい映画見たな」って思いますよ。今の日本のインディーズ映画は非常に力をつけている人がいっぱいいますので、普通の映画に見飽きた人は、ぜひこちら見ていただきたいと思います。

玉:はい! 素晴らしいですよ。

芸能界のクズとブスとゲス!?

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「芸能界にも『クズとブスとゲス』に負けないトリオがいますよ」と切り出した玉さん。数々の芸能人をピックアップしながら、ダークなエピソードを紹介! 最後は玉さんお決まりの締めが決まり、スタジオを盛り上げました。

次回は2017年の締めくくり!

宇多:次回は今年最後の水曜バラいろショーでございます。2017年の締めくくりにふさわしい映画、このコーナーに使用許可がなかなか下りる映画がない。

玉:大変なんだよ。天は我々を見放したっていうくらいの気持ちだよね、今ね。

宇多:それを今頑張っておりますからね。見放されないように頑張りましょう。ということで、楽しみにしていてください!

玉・宇多:以上、水曜バラいろショーでしたー!

水曜バラいろショー過去放送分 書き起こし

 

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※2021年4月21日時点のVOD配信情報です。

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