田舎で過ごすスローライフに夢を抱き、小さな村に移住したフランス人夫婦が巻き込まれる心理スリラー『理想郷』。
本記事では、映画『理想郷』のあらすじ&キャスト情報、見どころをまとめてご紹介します。
『理想郷』（2022）あらすじ
フランス人夫婦アントワーヌとオルガはスローライフに夢を抱き、緑豊かな山岳地帯スペイン・ガリシア地方の小さな村に移住する。しかし、地元で生まれ育った村人たちは慢性的な貧困問題を抱えており、穏やかな暮らしとは言えない生活をおくっている。隣人兄弟シャンとロレンソは新参者であるフランス人夫婦をあからさまに歓迎しておらず、彼らに嫌がらせをするようになっていく。その後、兄弟の攻撃はエスカレート。夫婦が大事に育てていた農作物をダメにしてしまうなど、嫌がらせの範疇を超えていく。そんな中、村にとっては金銭的利益となる風力発電のプロジェクトをめぐり、村人と夫婦の意見が対立。敵対関係が激化していき……。
『理想郷』キャスト情報
アントワーヌ／ドゥニ・メノーシェ
オルガ／マリナ・フォイス
その他キャスト
シャン／ルイス・サエラ
ロレンソ／ディエゴ・アニード
マリー／マリー・コロン
スタッフ
◼︎監督：ロドリゴ・ソロゴイェン
◼︎脚本：イザベラ・ペーニャ、ロドリゴ・ソロゴイェン
◼︎音楽：オリベル・アルソン
『理想郷』見どころ
1997年にスペインの小さな村サントアラに移住したオランダ人夫婦に起きた実際の事件が題材となっており、サム・ペキンパー監督『わらの犬』（1971）を彷彿とさせる“田舎と都会の対立”が一つのテーマとして描かれる本作。コロナ禍以降、一時のブームから定着化した田舎への移住生活では、実際に日本を含む世界中で酷似した事件が起こっており、人間の暗部に潜む独りよがりな思考・憎悪・凶暴性に深く迫り、自身も巻き込まれていくようなスリラー体験が味わえる。
監督・脚本を務めたのは、第76回ヴェネチア国際映画祭で評価された前作『おもかげ』（2019）で名を知らしめた、ロドリゴ・ソロゴイェン。計算しつくされた様々な対比、伏線、カメラワークなど、見事な演出手腕を発揮している。また、本作は二部構成になっており、主人公の視点の変化によって単なるスリラーではなくラブストーリーとしての側面も描かれることになる。
第一部で主人公となる夫・アントワーヌを演じるのは、『ジュリアン』（2017）、『悪なき殺人』（2019）、『苦い涙』（2022）などで強烈な印象を残したドゥニ・メノーシェ。第二部で主人公になる妻・オルガは『私は確信する』（2018）、『ヴィーガンズ・ハム』（2021）、『シャーク・ド・フランス』（2022）など、コメディからシリアスまでマルチにこなすマリナ・フォイスが演じる。二人揃って確かな演技力と存在感に定評があり、話題作への出演が続いている。また、劣等感からくる憎悪に満ちた態度と表情を魅せる兄弟を演じたルイス・サエラ、ディエゴ・アニードの熱演にも注目したい。
『理想郷』は、2023年11月3日（金・祝）よりBunkamuraル・シネマ渋谷宮下、シネマート新宿ほか全国順次公開。是非、この機会にチェックしてみては？
『理想郷』作品情報
◼︎上映日：2023年11月3日（金・祝）
◼︎配給：アンプラグド
◼︎公式HP：https://unpfilm.com/risokyo/
（C）Arcadia Motion Pictures, S.L., Caballo Films, S.L., Cronos Entertainment, A.I.E,Le pacte S.A.S.
※2023年10月10日時点の情報です。
