荒井晴彦が第123回芥川賞を受賞した松浦寿輝による同名小説を原作に、“ピンク映画へのレクイエム”というモチーフを大胆に取り込んだ『花腐し』。
本記事では、映画『花腐し』のあらすじ&キャスト情報、見どころをまとめてご紹介します。
『花腐し』(2023)あらすじ
廃れていくピンク映画業界で⽣きる映画監督・栩⾕と脚本家志望だった男・伊関、そしてふたりが愛したひとりの⼥優・祥⼦。タイトルに引⽤された万葉集の和歌「花腐し」とは、きれいに咲いた卯⽊(うつぎ)の花をも腐らせてしまう、じっとりと降りしきる⾬を表現している。そのタイトル通り、梅⾬のある⽇に出会った栩⾕と伊関は、⾃分たちの愛した⼥について語り始める。そして、三⼈がしがみついてきた映画への夢がボロボロと崩れ始める中、それぞれの⼈⽣が交錯していく……。
『花腐し』キャスト情報
栩谷修一/綾野剛
伊関貴久/柄本佑
桐岡祥子/さとうほなみ(佐藤穂奈美)
その他キャスト
桑山篤/吉岡睦雄
寺本龍彦/川瀬陽太
リンリン/MINAMO
ハン・ユジョン/Nia
金昌勇/マキタスポーツ
韓国スナックのママ/⼭崎ハコ
小倉多喜子/⾚座美代⼦
沢井誠二/奥⽥瑛⼆
スタッフ
◼︎監督:荒井晴彦
◼︎原作:松浦寿輝「花腐し」(講談社⽂庫)
『花腐し』見どころ
本作は、斜陽の一途にあるピンク映画業界で5年も映画を撮れていない監督の栩谷が、とあるアパートの住人の立ち退き交渉を頼まれるところから始まる。アパートに住んでいたのはかつて脚本家志望だった男・伊関。映画を夢見た男たちの人生は、共に愛した女優・祥⼦との奇縁によって交錯していく。男二人が生きる時間を体現するかのようなモノクロ映像に対して、祥子と過ごすそれぞれの男たちの記憶とも言える色鮮やかな映像は、映画世界に惹きつけられる印象的なものとなっている。
主人公・栩谷は綾野剛、相対する伊関を柄本佑、そして二人との奇縁を結ぶ女優・祥子をさとうほなみ(佐藤穂奈美)がそれぞれ演じる。監督は『赫い髪の女』(1979)、『キャバレー日記』(1982)など日活ロマンポルノの名作や、『遠雷』(1981)、『Wの悲劇』(1984)、『ヴァイブレータ』(2003)、『共喰い』(2013)など数多くの脚本を手がけてきた荒井晴彦。数多くの賞を受賞した『火口のふたり』(2019)に続いて自身4作目の監督作となる。
二人の男と一人の女が織りなす切なくも純粋な愛の物語『花腐し』は、2023年11月10日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開。是非、この機会にチェックしてみては?
『花腐し』作品情報
◼︎上映日:2023年11月10日(金)
◼︎配給:東映ビデオ
◼︎公式HP:hanakutashi.com
(C)2023「花腐し」製作委員会
※2023年10月25日時点の情報です。
※最新の配信状況は各動画配信事業者の公式サイトにてご確認ください。