戸田彬弘監督が主宰する劇団・チーズtheater旗揚げ公演で、サンモールスタジオ選定賞2015の最優秀脚本賞を受賞した舞台「川辺市⼦のために」を原作とした映画『市子』。
本記事では、映画『市子』のあらすじ&キャスト情報、見どころをまとめてご紹介します。
『市子』(2023)あらすじ
川辺市子は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則からプロポーズを受けた翌日に、忽然と姿を消す。途方に暮れる長谷川の元に訪れたのは、市子を探しているという刑事・後藤。後藤は、長谷川の目の前に市子の写真を差し出し「この女性は誰なのでしょうか。」と尋ねる。市子の行方を追って、昔の友人や幼馴染、高校時代の同級生……と、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていく長谷川は、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る。そんな中、長谷川は市子が置いていったカバンの底から一枚の写真を発見し、その裏に書かれた住所を訪ねることに。捜索を続けるうちに長谷川は、彼女が生きてきた壮絶な過去と真実を知ることになる。
『市子』キャスト情報
川辺市子/杉咲花
恋人の前から忽然と姿を消した女性。想像を絶する壮絶な過去を持つ
その他キャスト
長谷川義則/若葉竜也
市子と3年間一緒に暮らしていた恋人
北秀和/森永悠希
市子の高校時代の同級生
小泉雅雄/渡辺大知
ソーシャルワーカーで市子の母・なつみの元恋人
後藤修治/宇野祥平
市子を捜索中の刑事
川辺なつみ/中村ゆり
市子の母親
吉田キキ/中田青渚
市子の昔の友人
北見冬子/石川瑠華
失踪した市子と接触していた女性
田中宗介/倉悠貴
市子の最初の恋人
山本さつき/大浦千佳
市子の幼馴染
スタッフ
◼︎監督:戸田彬弘
◼︎原作:戸田彬弘「川辺市子のために」
◼︎音楽:茂野雅道
『市子』見どころ
本作はある日、忽然と姿を消した川辺市子という女性の真の姿を、恋人・長谷川が追い求めていく物語となっている。観客は、長谷川の視点を通して“市子を知ること”を追体験し、隣にいる人間のことを簡単にわかったつもりになってはいけないと強く感じることになる。同じ団地で育った幼馴染、高校時代の同級生、かつての同僚、彼らの証言を元にゆっくりと浮き上がっていく市子の人物像。その記憶も証言も、どこまでが正しいか分からない。謎解きのように一人の人物に迫っていく様は、黒澤明の『羅生門』(1950)のような構成となっている。様々な角度から描かれる市子のミステリアスな魅力からは、人間の底知れなさが垣間見える。
過酷な家庭環境で育ちながら生きることを諦めなかった市子を演じるのは杉咲花。抗えない境遇に翻弄された壮絶な半生を、芝居を超えて凄まじい熱量で体現している。市子が3年間一緒に暮らしていた恋人・長谷川を演じるのは、若葉竜也。さらに、森永悠希、渡辺大知、宇野祥平、中村ゆり、中田青渚、石川瑠華、倉悠貴、大浦千佳らが脇を固め、市子の知られざる人物像や過去を第三者の目線から描き出していく。
監督は『名前』(2018)、『13月の女の子』(2020)、『僕たちは変わらない朝を迎える』(2021) 、『散歩時間~その日を待ちながら~』(2022)などの戸田彬弘。本作の原作となった舞台「川辺市子のために」ほか、主催する劇団・チーズ theaterの作・演出を担当している。
自分の“存在”と向き合い続けた女の生き様が心を打ちのめす衝撃作『市子』は、2023年12月8日(金)よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国公開。
『市子』作品情報
◼︎上映日:2023年12月8日(金)
◼︎配給:ハピネットファントム・スタジオ
◼︎公式HP:https://happinet-phantom.com/ichiko-movie/
(C)2023 映画「市子」製作委員会
※2023年11月8日時点の情報です。
※最新の配信状況は、各動画配信事業者の公式サイトにてご確認ください。