多くの人々に衝撃を与えた『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や、クリストファー・ノーラン監督の出世作『メメント』など、多くの名作が誕生した2000年。
本記事では、2000年に製作されたヒット作を10本をご紹介します。
映画セレクト基準は？
本記事で紹介する映画は、国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks（フィルマークス）」のレビューやスコアなどのデータに基づいています。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』（2000）
『ニンフォマニアック Vol.1』（13）などのラース・フォン・トリアーが監督・脚本を務める。出演は、ビョーク、カトリーヌ・ドヌーヴ、デヴィッド・モース、ピーター・ストーメア、ジャン=マルク・バール、ヴラディカ・コスティックほか。
チェコからアメリカにやってきたセルマは女手ひとつで息子を育てながら工場で働いている。セルマを見守る親友のキャシー、息子の面倒を観てくれる隣人のビル夫妻、セルマに思いを寄せるジェフなど、さまざまな愛に支えられながらも、セルマは悲しい秘密を抱えていた。それは、病で視力を失いつつあり、手術を受けない限り息子も同じ運命を辿るというもの。息子に手術を受けさせるため懸命に働くセルマだったが、ある日手術代が盗まれてしまう……。
アイスランドの人気歌手・ビョーク主演のミュージカル映画。主人公セルマが懸命に生きながらも残酷な運命を辿る様子は賛否両論を生み、大ヒットを記録した。
『メメント』（2000）
『インセプション』（10）などのクリストファー・ノーランが監督・脚本を務める。出演は、ガイ・ピアース、キャリー=アン・モス、ジョー・パントリアーノ、マーク・ブーン・ジュニア、ラス・フェガ、スティーヴン・トボロウスキーほか。
ロサンゼルスの保険調査員・レナードは、目の前で妻を殺害されたショックから、数分前の記憶を忘れてしまう前向性健忘という記憶障害になってしまう。レナードは残っていた事件以前の記憶を頼りに、ポラロイド写真にメモを残し、全身にメモとなるタトゥーを刻みながら犯人を捜し出そうとするが……。
クリストファー・ノーラン監督の長編2作目。監督の弟、ジョナサン・ノーランによる短編小説を基にした本作は、逆行した時系列で進んでいくという難解な構成が話題となった。
『天使のくれた時間』（2000）
『ラッシュアワー』（98）などのブレット・ラトナーが監督を務める。出演は、ニコラス・ケイジ、ティア・レオーニ、ドン・チードル、ジェレミー・ピヴェン、ソウル・ルビネックほか。
ウォール街で成功し、独身生活を謳歌していたジャックは、ある夜不思議な青年ジャックと出会う。その翌日、見知らぬ部屋で目を覚ましたジャックの隣には13年前に別れた恋人ケイトが眠り、会社には彼の席もなくなっていた……。
ビジネスの成功のために恋人と別れた男が、「もうひとつの人生」を体験するファンタジー作品。お金か愛か、という普遍のテーマを描き、人生の分岐を振り返る主人公の姿は多くの共感を呼んだ。
『リトル・ダンサー』（2000）
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』（11）などのスティーヴン・ダルドリーが監督を務める。出演は、ジェイミー・ベル、ジュリー・ウォルターズ、ゲイリー・ルイス、ジェイミー・ドレイヴン、ジーン・ヘイウッド、スチュアート・ウェルズほか。
1984年、イギリスの炭坑町。ボクシングを習う11歳の少年ビリーは、偶然見かけたクラシックバレエに魅了される。父親の大反対を受けるも、練習に没頭するビリー。バレエ教室の先生は彼の才能を見出し、オーディションを受けさせようとするが……。
バレエダンサーを夢見る少年を描いた感動のヒューマンドラマ。逆境の中でも夢を諦めず、周りの大人たちを変えていく姿は多くの人々に感動を与えた。
『スナッチ』（2000）
『シャーロック・ホームズ』（09）などのガイ・リッチーが監督・脚本を務める。出演は、ベニチオ・デル・トロ、デニス・ファリナ、ヴィニー・ジョーンズ、ブラッド・ピット、ラデ・シェルベッジアほか。
86の大粒ダイヤの強奪に成功したフランキー率いる強盗団。しかし盗品をニューヨークで待つボスに届ける道中、ギャンブル中毒のフランキーは、賭博がらみのボクシングを開催するノミ屋に立ち寄り拉致されてしまう……。
予測を越えた展開が繰り広げられるクライムサスペンス。癖のあるキャラクターを演じる豪華俳優陣の競演が見どころ。
『バトル・ロワイアル』（2000）
『仁義なき戦い』（73）などの深作欣二が監督・脚本を務める。出演は、藤原竜也、前田亜季、山本太郎、栗山千明、塚本高史、高岡蒼佑、石川絵里、神谷涼、柴咲コウ、北野武（ビートたけし）ほか。
子供を恐れた大人たちは、新世紀教育改革法、通称“バトル・ロワイアル（BR）法”を立法。それは、全国の中学校から無作為に1クラスを選び、最後のひとりになるまで殺しあいをさせるというものだった。今回選ばれた岩城学園中学3年B組は、修学旅行中に無人島に拉致され殺し合いを強いられる……。
高見広春による同名小説を原作としたバイオレンスムービー。中学生同士が殺しあうという内容は国会で議論になるほどの物議を醸した。
『アメリカン・サイコ』（2000）
『ウェルカム トゥ ダリ』（22）などのメアリー・ハロンが監督・脚本を務める。出演は、クリスチャン・ベイル、ウィレム・デフォー、ジャレッド・レト、ジョシュ・ルーカス、サマンサ・マシスほか。
1980年代、ニューヨーク。ウォール街の一流企業で働くパトリック・ベイトマン。社会的な成功を手に入れたかに見えた彼だったが、心の中には深い闇が広がっていた。やがて欲望を抑えきれなくなった彼は、衝動のまま無差別に殺害する殺人鬼と化す。
ブレット・イーストン・エリスの同名小説を原作としたサイコスリラー。好景気に沸く1980年代アメリカをシニカルに描いた衝撃作。
『キャスト・アウェイ』（2000）
『フォレスト・ガンプ／一期一会』（94）などのロバート・ゼメキスが監督を務める。出演はトム・ハンクス、ヘレン・ハント、クリス・ノース、ニック・サーシー、ナン・マーティンほか。
国際宅配便会社のシステムエンジニアのチャック・ノーランドは、世界中を駆け回る慌ただしい毎日を過ごしていた。だがある日、乗っていた飛行機が事故で墜落し、無人島に漂着する。彼はウィルソンと名付けたバレーボールを支えになんとか生き延びるが……。
無人島での4年間のサバイバルを描いた人間ドラマ。役作りのため、撮影中に25㎏減量したトム・ハンクスの迫真の演技は圧巻。
『エリン・ブロコビッチ』（2000）
『オーシャンズ11』（01）などのスティーヴン・ソダーバーグが監督を務める。出演は、ジュリア・ロバーツ、アルバート・フィニー、アーロン・エッカート、マージ・ヘルゲンバーガーほか。
3人の子供を持つ無職のシングルマザーのエリンは、交通事故に遭いながらも裁判に負け、やけになった彼女は担当弁護士の事務所で強引に仕事を得る。ある日、書類の整理中に巨大企業による環境汚染の実態を知った彼女は、勝ち目のない戦いに挑む。
巨大企業を相手に莫大な和解金を勝ち取ったシングルマザーの実話に基づいた物語。エリンを好演したジュリア・ロバーツは第73回アカデミー賞ほか、数々の主演女優賞に輝いた。
『あの頃ペニー・レインと』（2000）
『バニラ・スカイ』（01）などのキャメロン・クロウが監督・脚本を務める。出演は、パトリック・フュジット、ケイト・ハドソン、ビリー・クラダップ、フランシス・マクドーマンドほか。
厳格な母に育てられた15歳の優等生ウィリアムは、地元誌に書いた原稿がローリングストーン誌の目に留まり、ブレイク寸前のバンドを取材する仕事を得る。楽屋に訪れた彼は、グルーピーのリーダー、ペニー・レインと出会う。それは切ない恋の始まりだった……。
70年代のロックシーンを初恋と共に描いた青春ドラマ。キャメロン・クロウ監督自身の実話を基にした本作は、第73回アカデミー賞にて脚本賞を受賞した。
※2023年12月17日時点の情報です。
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