『そして誰もいなくなった』『アクロイド殺し』などで知られる “ミステリーの女王”、アガサ・クリスティ。そんな彼女の作品の中でも特に人気がある小説「オリエント急行の殺人」が原作の映画『オリエント急行殺人事件』。ケネス・ブラナーが名探偵ポアロを務める本作は続編も決まっていて、大人気シリーズになる予感!
映画『オリエント急行殺人事件』(2017)あらすじ
トルコ発フランス行きのオリエント急行でくつろぐ名探偵ポアロ(ケネス・ブラナー)に話しかけてきた、アメリカ人富豪のラチェット(ジョニー・デップ)。脅迫を受けているという彼は、ポアロに身辺の警護を頼む。しかし、ポアロはラチェットの要請をあっさりと断るのだった。 深夜、オリエント急行は脱線事故を起こし、山腹の高架橋で立ち往する。そしてその車内でラチェットが刺殺体の状態で見つかる。 鉄道会社から捜査を頼まれたポアロは、密室殺人事件の解明に挑む。共通点のない13人の容疑者の中に、果たして犯人はいるのだろうか…….。
映画『オリエント急行殺人事件』キャスト
主人公であるポアロや被害者のラチェットの他に、13人の容疑者が出てくるため「混乱した」という声もある本作。ここでは、登場人物を立場ごとに分けてまとめておさらい。
名探偵
エルキュール・ポアロ/ケネス・ブラナー
ロンドン行きのオリエント急行に乗車したベルギーの名探偵。
被害者
ラチェット/ジョニー・デップ
脅迫状が届いたことにより、命の危機を感じているアメリカ人の富豪美術商。
容疑者
ハバード夫人/ミシェル・ファイファー
ラチェットの隣室で、深夜に部屋に男がいたと証言したアメリカ人。
ドラゴミロフ公爵夫人/ジュディ・デンチ
愛犬を連れて列車に乗り込んだロシアの貴族。
ピラール・エストラバドス/ペネロペ・クルス
かつては乳母の仕事をしていた宣教師。
メアリ・デブナム/デイジー・リドリー
アーバスノットと親しい人物。バグダッドで家庭教師をしていた。
ゲアハルト・ハードマン/ウィレム・デフォー
人種差別発言が多いオーストラリア人の教授。
エレナ・アンドレニ伯爵夫人/ルーシー・ボイントン
年が若く、誰もが美しさを認める美人。体調を崩して薬を服用している。
ドクター・アーバスノット/レスリー・オドム・Jr
ラチェットの遺体を調べ、死亡時刻を推測する医師。
エドワード・マスターマン/デレク・ジャコビ
ラチェットの執事で病により寿命が短いと宣告されている。。
ピエール・ミシェル/マーワン・ケンザリ
オリエント急行の車掌。
ヒルデガルデ・シュミット/オリヴィア・コールマン
公爵夫人のメイド。
マルケス/マヌエル・ガルシア=ルルフォ
自動車販売で成功しているが、キューバで脱獄し、アメリカへ渡ってきた過去がある。
ヘクター・マックイーン/ジョシュ・ギャッド
アルコール依存症。ラチェットの秘書で帳簿を管理している。
ルドルフ・アンドレニ伯爵/セルゲイ・ポールニン
有能なダンサーでもあるハンガリーの貴族。
鉄道会社
ブーク/トム・ベイトマン
オリエント急行を運営している鉄道会社の重役。
映画『オリエント急行殺人事件』原作
原作は数多くの名作を生み出してきたアガサ・クリスティの作品の中でも、アンケートをとれば必ず上位になるほどの大傑作「オリエント急行の殺人」。ちなみに、クリスティはギネスブックによって「世界で一番売れた作小説家」と認定された。
そんな彼女の人気シリーズが「名探偵ポアロ」シリーズ。原作は8作目(長編33作と短編50作)で、1934年に発表された。なお本作でクリスティは、テーマとして実在する誘拐事件を取り扱ったとされている。
また人気原作であるため、「オリエント急行の殺人」は舞台化やアニメ化、そして何度も実写化されている。中でも、シドニー・ルメット版映画『オリエント急行殺人事件』(1974)やイギリスのドラマ「名探偵ポワロ」シリーズの『オリエント急行の殺人』が有名だ。ちなみに日本でも、TVドラマ『オリエント急行殺人事件』(2015)が三谷幸喜監督で製作されている。監督ごとに結末やディテールが異なるため、見比べてみるのも面白いかも!
なお本記事で紹介しているケネス・ブラナー版映画『オリエント急行殺人事件』(2017)が現時点(2020年10月2日時点)では最も新しいため、今の人の心を捉えやすいと言えそう。
Filmarksに集まる評価&レビューは?
Filmarksで53,000Mark(※2020年10月2日現在)を超える本作。寄せられたレビューを見てみると、「キャストは名優ぞろい。」「キャスティングが凄い良かった」などとにかく豪華すぎるキャストに興奮しているレビューが多くあった。特に、「おじさまカッコイイ…」など主演で監督も務めるケネス・ブラナーに魅了された方が多い印象!
また「ラストは悲しみの後に優しい光が差し込むような余韻がある。」「これぞミステリーの原型!」「どんでん返しに全員が騙される。」「これからはどんどんミステリーにハマりそうな気がします」など、ストーリーの巧みさに唸った人も多かった様子。約90年前の原作小説が、今もまだ人に影響を与え続けるのは流石“ミステリーの女王”! ミステリーの秋に欠かせない一作になりそうな予感……。
気になる続編は?
ケネス・ブラナー版「名探偵ポアロ」シリーズは、続編『ナイル殺人事件』の公開が12月に予定されている。アガサ・クリスティ生誕 130 周年、そして名探偵ポアロシリーズ出版 100 周年という記念すべき年に公開ということもあり、期待度が高まる。原作はクリスティ作品の中で、名作の呼び声が高い「ナイルに死す」。パワーアップしたポアロからますます目が離せない!
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※2020年10月2日時点の情報です。