レンタルショップの影に潜む…ファンなら必見!劇場未公開のアメコミ映画リストアップ

ハットを被ったドールホラー愛好家

Nekubo

バットマン、スーパーマン、スパイダーマンにX-MEN…。これまでに制作されてきたアメリカンコミック(アメコミ)原作の映画は数知れず。今や“アメコミ映画”という一つのジャンルとして確立したと言っても過言ではありません。

そんなアメコミ映画をもっと広く知りたいと思いませんか? なにもアメコミ映画は日本の劇場で公開されるようなスパイダーマンやバットマンだけではないのです。

というわけで、アメコミ映画をもっと知りたい! という方々のために、ビデオレンタルショップの片隅で埋もれてしまっている劇場未公開のアメコミ原作映画を教えましょう!

ザ・スクリブラー(2014・アメリカ)

the scribbler

(C) 2013 Consealed, LLC

あらすじ

スキ(ケイティ・キャシディ)は多重人格障害を患っている。これまで精神障害者施設の独房のような環境で過ごしていた彼女だったが、幾度の多重人格消滅実験を経て、漸く独房生活から解放される。

次に彼女が暮らすこととなったのは、社会不適合者が集められて暮らす“ジュニパー・タワー”という高層ビルだった。ここではある程度の自由な生活が許された。

彼女が生活を送るうえで義務付けられていたのは、携帯式の重複脳消滅装置の定期的な使用と主治医であるシンクレアの訪問診断。そして、ジュニパー・タワーの住民達の中にある暗黙のルール“階段を使わないこと”だけ…。

社会復帰を夢見てスキのジュニパー・タワーでの生活が始まった。しかし、彼女が引っ越してきたその日から住民の飛び降り自殺が多発する。

住民の自殺の原因には自分の中に存在するもう一人の人格“スクリブラー”が関係しているのではないか?そう考えはじめたスキはスクリブラーを消し去ろうと積極的に重複脳消滅装置を使うようになるのだが…。

解説と紹介

本作はイメージ・コミックス(アメコミの出版社。代表作にはトッド・マクファーレンの『スポーン』等)の同名グラフィックノベル(基本的には薄い冊子であるアメコミを一冊の単行本にまとめたものを指す。)を原作とした作品です。脚本も原作者であるダン・シェイファーが務めています。

主演はケイティ・キャシディ。彼女はDCコミックスのスーパーヒーロー『グリーン・アロー』を原作としたTVドラマシリーズ『アロー』のメインヒロインであるローレルを演じていることでもちょっぴり有名ですね。

日本版のDVDジャケットには“超人<スーパーヒロイン>覚醒!” なんて謳い文句とともに、いかにもアメコミ・ヒーローを思わせるデザインが施されていますが、実際の中身はスリラー映画。

物語は主人公のスキが心理分析官のジェニファーと刑事のモスという二人組にジュニパー・タワーで起きた変死事件に関する事情聴取を受けているところから始まります。

映画の構成としてはその事情聴取から過去を遡っていくことで、スキの中に潜むもう一人の人格“スクリブラー”とは何者なのか? とかジュニパー・タワーの変死事件の真実とは? といった謎が明かされていくというもの。

変死事件の謎を解き明かすサスペンス部分にはそんなに捻りも無く、比較的早い段階で、実はそれがジュニパー・タワーに住む何者かによる犯行であることが分かります。そして“誰が犯人なのか?” ということも勘が良い人ならばすぐに検討が付いてしまうかも。

とはいえ本作の魅力というのはそのサスペンス部分よりも主人公スキとスクリブラーの関係性やスクリブラーの正体そのものにあると私は思うので、そこにシフトして観ていると非常に面白い映画なのではないかと。かなりニッチではあるけれど、独特の世界観を持ったアメコミ映画です。

ファウスト(2000・アメリカ/スペイン)

あらすじ

ある日の夜。画家であるジョン・ジャスパースは最愛の恋人ブルーとともに幸せなひと時を過ごしていた。しかし、悲劇は突然訪れる。

実は密入国のためにギャングの手を借りていたブルーだったが、その手助け料を払っていないと因縁をつけられ、二人の過ごす家にギャングの取り立てがやってきたのだ。すぐに支払える金もあるはずがなく、裏切り者と見做されたブルーはジョンの目の前で殺された。

ジョンの中には怒りと悲しみしかなかった。自殺を考えてか橋の上で立ちすくむジョン。そんな時、謎の男が彼の前に現れる。謎の男はMと名乗った。

ジョンの怒りと悲しみを知ったMは、自分と契約を結べば復讐の力を授けると言う。ジョンは最愛の恋人ブルーを殺した奴等への復讐を果たせるならばと迷わずにMと契約を交わす。

そして手に入れた復讐の力…。悪魔の化身“ファウスト”に変身したジョン・ジャスパースは“ザ・ハンド”なる武器を持ち、復讐の街へと繰り出すのだった!

解説と紹介

本作も同名(“FAUST: Love of the damned”)アメコミを原作とした映画です。これは先に紹介した『ザ・スクリブラー』とは違ってストレートなダークヒーローの物語。

悪魔と契約してスーパーパワーを手に入れるも、その契約に納得がいかず悪魔と戦う道を選んだ主人公の物語という部分ではMARVELコミックスの『ゴーストライダー』やイメージ・コミックスの『スポーン』に近いものがありますね。

このダークヒーロー“ファウスト”を映画化したのはホラー映画界の巨匠ブライアン・ユズナ監督(『バタリアン・リターンズ』等)。

特殊メイク・特殊造形を務めているのが大阪府出身の日本人アーティストであるスクリーミング・マッド・ジョージ(『プレデター』や『ゴースト・ハンターズ』等)ということで、知る人ぞ知るクリエイターが集結した作品でもあります。

まさに本作の見所はそこにあり! 現代のアメコミ・ヒーロー映画のようにバリバリのCG技術を駆使したVFX満載の特撮ではなく、スクリーミング・マッド・ジョージの手によって生み出された造形物や特殊メイクといういわゆる“作り物”が多数登場する特撮映画に仕上がっているんです。

また、ブライアン・ユズナ監督の手腕によりアメコミ・ヒーロー映画としては異色のスプラッター映画にも仕上がっています。

そういう意味では観る人を選んでしまうのかもしれませんが、アメコミとホラーという二大要素を組み合わせた映画ですので、この手の要素が好きな方にはオススメです。

MAN-THING マンシング(2005・アメリカ/オーストラリア)

manthing

あらすじ

新任の保安官としてアメリカの田舎町“バイウォーター”にやって来たカイル(マシュー・レ・ネヴィス)は、着任早々この町で多発する不可解な行方不明者続出事件を調査することに。

また、その一方では町に石油製油所を建てたフレデリック・シストの一派と、古くからそこに住む先住民達とのあいだで衝突が起きていた。衝突の原因はシストの建てた製油所が先住民にとって“古からの聖なる地”である“沼”の環境を破壊していることにあった。

シスト率いる製油会社と先住民を含めた町民との衝突を止めに入ったカイルはそこで沼を守ろうと立ち向かう小学校教師のテリー(レイチェル・タイラー)と出会い、彼女の紹介によって先住民の一人であるピートという男に出会う。

そして、ピートはカイルにこう告げた。「アレが待ち構えているぞ…。」

そんな時、カイルの元に検視官からの連絡が入る。行方不明者の死体が発見されたというのだ。急いで検視官の元に駆けつけたカイル。彼がそこで見た行方不明者の死体は、まるで身体の内側から生えてきたかのような、身体中から木の根やツタが飛び出した想像を絶する姿をしていたのだった。

解説と紹介

あらすじを読んでいただければ分かるかもしれませんが、本作はモンスターホラー映画です。なんと原作は『アベンジャーズ』シリーズでもすっかり有名となったMARVELコミックスの作品。原作のタイトルも“MAN-THING”です。

スパイダーマンやX-MEN等ヒーロー作品が多いMARVELにとってマンシングはかなり異色のキャラクターですが、原作ではスパイダーマンやデッドプールと戦ったこともあるという戦歴の持ち主でMARVELの世界では代表的なキャラクターの一人。

では、この映画のマンシングはどのような活躍を見せてくれるのでしょうか?

まず、最初にハッキリと言ってしまいます。

この映画におけるマンシングの登場シーンは、本編時間約90分という中のたった5分くらいしかありません!

先述したように本作はモンスターホラー映画です。つまり主人公はマンシングというよりも新任保安官のカイルの方。この映画の中のマンシングは製油所によって荒らされる“沼”の守り神として登場します。

守り神とはいえ意思疎通の出来ない怪物なので、沼に足を踏み入れる者はすべて敵!くらいにしか考えてなさそう…。製油所を建てた諸悪の根源であるシストはもちろんですが、沼を守ろうとしている先住民であろうと主人公であろうと視界に入れば襲ってきます。

とはいえ、映画全体の約5分程度しか登場シーンがないので、マンシングが全貌を現し画面いっぱいに暴れまわってくれるのは、ほぼ終盤のクライマックスのみ! そんなんで面白いの? と思う人も多いとは思います…。しかし、見所は結構あるんです。

例えば物語の重要な舞台となる“沼”のシーンはたびたび登場しますが、その沼の雰囲気の作り込みがとても良い! とにかく不気味! でも、どことなく幻想的。深緑を基調とした沼の映像表現と、どこかにマンシングがいるかもしれないという恐怖感はこの映画ならでは。

また、マンシングそのものの造型や、クライマックスで全体像を現したときの迫力はなかなか見応えがあります。そこからのマンシング大暴れ、そして制御できない怪物が目の前にいる恐怖というのも、シーンとして大いに盛り上げてくれますよ。

本作の制作会社がホラー映画ファンなら誰もが知っているであろうライオンズゲートですので、そういった意味でもホラーとしての映像や造型に関してはかなり力が入っています。

スパイダーマンやX-MENの世界だけではないMARVELコミックスのキャラクターを見てみたい人におすすめです。

まだまだあるよ!劇場未公開のアメコミ映画リスト

ここまで代表して三作品を紹介しましたが、惜しくも日本では劇場未公開となってしまったアメコミ映画はまだまだありますので最後にタイトルと簡単な紹介だけをしていきます。

『ジョナ・ヘックス』(2010・アメリカ)

jonah hex

DCコミックスの同名タイトルを映画化した作品です。ジャンルとしては西部劇ですがコミックが原作でもあるのでファンタジーに片足を突っ込んでいます。主演はジョシュ・ブローリン。その他、ミーガン・フォックスやジョン・マルコヴィッチ、ミヒャエル・ファスベンダーとキャストは豪華なのですが、残念ながら日本での公開は見送られてしまいました。

『スパークス』(2013・アメリカ)

sparks

同名の原作コミックスを映画化したハードボイルド・ヒーロー映画。1920年に隕石が落下し多数の死者を出した後のニューヨークを舞台に、隕石落下とは関係のない主人公スパークスが両親の死をきっかけに自警活動に目覚める。そこでラヴロマンスがあったり、裏切りがあったり…というドロドロしたドラマに発展するという意外な世界観を見せてくれる作品です。

“アメリカン”なコミックではない世界のコミック映画

『サンダー・ソード 聖杯と暗黒魔王の騎士団』(2011・スペイン)

captain thunder

ヨーロッパで人気のコミックスを実写映画化した作品。1291年の聖地ハイファを舞台に、リチャード王に仕えた十字軍騎士サンダーの活躍を描いたアクション映画。制作費に一千万ユーロを掛けているそうで、なかなか見応えのある作品でした。

『アントボーイ』(2013・デンマーク)

デンマークの同名コミックスを映画化した作品。これまで地味な少年だった主人公ペレがアリに噛まれた事で超人的な力を手に入れるという実にストレートなヒーロー映画。王道のストーリー展開ではありますが、いたって作りは真面目。主人公が小学生ということもあって、幼い子でも安心して楽しめる映画です。私としてもお勧めの一本。

今後のアメコミにも期待!

この先も『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』や『デッドプール』といったアメコミ超期待作品の公開が迫っています!劇場で公開される大作だけじゃなく今回ご紹介したような影に隠れてしまっている良作もぜひチェックしてみて下さい!

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  • ぴーと
    2
    いやぁよくわからなかったなぁ…。”超人覚醒”がくるまでが長くダラダラしすぎていたような気がする…何度か観るの途中でやめようかなぁと思ってしまうほどに。 コミックなのかと思ったらグラフィックノベルっていうやつなんですね。 ほぼビルの中だけで展開していくのは独特な世界観をつくりもするけど世界観の狭さも同時に感じてしまう。 衣服恐怖症?とかで常に全裸のエミリーが視聴者サービス要員だったけどもどちらかっていうと主人公のスキの方がムッチリとしていていい身体をしていた気がする。 多重人格って感じがあんまりしなかったのと若干製作者のひとりよがり感がひっかかってしまうかなぁ~。
  • ひーちゃん
    -
    面白くなかった‼️
  • ky31
    -
    ラストの超人バトルまで、これがSF作品の棚に置かれてる作品だと思えないほどただのサスペンス物 原作グラフィックノベルだという前知識ないとわからんね
  • きそじろう
    1.6
    コスチュームのダサさとか、バトルの残念さとか、間延びした時間とか、悲しいことはたくさんあるけれど、犬はかわいいよ。
  • My
    2
    ポスターが大嘘。フライパンを持ってにじり寄るシーンが面白かった。
ザ・スクリブラー
のレビュー(152件)