映画『名探偵コナン絶海の探偵(プライベート・アイ)』に登場するイージス艦やあの国の正体とは?気になるポイントを徹底解説!【ネタバレ】

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ネジムラ89

映画『名探偵コナン絶海の探偵(プライベート・アイ)』に登場するイージス艦のモデルは?あの国とはどこ?気になるポイントをネタバレあり徹底考察。

2013年に劇場公開された劇場版名探偵コナン第17作目が名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)

イージス艦を舞台にしたスパイミステリー映画に挑んだ作品となっており、海上という制限された環境でコナンの奮闘する姿が描かれる映画となっていました。

とはいえ、イージス艦などあまり身近ではない存在が舞台となっているため、映画の各所でいろんな疑問が浮かんだのではないでしょうか。今回はそんな名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』について、知っているとより楽しめるポイントをいくつか紹介していきます。

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』(2013)のあらすじ

コナンたちは、イージス艦「ほたか」の公開演習体験に当選し、多くの一般人と共に体験乗船に訪れていた。乗船の際に、携帯電話を預けることになってしまう中、コナンは阿笠博士の作った衛星電波に夜通話が可能な腕時計を駆使して、陸地で別行動を取っている博士や灰原と連絡を取っていた。

そんな中、公開演習の最中に突如イージス艦はどこかの船からの攻撃を受けるのだった。なんとか難を逃れ、乗船していた一般人には気づかれないよう、デモンストレーションの一環ということになったのだが、コナンは深刻な事態に感づいていたのだった……。

※以下、『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』のネタバレを含みます。

※、以下『名探偵コナン 絶海の探偵』と記載します。

櫻井武晴が劇場版名探偵コナン初参加!

名探偵コナン 絶海の探偵は、脚本家として初めて櫻井武晴が劇場版名探偵コナンシリーズに参加した記念すべき作品。この作品をきっかけに、『名探偵コナン 業火の向日葵』(2015)、『名探偵コナン 純黒の悪夢』(2016)、『名探偵コナンゼロの執行人』(2018)と続々と劇場版名探偵コナンシリーズの脚本に参加していくことになっていきます。

櫻井武晴といえばもともと、テレビドラマを中心に活躍していた脚本家。本作に携わる以前は、「科捜研の女」シリーズ『ATARU』といった人気ミステリードラマに参加されていました。これらのドラマが好きという人は、前述の映画群とは相性が良いかもしれませんね。

今や20作以上続く劇場版名探偵コナンですが、いまだに新鮮味のある題材や驚きの展開などが登場するのは、こうしてアニメ制作とは別分野から制作に参加するメンバーが居ることも影響しているかもしれませんね。

イージス艦とはいったいなに?

名探偵コナン 絶海の探偵では、イージス艦が舞台となる映画となっていました。冒頭でも、登場人物たちが疑問に思っているように、イージス艦という言葉すら馴染みがない人がほとんどではないでしょうか。改めて、イージス艦とはどんな乗り物なのかをおさらいしておきましょう。

イージス艦とは、探知や情報処理さらには攻撃設備などを搭載した艦艇のこと。イージス艦の“イージス”とはアメリカ海軍が開発したイージスシステムから来ています。1990年代前半から護衛艦として日本での導入が始まって、「こんごう」「きりしま」「みょうこう」と続々と就役していくことになります。

イージス艦の仕事は、日本を防衛すること。イージス艦は空・海上・海中それぞれから攻めてきた対象を識別したり、迎撃する能力を持っています。戦力の不保持が定められている日本にとっては、国を守るための要とも言える存在なわけです。

今回、情報の漏洩などへの危機感を煽るシーンがありますが、スパイへの情報の流出は、まさに国の平和を脅かす危険が感じられる事態となっていたわけです。

リアルなイージス艦描写は取材の賜物?

情報が漏れるようなことがあってはいけないイージス艦。よくぞそんな情報機密の塊みたいな存在を舞台にしたなぁ、と感心してしまいますが、それもそのはず、なんと今作は防衛省や海上自衛隊が制作に完全協力してくれているという豪華な作品。冒頭で語られている通り、実際のイージス艦の内部や甲板といった、滅多に見られないイージス艦のディテールを知れる貴重な作品でもあるのです。

ちなみに映画に登場する“ほたか”は架空のイージス艦で実在はしません。しかし、実際に存在するイージス艦「あたご」を取材して制作されていることもあり、映画のエンドロールでは、実際のあたごの姿を観ることができます。どれだけ作中のほたかの描写がリアルなものなのか、すぐに確認できますよね。。

映画では隠される「あの国」の正体とは?

名探偵コナン 絶海の探偵でも印象的なフレーズとして登場するのが“あの国”という言葉。イージス艦に潜入したスパイがどこの国の人間なのかも明らかにされない上、なんども登場キャラクターが代名詞で表現するので、余計に違和感を感じてしまう人も多いようです。やはり気になるのは、あのスパイがどこの国のスパイなのかということです。

もちろん、ここに答えはないというのが正解となるでしょう。わざわざ仮想敵国を作るような必要もなければ、どこの国であるかは映画の物語上、重要ではありません。そもそも明言してしまったらプロパガンダ映画になりかねないですよね。だからこそ、映画ではどこの国かは明言されていないわけです。

とはいえ、そのおかげで時勢によってその“あの国”がいろんな国として見られるのは、この映画の良いところかもしれません。未だ世界から戦争はなくなっていない状態を思うと、いつ何時、日本が外国から攻められてもおかしくないです。日本が日々危険に晒されている状況であることを改めて思い出させてくれる映画と言えるかもしれません。

ただし、国単位で敵・味方を想定するのも考えもの。どこの国だって悪いことを考えている人もいれば、平和や共存を望んでいる人がいるものです。どこか特定の敵対国がある……というような考え方が強まってしまい差別といった領域に踏み込まないようにはしたいところですよね。

電波時計の電波は探知できるの?

ちなみに映画を観ていて他にも気になるポイントがあったのではないでしょうか。それは映画のクライマックス。海に落ちてしまった蘭を探すべく、イージス艦のレーダーを使って、蘭の電波時計を探知するというシーンです。イージス艦がすごい性能を持った艦艇だからこそ、なんとなく納得させられてしまいましたが、実際にあのように電波時計の電波を探知ことは出来るのでしょうか。

答えはNO。そもそも電波時計は、電波を受信するのみで自分から電波を発信する仕組みはありません。電波時計などで使われる電波とはイージス艦が探知する電波の周波数とも異なるため、映画で使われるような捜索方法は実際にできないのですね。つまりこの点は映画を盛り上げる演出として用意された部分だったわけです。イージス艦が高性能なのは間違いないですが、さすがに海に浮かぶ電波時計を見つけることはできないのです。

実際の海での遭難者の捜索には、航空機から目視で捜索したり、赤外線カメラを用いるようです。電波時計のような受信器ではなく、しっかり電波を発信する機械も存在するので、海での遭難に備える際はそれらのアイテムが有用となりそうです。

そういえば映画で登場したもう一つの蘭の目印となった毛利小五郎の金色の大量の名刺。あれなら目視での捜索には効果的なので、海へ行く際はキラキラのド派手な名刺を携帯していくのは有りなのかもしれませんね。

普段は知ることもなかったような日本のことや、国のこと、さらには科学的な知識まで、深掘りしていくと多数の学びがあります。劇場版名探偵コナンシリーズはこういったところも魅力の一つですよね。

※2020年11月13日時点の情報です。

(C)2013 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

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