映画『名探偵コナン11人目のストライカー』には実在の人物が登場している?サッカーとコナンの繋がりは?徹底解説【ネタバレ】

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ネジムラ89

映画『名探偵コナン11人目のストライカー』を徹底解説。サッカーとコナンの繋がりや、Jリーグ20周年記念プロジェクトとのコラボレーション内容などネタバレありで紹介。

2012年に公開された劇場版名探偵コナンシリーズの第16弾が名探偵コナン 11人目のストライカーです。本作では犯人によってスタジアムに仕掛けられた爆弾を、コナンがなんとかして被害を抑えようと奔走する作品となっています。

サッカーがテーマという作品はもちろんいろんな要素がシリーズでも独特の映画となっているのですが、どういったところが特別な作品なのかや、サッカーに対してあまり詳しくない人には気になる“あの人”は誰なのかといったポイントを紹介していきますね。

名探偵コナン 11人目のストライカー』(2012)あらすじ

毛利探偵事務所に、突如爆破予告の電話がかかってくる。最初は半信半疑だった小五郎だったが、電話の指示を受け、事務所のそばを眺めると近くに駐められていた車が突如爆発するのだった。ただのいたずらではないと悟った小五郎。電話の犯人は新たな爆破予告をする。

“青い少年と青いシマウマ 上からの雨 下から人が左手で そのまま示すのは左の木”
その難解な手がかりに困惑する小五郎だったが、肝心のコナンはその頃、Jリーガーたちによる子供向けのサッカー教室に参加しているところだった。

※以下、『名探偵コナン11人目のストライカー』のネタバレを含みます。

コナン史上最多!?実在の人物の出演!

名探偵コナンのTVアニメシリーズでは、これまでも多くの実在の人間が登場してきている作品なのですが、本作では劇場版シリーズでは珍しく実在の人物が多数登場している作品となっています。

それがサッカー選手の面々。Jリーグ20周年記念プロジェクトのコラボレーション企画として、横浜FCの三浦知良、ジュビロ磐田の遠藤保仁、同じくジュビロ磐田の今野泰幸、川崎フロンターレの中村憲剛、そして現在は引退している楢崎正剛の5人が登場し、本人が声優も務めています(2020年現在の所属チーム)。

忘れてはいけないのが本作ではそれ以外にも、実在の人物が登場している点。作中に登場する「情報ライブミヤネ屋」のシーンに登場する宮根誠司も、ご本人が声を担当。また、インタビューをしている女性は芸能人の足立梨花であり、こちらもご本人が声を担当しています。

犯人の爆破予告が示す“青い少年と青いシマウマ”の青い少年が示している、マスコットキャラクターであるガンバボーイも、実在の人間ではないものの実際に存在するキャラクター。青い髪が特徴的な人型のガンバ大阪のマスコットキャラクターであり、こちらもある意味実世界からのゲストとなっています。

ちなみに一方の青いシマウマが示す、東京スピリッツのマスコットは架空のキャラクター。東京スピリッツ自体が名探偵コナン内でのみ登場する架空のチームなので、コナンの世界の人が解くのは不可能な暗号であることがわかります。

三浦知良とは何者なのか

多くのサッカー選手が登場する中でも、映画のなかで特に重要な活躍をするのが三浦友和です。“杉並運動公園 午前6時 K.K”というメモを頼りにコナンが三浦知良と遭遇し、そこで一緒にサッカーをする印象的なシーンがありました。

サッカーに精通している人ならば知るように、K.Kが示しているキングカズという愛称は実際に三浦知良が呼ばれているニックネーム。1993年のアメリカW杯出場をかけて行われたアジア最終予選で、当時最下位に陥っていた状況下で迎えた北朝鮮との試合で自身によるシュートによる2点と、アシストによる1点で3対0の快勝に導きます。さらに続く韓国との試合では、三浦の得点により1対0の勝利を納め、日本チームを最下位から挽回させた立役者として、この愛称が生まれていくことになります。

その年のアジア最終予選は結局、“ドーハの悲劇”と呼ばれるイラクとの試合で引き分けを迎えたことで、得失点差による予選敗退をするわけですが、当時は日本初のW杯出場が目前となっていたことや、多くの人の印象に強く残る存在となっていました。

しかも驚かされるのが、Jリーグが開幕された当初から活躍しており、すでに53歳という年齢でありながらも2020年現在でも現役で活躍している選手ということ。日本におけるサッカーの歴史の生き字引とも言える存在なのです。

幅広い層に認知されていることや、その功績からも、日本のサッカー界を代表する存在として映画でフィーチャーされるにはまさに適任なのが彼だったわけです。

映画の歓声も実際のスタジアムで収録していた!

実際の人が声を務めているといえば、スタジアムが舞台となる本作では、サッカーを観る観客の歓声も実際のサッカーの試合で収録したものが起用されています。

2011年に開催された「FUJI XEROX SUPER CUP 2012」ではその年のシーズンJ1の王者である柏レイソルと第91回天皇杯王者のFC東京の戦いが繰り広げられ、その際にコラボレーションイベントとして公開歓声アフレコを実施。スタンドの前にマイクを設置することで、試合中の歓声を収録して、それを映画に使用するという試みが実施されました。

この試合では「名探偵コナンシート」という特別席も限定3,000枚が販売されました。チケットが原作の青山剛昌が手がけたデザインになっていたり、プレゼント付きの謎解き要素なども設けられていたりと、コナンファンにはより嬉しい企画が盛りだくさん実施されました。

密接なコナンとサッカーのつながり

これだけサッカーと密接な作品となると、普段のミステリー要素や恋愛要素に注目が集まる名探偵コナンの雰囲気とは違った印象を受けるかもしれませんが、今作までサッカーモチーフの映画が登場しなかったことが逆に不思議なくらい、以前からコナンとサッカーの繋がりは強かったりします。

キック力増強シューズというアイテムでコナンが、強力なキックが使えるということは、数々のアニメや映画で見せてきているので、多くの人が知っていることだとは思いますが、実はもともとコナンもとい工藤新一はサッカーが得意スポーツであったことは知っていましたか?

作中でも、サッカーに強い興味を示しているように、もともと工藤新一は大のサッカー好き。中学生の頃はサッカー部に所属しており、1年生でいきなりレギュラーのミッドフィールダーに選ばれるほどの実力者で、Jリーグにスカウトされるほどだったという過去を持っています。そんな実力者でありながら、サッカー部は途中でやめているのですが、入部していた理由が探偵に必要な運動神経を養うためだったというのだからなお驚き。

「天は二物を与えず」とは言いますが、新一は推理力も運動神経も与えられていて羨ましい限りです。

サッカー界との大胆なコラボレーションに加えて、実在の人物とコナンの交流、さらにはクライマックスには少年探偵団の協力プレーまでが盛り込まれた、そのほかの映画では見られない“いつもと違う”コナンが詰まった劇場版が名探偵コナン 11人目のストライカー』という作品でした。

(C)2012 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

※2020年11月19日時点の情報です。

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