『ハウルの動く城』の原作者としても知られるダイアナ・ウィン・ジョーンズの同名児童文学が原作。宮崎駿が企画を手掛け、『ゲド戦記』などで知られる宮崎吾朗が映像化。スタジオジブリ初の長編3DCGアニメーションに挑んだ本作は、ジブリのヒロイン像を覆す“したたか”な少女が主人公。本作のあらすじ&キャラクター・見どころをご紹介します。
映画『アーヤと魔女』(2021)あらすじ
舞台は、1990年代のイギリス。主人公は10歳の少女アーヤ。赤ん坊の頃から孤児として育ったアーヤは、誰もが自分の思いどおりにしてくれる孤児院での生活がとても快適だった。だから、誰かに貰われたいなんて、一度だって思ったことが無かった。
ところがある日、突然やってきた変てこな二人組、派手な女と長身の男に引き取られることになってしまう。「あたしの名前はベラ・ヤーガ。魔女だよ。あんたをうちにつれてきたのは、手伝いがほしかったからだ」。そう名乗った女に、アーヤは「じゃ、決まりね。おばさんが私に魔法を教えてくれるかわりに、私がおばさんの助手になったげる」と返す。しかし、ベラ・ヤーガはアーヤを助手としてこき使うばかり。いくら頼んでも、いくら仕事をがんばっても、一つも魔法を教えてくれない。魔女と一緒に暮らしている怪しげな男マンドレークは、食事時しか顔をみせない。いつも不機嫌そうで、口癖は「私をわずらわせるな」。
生まれて初めて“思いどおりにならない”壁にぶつかったアーヤだが、「よおし、負けるもんか」と反撃を始める。彼女の特技は周囲の人を操って、自分の思いどおりにさせてしまうことだった。
映画『アーヤと魔女』キャラクター紹介
アーヤ/声:平澤宏々路
憎たらしいけど、可愛いらしい、負けず嫌いな10歳の女の子。周囲の人を操って、自分の思いどおりにさせてしまう賢さと才能を持つ。本当の名前は「アーヤ・ツール」。そのことをアーヤは知らない。
ベラ・ヤーガ/声:寺島しのぶ
怪しげな呪文を作り、それを売って生計を立てている魔女。呪文作りの“手”としてアーヤを引き取る。アーヤには厳しく接するが、同居しているマンドレークに対しては酷く気を遣っている。かつてはロックバンド“EARWIG”のドラマー。
マンドレーク/声:豊川悦司
ベラ・ヤーガと共に暮らしている大男。小説家を生業としているらしい。いつも不機嫌で、口癖は「私をわずらわせるな」。怒ると歯止めが利かなくなる。かつてはロックバンド“EARWIG”のリーダー。
トーマス/声:濱田 岳
人の言葉を話す黒猫。ベラ・ヤーガが呪文を作るときに必要とされている使い魔。しかし、ベラ・ヤーガの作るマジナイが嫌いで、いつも逃げようとする。臆病な性格だが、意外と図々しい。
映画『アーヤと魔女』見どころ
「わたしはダレの言いなりにもならない」と、負けん気の強さで理不尽な大人達と戦い、自分の幸せを勝ち取りに行くアーヤの素直な振る舞いは、本作の大きな見どころのひとつ。旧来のジブリヒロインとは一味違う、“したたか”なヒロインが誕生しました。
一見わがままな女の子とも受け取れるアーヤの振る舞いですが、本作での“したたかさ”とは、ずるさではなく、自分らしく生きていくために必要なこととして描かれています。今を生きる子供たちが、少しでも自分らしくいるために「よおし、負けるもんか」とアーヤのように生きていってほしいといったメッセージが込められています。
持ち前の賢さを武器に試行錯誤し、時には媚を売り、時には反抗し、柔軟に立ち回るアーヤの姿は、本来人間が生きていく上で持つべき性質を多面的に写しだしているように感じ取れます。憎たらしいけど可愛らしいアーヤは子供たちを勇気付け、大人たちを元気付ける存在になるでしょう。
また、本作はスタジオジブリ初の長編3DCGアニメーションとなっており、今までのジブリのイメージを良い意味で脱却した、新たな挑戦の第一歩となっています。3DCGによって滑らかな動きで駆け回るアーヤや面白い魔法の数々を、ぜひ劇場でご覧ください。
映画『アーヤと魔女』作品情報
2021年4月29日(金)全国公開
公式サイト:https://www.aya-and-the-witch.jp/index.html
企画:宮崎駿
監督:宮崎吾朗
配給:東宝
(C)2020 NHK, NEP, Studio Ghibli
※2021年4月18日時点の情報です。