日本を代表するアニメ制作会社のひとつである「スタジオジブリ」。今回はFilmarksで人気のジブリ映画20本をまとめてご紹介。
『おもひでぽろぽろ』(1991)
高畑勲監督作。今井美樹、本名陽子、柳葉敏郎が声優を担当。
東京育ちのOL岡島タエ子は、休暇を取って義兄の実家がある山形へ出かける。小学5年生の時、田舎(故郷)がなくて寂しい思いをした記憶があった彼女は、当時の懐かしい思い出を次々と蘇らせていく。年下の青年トシオと出会い、農家の人々と触れ合う中で、タエ子は本当の自分を見いだしていく。
小学5年生の頃の想い出と現在が交差する、ノスタルジックな魅力満載の淡い回想録。
『借りぐらしのアリエッティ』(2010)
米林宏昌監督作。志田未来、神木隆之介が声優を担当。
小人の少女・アリエッティとその家族は、人間が住む古い家の片隅で、生活に必要なものを借りて暮らしていた。小人たちには、決して人間に姿を見られてはいけないという掟があり、“借り”に出かけるのも一苦労。しかしアリエッティは、病気の療養でやってきた少年・翔に姿を見られてしまう。
イギリスの児童文学『床下の小人たち』を原作に映画化。病弱な少年と、滅びゆく運命を背負った一族が出会い、かすかな希望を未来に託す物語。
『コクリコ坂から』(2011)
宮崎吾朗監督作。長澤まさみ、岡田准一が声優を担当。
1963年の横浜。港の見える丘にある下宿屋、コクリコ荘に暮らす少女・海は、高校の文化部の部室“カルチェラタン”の取り壊し反対運動に巻き込まれ、新聞部の少年・俊と出会う。徐々に惹かれ合っていく2人だが、実は運命的な繋がりがあることを知り、真相を探っていくことに…….。
「なかよし」で連載されていた少女マンガを映画化。高度経済成長期に生きる高校生たちの青春を描き出す。古き良き日本の港町で繰り広げられる恋物語。
『パンダ・コパンダ』(1972)
高畑勲監督作。杉山佳寿子、熊倉一雄が声優を担当。
おばあちゃんと二人暮しの少女・ミミ子は、おばあちゃんが遠くの町へ法事に行ってしまい、しばらく一人暮らしをすることに。そんなミミ子の前に、子パンダのパンと父パンダのパパンダが現れ、一緒に暮らすことになる。楽しく暮らすミミ子たちだったが、動物園の園長がパパンダたちを迎えに来てしまう。
日本に初めてジャイアントパンダが来て、パンダブーム真っ只中に公開されたアニメーション。天真爛漫な少女とパンダの親子の生活をユーモアたっぷりに描きだす。
『崖の上のポニョ』(2008)
宮崎駿監督作。ならゆりあ、土井洋輝が声優を担当。
海辺の町で暮らす5歳の少年・宗介は、ある日海からやってきたさかなの子・ポニョと出会う。2人はすぐに仲良くなり、ポニョは宗介を好きになる。しかしポニョの父・フジモトによって海に連れ戻されてしまい、ポニョは宗介のもとに帰るため、魔法を使って再び人間の世界を目指す。
アンデルセン童話の「人魚姫」をモチーフに、不思議な少女と少年の冒険をダイナミックな海の描写とともに描いたファンタジー作品。
『思い出のマーニー』(2014)
米林宏昌監督作。高月彩良、有村架純が声優を担当。
杏奈は喘息の療養のため、夏休みの間は田舎の親戚夫婦の家で療養することになる。しかし内気な杏奈は近所の子供たちと馴染めず、とっさに逃げ出してしまう。なぜか見覚えのある湖畔にたどり着き、そこに浮かんでいたボートに乗って対岸の屋敷へ渡ると、金髪で青い目をした不思議な少女・マーニーが杏奈を待っていた。
イギリスの同名児童小説を、北海道の湿地帯に舞台を変え映画化。少女のひと夏の不思議な出会いを描く。
『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)
高畑勲監督作。野々村真 、石田ゆり子が声優を担当。
タヌキたちがのんびり暮らしていた多摩丘陵では、人間による宅地開発が進んでいた。だんだんと住む場所を奪われつつあるタヌキたちは、残された土地の縄張り争いを繰り広げていた。このままではダメだと悟ったタヌキたちは、人間に宅地開発をやめさせるために化学(ばけがく)を駆使して、人間撃退作戦を試みる。
多摩ニュータウンの開発により、住む土地を追われるタヌキたちと人間の戦いをユーモラスに描いた、ファンタジーながらもリアリティ溢れる作品。
『かぐや姫の物語』(2013)
高畑勲監督作。朝倉あき、高良健吾が声優を担当。
山里で竹を取って暮らす翁はある日、光る竹の中から掌に乗るほど小さな姫を見つけ、天からの贈り物だと思い連れ帰る。姫は驚く程の速さで成長し、それは美しく育った。噂を聞きつけた貴族の男たちは次々と求婚するが、姫は求婚に応える条件として無理難題を突きつける。
高畑勲監督の遺作となる本作は、誰もが知る「かぐや姫」の物語を筋書きはそのままに、かぐや姫の罪と罰に焦点を当て、新たな真実を描き出す。
『On your mark』(1995)
宮崎駿監督作。
『耳をすませば』と同時上映された短編アニメーション。CHAGE and ASKAのシングル曲「On Your Mark」に合わせ、未来都市を舞台に警察官二人が羽の生えた少女を救出するSFアクション作品。6分40秒という短い作品ながらも、様々なメッセージが込められた世界観を展開させる。
『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999)
高畑勲監督作。朝丘雪路、益岡徹が声優を担当。
いしいひさいちの4コマ漫画を原作に、平凡な生活を送る山田一家の様々なエピソードを明るく描くホームドラマ。デジタル彩色でありながら水彩画のような味わいを出すため、作画枚数は『もののけ姫』を超える17万枚までになった。笑い所があれば泣き所もあり、日常の愛おしさを再認識させてくれる隠れた名作。
【文・タナカリオ】
『天空の城ラピュタ』(1986)
宮崎駿監督作。田中真弓、よこざわけい子、初井言榮、寺田農が声優を担当。スタジオジブリ初制作作品。
鉱山で働く少年パズーはある日、空から一人の少女が降ってくるのを見かけ、彼女を助ける。その不思議な少女はシータと言い、“飛行石“と呼ばれる不思議な力を持つ鉱石を身につけていた。二人は、その鉱石を狙う政府や海賊に追われることとなり、かつて地上を支配した伝説の天空島「ラピュタ帝国」へ誘われる……。
『風の谷のナウシカ』(1984)
宮崎駿監督作。島本須美、辻村真人、京田尚子が声優を担当。
地球が滅亡した後の世界を舞台に、風の谷で生きる人々と、巨神兵の戦いを描く。森が毒に包まれようとしていた頃、その原因となった巨神兵が復活してしまう。巨神兵を倒して、森を守るため、風の谷の王女ナウシカが立ち上がる。
『となりのトトロ』(1988)
宮崎駿監督作。日高のり子、坂本千夏、糸井重里、島本須美が声優を担当。
小学6年生のサツキと4歳のメイは、母の療養のために父と共に自然が豊かな田舎へ引っ越しをする。その引越し先には、子供にしか見えない不思議な生き物“トトロ”がいた。トトロを追いかけて、サツキとメイが冒険に出る!
『魔女の宅急便』(1989)
宮崎駿監督作。高山みなみ、佐久間レイ、戸田恵子、山口勝平が声優を担当。
魔女のキキは、13歳で一人立ちしなければならないという掟の元、生意気な猫のジジと共に、ホウキに乗って旅に出る。ある港町にたどり着いたキキは、店主に気に入られパン屋の仕事を手伝いながら、「魔女の宅急便」の仕事を始める。何でも吸収する、無邪気なキキの初めてだらけの冒険が始まる!
『紅の豚』(1992)
宮崎駿監督作。森山周一郎、加藤登紀子、桂三枝、上條恒彦が声優を担当。
賞金稼ぎの飛行機乗りポルコは、呪いによって豚の姿になってしまった。それでもなお、凄腕の飛行機乗りのポルコを、空賊たちはよく思っていない。アメリカから優秀な飛行機乗りがやってきて、ポルコと一騎討ちすることとなるのだが……。男たちの空への情熱を描くアニメーション映画。
『耳をすませば』(1995)
近藤喜文監督作。本名陽子、高橋一生、立花隆、室井滋が声優を担当。
本が大好きな雫は、毎日図書館に通っていたが、貸出カードに「天沢聖司」という名前がいつも書かれていることに気がつく。それから彼のことが気になり始めた雫だったが……。実際に会った彼は、意地悪で粗野な人だった!? 中学生の男女の淡くて真っ直ぐな恋心を描いた青春ラブストーリー。
『もののけ姫』(1997)
宮崎駿監督作。松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、小林薫が声優を担当。自然と人間の関係をテーマとし続けてきた宮崎駿の集大成的な作品とされている。
エミシの村に住むアシタカは、タタリ神に死の呪いを掛けられてしまう。呪いを解くため、森に旅に出たアシタカは、そこでタタラという村の人々と出会う。彼らは神々の住む村を壊そうとしていた。そして同時に、タタラ村の人に歯向かって、もののけ姫と呼ばれる女性・サンが戦っていることも知る。彼女は山犬に育てられた人間の子で、森を守っているのであった……。
『千と千尋の神隠し』(2001)
宮崎駿監督作。柊瑠美、入野自由、夏木マリ、内藤剛志が声優を担当。
10歳の少女千尋は、両親と引っ越し先へ向かう途中で、神々の世界に迷い込む。そして、両親は掟を破ってしまったため、豚にされ、千尋も帰り道を失い消滅しそうになるところをこの世界に住む少年・ハクに助けられた。途方にくれた千尋だったが、魔女・湯婆婆の経営する湯屋で働き、両親を助けて元の世界に戻る方法を探すこととするのだが……。
『ハウルの動く城』(2004)
宮崎駿監督作。倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏、神木隆之介が声優を担当。
父親の帽子店で帽子を作りつづけていた18歳の少女ソフィーは、ある日荒地の魔女の呪いで90歳の老婆に姿を変えられてしまう。動く白の持ち主で、男前だが弱虫な魔法使いのハウルと共に、ソフィーの呪いを解くため奇妙な共同生活を始める。
『風立ちぬ』(2013)
宮崎駿監督作。庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊が声優を担当。
大正から昭和にかけての日本を舞台に、戦争や震災などを通して、強く生きる人々を描いた作品。堀越二郎は、航空機の設計者。いつか自分の設計した、美しい飛行機を造りたいと考えていた。しかし、関東大震災に見舞われてしまう。二郎は、その震災中に出会った菜穂子と恋に落ちるが、彼女は結核になってしまうのであった……。
【文・くりすちな】
※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。