様々な考察が飛び交い、SNSを賑わせた『VIVANT』。「VIVANT」のない毎日にロス気分を味わうみなさん、また1から見直してみませんか? 改めて見返すとまた違った印象を味わえる本作。今回は、作中で判明したものから、謎のままになっていることまで、伏線シーンを総まとめ! Fの一貫した行動や、長野専務への疑惑、新庄の挙動、野崎に残る謎……。物語を振り返るもよし、新たな気付きを得るもよし!
*以下ネタバレを含みます。
「お前が俺を死なせねえ」乃木を守っていたFの行動
乃木だけに見えるもうひとりの乃木・F。幼い頃、過酷な経験をして消えてしまおうと考える乃木の前に現れ、生きようと励ました。バルカに向かう乃木に「俺がお前を死なせねえ」と宣言していたが、これまでのFの登場シーンを振り返ると、ピンチを救ったり、励ましたりと、乃木を守るために出てきていることがわかる。
◼︎砂漠で力尽きようとする乃木に、Fはスマホのライトをつけることを指示。ジャミーンやアディエルに発見され一命を取り留めた。(1話)
◼︎礼拝堂で眠る乃木にバルカ警察が近づいてきた時、心配そうに乃木のそばにいるF(1話)
◼︎日本大使館でナジュムに誤送金問題について乃木がやったかのように触れられ「だから俺のミスじゃねえって言ってんだろ!」と思わず叫んでしまうF(2話)
◼︎アド砂漠で柚木薫を探す乃木に対して、野崎との約束までの時間を逐一伝えて状況を知らせる。柚木薫には婚約者のアディエルがいるからと諦めさせようと試みる。(3話)
◼︎砂漠で柚木を背負いボロボロになった乃木に、「休め」と気遣う。(3話)
◼︎日本に帰国時、柚木が野崎の連絡先を聞いてきた時「もう乗り換えるのか、ショックだな憂助……」と思いやるような言動をする。(3話)
◼︎河合ら丸菱商事の面々に酷い扱いを受け、「クッソーむかつくなあ!」と感情をむき出しにする。(3話)
◼︎日本で薫に会おうとする乃木に「傷つく」と止めようとする。(3話)
◼︎ジャミーンの治療資金のためにクラウドファンディングの資料を寝ずに作成する乃木を心配する。(4話)
◼︎モニター山本の前に出て別班として喋ろうとする乃木を静止する。(4話)
◼︎乃木の疑惑が晴れ、これまで乃木に執拗に酷い言葉を浴びせた河合を言葉でうちのめす。(5話)
◼︎ノゴーン・ベキに会ってみたいと想いを吐露する乃木を「バカか!」と叱咤する。(6話)
◼︎「ベキを殺さないといけない」と言われ落ち込む乃木に、柚木薫に対する感情は愛なのではないかと教える。(6話)
◼︎柚木薫にメールを返さない乃木を問い詰める。死ぬ覚悟をしている乃木に「死なねえよ、俺がお前を死なせねえ」と伝える。(7話)
◼︎ノゴーン・ベキに別班の任務としてテントに潜入したことを「いうな! 殺されるぞ!」と必死に止める。(9話)
◼︎ノゴーン・ベキを公安に委ねる覚悟を決めた乃木に「苦しいよな。でもいずれこの時は訪れると覚悟していただろ?」とねぎらい、「正しい道を歩む」と改めて口にした乃木に「そうだ」と返した。(10話)
乃木に敵意むき出し? モニター・新庄の挙動
度重なる尾行の失敗に、新庄の正体は別班なのではないか? と考察する声もあった。そんななか、最終回でテントのモニターであることが判明。それを踏まえてこれまでの新庄を振り返る。
◼︎VIVANTを「別班」と読むのではないかと野崎が言及した時、ふと乃木が新庄の方に目線を向けると、乃木のことを厳しく睨みつける新庄が。公安として乃木を別班と怪しんでいたのかとも思えたが、テントの敵である別班への目線だったのかもしれない。(2話)
◼︎大宮駅で追跡中のモニター・山本を見失い尾行失敗する。(2話)
◼︎乃木の経歴を探る野崎にその理由を尋ねるが教えてもらえず「なんだよ……」と悪態をつく。(5話)
◼︎太田と乃木がいるアパートに入ることを野崎に止められ、データを隠蔽されると必死に突入を訴える。(6話)
◼︎公安の会議でノゴーン・ベキがバルカの内乱で命を落としたことになっていると聞くや否や新庄は立ち上がり救助の有無を問う。救助要請の記録が消されていると言われ、訝しげな顔をする。(7話)
◼︎乃木が別班だということは野崎と部長・佐野の秘密として扱っていたが、公安の会議で新庄は、乃木憂助は別班として父親を追っていたのか、と全員の前で発言する。(7話)
テントにまつわる伏線
テントを中心に展開した物語。1話からテントを匂わせるものが存在していたり、公式のXでの裏話も多かった。
◼︎GFL社を訪れるためバルカを訪れる乃木。GFL社とともにムルーデルの本社が映っていた。(1話)
◼︎乃木が目を覚ましたジャミーンとアディエルの家。9話で乃木が産まれた家だと明かされた。(1話)
◼︎乃木がアマン建設へ行きたいと伝えると、アディエルは訝しげな顔をする。アディエルはテントの一員ではないが、のちにノゴーン・ベキに育てられた孤児だったと判明した。(1話)
◼︎野崎に、テントは思想・信念が見えないテロ活動をする、と説明されたが、8話でテロ活動はすべて請け負いでただの仕事だったことが判明した。(1話)
◼︎ベキにアディエルの訃報を伝えるノコル。アディエルと知り合いであることが示唆されていた。ベキの「また一人にさせてしまったな」「悲しいことばかり起こるな、この大地は」は、自分の息子を一人にさせてしまったことと重ねての発言か。(1話)
◼︎テントの金を着服していたギリアムと銀行員パウロを始末したのは、テントとムルーデルのマネーロンダリングの証拠を消すためだった。(6話)
◼︎バトラカが部下のマタとシチに「何があってもノコルに犯罪歴をつけさせるな」と命令。これはのちにムルーデルとしてフローライト事業を引っ張っていくため、ノコルの身を潔白にしておく必要があったから。(7話)
◼︎バトラカが務める軍事会社PMSC Y2K。政府は民間の軍事力に頼っており、PMSC Y2Kはその7割を負担していた。10話でワニズに脅された際、効果を発揮した。(8話)
◼︎株の信用取引に成功した乃木。乃木を称賛する人々にノコルはつまらなそうに動画を見ている。公式のXでノコルが見ているのは「バルカちゃんねる」だと明かされる。(9話)
消えない憎しみ。ノゴーン・ベキの最期に関する伏線
最終回まで二転三転した『VIVANT』。特に8話〜10話で人となりを丁寧に描いてきただけに、日本でのベキらの行動には驚かされた。しかし、ノゴーン・ベキは常に先を見据えた行動をする人物であることが10話でわかる。これまでのセリフを改めて聞くとまた違った印象を受ける。
◼︎「私の知る日本は友人・隣人を大切にし助け合いの心を持つ慈しみ深い国だった。」と過去形で語り顔をしかめる。のちに憎しみは消えていなかったことが明かされる。(9話)
◼︎「日本への恨みなど無くなった。私が祖国を狙うわけがない」と笑みを浮かべる。(9話)
◼︎「黒須はどんな酷い目に遭わされても口を割らなかった。乃木は死を覚悟してここへやってきた。日本を守るため常に任務を全うする。だから生かす価値があると思った。」ベキが乃木の正体を知りつつ生かした理由のセリフ。「生かす価値」とは、ベキが日本に渡った後、日本のために自分を止めてくれるだろう、という意味にも取れる。ベキは別のシーンでノコルに「任務のため、大義のため、父親の命より国を守ることを優先する。憂助が私を殺すなら日本もまだまだ見どころがあるというものだ」と語っている。(10話)
◼︎「息子に命を奪われるなら本望だ」乃木らを解放した時に、ノコルに命を狙われるかもしれないのにと問われた時のベキの返答。この時点で最期を覚悟していたのか。(10話)
◼︎乃木に上原への復讐を止められるが「この憎悪は私の中から消えることはない」と言った後に頭を抑える。この行動が何を意味するのかは明確になっていない。(10話)
◼︎ベキの墓をバルカに建ててもいいかと聞くノコルに「皇天親無く惟徳を是輔く。花を手向けるのはまだ先にするよ」と答える乃木。「皇天親無く〜」は「天は特別親しい人を作らず公平で、徳を積むものを助ける」という意味。孤児救済をして徳を積んできたベキを指していると思われるが、ベキは生きているのだろうか? 真偽不明。(10話)
◼︎上原邸は炎上し、ベキ、バトラカ、ピヨの3人の遺体はすす同然で発見された。遺体は損傷が激しいため、身元の特定はできないものと思われる。果たして3人は本当に死んだのだろうか? 真偽不明。(10話)
善悪を見抜く、ジャミーンが笑顔を向ける人は
父・アディエルに「善悪を見抜く力があるのかも」と言われた奇跡の少女・ジャミーン。ダイジェストの中で、監督は「ジャミーンの笑顔が鍵になる」と言及していた。ジャミーンが最後まで笑みを見せなかった野崎。その理由は……?
◼︎アマン建設に向かう乃木に、笑顔をみせ抱きつく。アディエルは「カオル以外の人間に、こんな笑顔は久しぶりだ」と言う。以降、乃木にはずっと笑顔を見せている。(1話)
◼︎乃木一行がアド砂漠へ突入する前に目を覚まし、しばしの別れに柚木薫に泣きながら抱きつく。(2話)
◼︎日本で再会した柚木薫に泣いて抱きつく。(4話)
◼︎野崎が入院しているジャミーンを訪れるが終始寝ている。(4話)
◼︎野崎に話しかけられてもチラッと見るだけで無表情。(7話)
◼︎神田明神にて野崎に挨拶もせず柚木薫の後ろに隠れてしまう。野崎は「まだダメかぁ」と笑う。(8話)
◼︎ノゴーン・ベキの写真をみて微笑む。「すごく優しい人、お父さんみたいな人」と乃木に伝える。(10話)
考察を振り回す、怪しすぎた柚木薫
主要な俳優が別班・公安・テントの何かしらに所属する中、同じく二階堂ふみ演じる柚木薫も何かしらの組織の人間なのでは……? と考察を賑わせた。最終回の時点で、柚木薫はどの組織にも属している事実は確認できなかった。これまで視聴者を惑わしてきたテントとの接点を振り返りたい。
◼︎赤飯を食べ、「自分は日本人なんだとつくづく思ってしまう」と発言。9話でベキが赤飯を食べた際に「バルカに来て40年。つくづく私も日本人だな。」と同様の反応をする。(2話)
◼︎自分の身を危険に晒してでも必死に助けようとするジャミーンはアディエルの娘。アディエルはノゴーン・ベキと関係があることを1話から匂わされていたため、柚木薫もテントと関係があるのでは? と考察された。(2話)
◼︎柚木薫は3年前からバルカのWHI(世界医療機構)で医師として働いている。同じくテントも3年前からバルカの土地を買うため資金調達が過激になっていた。(2話)
◼︎砂漠で乃木に助けられた時に「ごめんなさい……」と呟く。意識朦朧としながら出た言葉にしてはどこか違和感があるセリフ。乃木に向けて謝ったのだろうか……? (3話)
◼︎6話で乃木の家を訪れ、急激に距離が近くなる柚木薫。7話では乃木と心を通わせる。二人で作った目玉焼きや動画は何かの伏線かとSNSなどで騒がれたが、特に意味はないようだった。(7話)
作中に点在する様々な宗教の描写
『VIVANT』では、様々な宗教や民族の描写がある。バルカという土地はロシア、中華人民共和国、モンゴル、カザフスタンに囲まれ、かつて土地を巡って争われていた歴史をもつ。その争いで孤児になってしまった子供たちをノゴーン・ベキは救済してきた。10話でベキは日本の宗教観に触れる。「日本では古くからありとあらゆるものに神が宿ると考えられてきた。神はひとつではないという考えがあることで相手の宗教にも理解を示し、違いを超えて結婚もする。」ベキはこの「考えの違う相手を尊重する美徳」を良しとし、これからのバルカを、「国の富を公平にわけ、お互いの宗教・民族を尊重する国」、「相手を敬い分かち合うことの素晴らしさをこの国に根付かせる」 と宣言した。これまで出てきた宗教や民族の描写も、ベキが掲げる理想への伏線になっていた。
◼︎「天照大神、イエス・キリスト、アブラハム アラーよ。誰でもいい、助けてくれ。俺はこんなところで死にたくねえ。」砂漠を彷徨う乃木(F)の無宗教者らしいセリフ。(1話)
◼︎アマン建設に向かう乃木にジャミーンとアディエルが「神のご加護があらんことを」と手を合わせ、乃木も手をあわせる。(1話)
◼︎「神様、娘だけはお助けを」アマン建設が爆発する寸前のアディエルのセリフ。(1話)
◼︎イスラム教徒が住むエリアに到着した野崎たち。礼拝堂で乃木はイスラム教のしきたりに合わせて祈りを捧げる。(1話)
◼︎アド砂漠へ向かう途中、イスラム系の土地を通るのでイスラム民族の衣装に身を包む乃木一行。(2話)
◼︎警視庁公安部が太田理保捕獲の作戦決行前に神棚に祈る。また、野崎の部下の鈴木は、十字を切る動作をする。(4話)
◼︎ドラムが手術後のジャミーンが目を覚ますのを独自の方法で祈る。(6話)
怪しいようで何もなかった長野専務。でもやっぱり……?
太田との関連を疑われ、取り調べまで受けた長野専務。取り調べ後に怪しい間があったり、小日向文世が演じているということもあり、何かあるはずだ! とSNSはいろめき立っていたが、最終回では登場すらしなかった。しかし、改めて振り返ってみると怪しいところがあるのも確かだ。
◼︎誤送金問題の渦中にいる乃木を料亭に呼び出し、アマン建設の話を聞く長野専務。ザイールの名が出た途端に反応し、どんな様子だったか、手がかりを残さなかったか、乃木を誰と間違えたかを聞き始める。その瞬間Fが登場し、長野専務を怪しみ始める。(3話)
◼︎太田と密かに連絡をとっていたメールアドレス「fox.777@jmail.com」。ノコルがモニター・新庄から受け取っていたメールのドメインも「jmail」であった。長野専務もモニターである可能性のひとつとして考えられる。(4話)
◼︎太田が入社したのは2年前。野崎は「社内の誰かがブルーウォーカーだと知って引き入れたのでは」と推測していた。太田を利用していたモニターは山本だったが、山本は組織の情報部に教えてもらったという。また山本はエネルギー事業部1課課長なため、財務部の太田を引き入れたとは考えにくい。太田を引き入れたのは長野専務の可能性もある。(4話)
◼︎長野専務は、防衛大学校に4年在籍した後、一橋大学大学院に入学するまで2年間の空白がある。この期間、薬物の更生施設で治療に専念していたという。この病院に在籍の確認をとったが、この確認をとったのが新庄の可能性があり、その場合、真偽が怪しい。(4話)
◼︎太田が黒須の元で別班に協力する際、なぜ長野専務と関係を持ったかを尋ねられている。黒須に「いざというとき守ってもらうためか?」と聞かれ「最初はそうだったんですけどね」とだけ答えている。長野専務は太田がブルーウォーカーだと知っていた? (6話)
◼︎山本が別班に始末されたあと、公安は山本の自宅を捜査する。その際、山本のPCに太田と長野専務の写真が保存されていた。太田は社内で複数の男性と関係を持っていたが、なぜふたりの写真だけがPCに残っていた? (5話)
振り返ると残る、野崎への疑問
10話で乃木と取引きし協力関係になった野崎。乃木からのメッセージの意図を読み取るなど、終始優秀な働きをしていた。公安としてブレなく頼もしい人物のように描かれていたが、改めて見返すと、1話で乃木をマークしていた理由に謎が残る。なぜ乃木を追っていたのか、続編の布石の可能性も考慮して振り返る。
◼︎ドラムを使い、バルカで乃木のバッグに盗聴器をつけていた野崎。その理由を「日本からきた商社マンがザイールと接触しようとしていると情報が入ったから」だと語った。しかし、盗聴器を付けた時点では乃木はサムに電話しておらず、ザイールの存在まで辿り着いていなかった。さらに、サムがザイールの存在を伝えた時、乃木はホテルの外で電話しており、盗聴器がついたカバンを持っていなかった。ザイールを尾行の理由にしている野崎の発言は嘘になる。(1話)
◼︎野崎が乃木に共同戦線を申し出た際、乃木の「いち民間企業の誤送金問題にそこまでするのか」という問いに対しては答えをはぐらかしている。(2話)
◼︎これまで乃木と一緒に行動していた野崎だが、「お前が別班? まさかな。」と言った後、乃木を置いて新庄と廊下を歩きだす。(2話)
◼︎日本にいる仲間に乃木のことを徹底的に調べさせている。(2話)
◼︎飛行機の中で乃木に別班の話をしながら、帰国後の身の振り方について「何も知らないバカなフリをしてるのが一番だ」と助言する。(3話)
◼︎日本にいる乃木のことを「警護」と言って鈴木や新庄たちとともに見張っている。(3話)
◼︎山本がモニターと判明し、ホッとしたような笑ったような表情を見せる乃木に一瞬眉を顰めたあと凝視しニヤッと笑う。(4話)
◼︎別班は国防の最先端を担っているため、正体を明るみにすることは国に不利益になる、という部長の意見に同意見だと伝える。(6話)
◼︎公安の会議で新庄が「乃木が別班」と口にした時に否定する。これは公式のXにて、「乃木が別班であることが明るみになると国防に関わり国益を害することになるから。公安と別班は敵同士ではなくやり方は違えど共に日本を守る機関です。」と語られている。(7話)
◼︎別班について言及する内閣官房副長官の上原に「これ以上は慎まれた方が。命取りになりかねません。別班はどこにいるかわかりませんからね」と告げる。(10話)
別班として動いていた乃木の伏線
冴えない丸菱の社員として振る舞いながら、任務をこなす乃木。その行動は1話から伏線たっぷり。公式のXの情報も踏まえて振り返る。
◼︎「だから中央アジアの無名の企業なんてやめとけって言ったんだよ」宇佐美が乃木に向けたセリフ。乃木は無名の企業「GFL社」に取引を持ちかけていた。山本がモニターだと発覚した際に、乃木はGFL社のアリをテントの関係者と睨んでつながりを持っていたことが明かされる。(1話)
◼︎GLF社にて、乃木が書類を床にばら撒き拾い上げる際に机に頭を打つ。その瞬間、アリのスマホの充電が一瞬切れる。乃木は机の下でアリのスマホにハッキングを行い情報を抜き取っていた。(1話)
◼︎バルカ国際銀行前でアリが戻ってくるまで乃木はスマホと充電器のような機械を見ている。実はアリのスマホから抜き取ったデータを転送していた。(1話)
◼︎乃木がアリの手首を掴んでスマホを落とし、そのスマホをダミーのスマホと入れ替えて渡していた。(1話)
◼︎ホテルで乃木とFが話しているとき、乃木が横を向き心配そうにして、Fが「大丈夫だよ」というシーンがある。乃木はドラムに盗聴器を付けられていたことに気づいていたため、サムへの電話を盗聴されないか警戒していた。(1話)
◼︎タクシーの中で写真を眺める乃木。この写真はノゴーン・ベキと家族の写真だった。別班ともあろう乃木がタクシードライバーに出し抜かれたのは、家族のことに気を取られていたからだった。また公式のXで「乃木は、両親の写真を持ち歩き、愛について考える時はいつも眺めています。」と語られている。(1話)
◼︎アディエルの家で、500gの小麦粉を手の上で測り、1kgまでは10gの誤差で測れるという謎の特技を披露した。その能力は8話で発揮。テントの運営する孤児施設でうるち米が不正に横流しされていたことを暴いた。また、ベキに黒須を撃つように命令された時も、銃の重さを計算し、黒須を撃たないようにしていた。(1話)
◼︎乃木がアマン建設に向かう前、警察に謝礼金を手渡している。その際、謝礼とは別に「例のもの」として3万円請求されているが、公式のXで、乃木は警察から拳銃を買っていたと明かされた。(1話)
◼︎自爆テロを起こそうとしたザイールを撃ったのは野崎だと思われてたが、一瞬早く乃木が撃っていたことが明かされた。このシーンをよく見ると、1撃目の銃撃があった後、乃木のアップとともに野崎の銃撃による光が映っている。(1話)
◼︎ザイールの「VIVANTか?」の発言を、野崎は「ビーパン」と聞こえたと乃木に伝えると、「ヴィヴァン」ではないかと乃木は訂正する。公式のXで「ビーパン」と「別班」と遠ざけるために乃木はわざと「ヴィヴァン」だと伝えたことが語られている。(1話)
◼︎日本大使館に到着後、別班に近づきだす野崎を警戒してか乃木は演技をしだす。パソコンの開け方が分からずオドオドしたり、丸菱商事内の犯人を特定しようとする野崎に社員たちを庇ったり。この前に、野崎から乃木を追跡していた理由を聞いていたが、その矛盾(野崎の章で解説)に気づいていたからか? (2話)
◼︎柚木に会おうと訪れた病院の中で踵を返して館内案内図を見るシーンがあるが、乃木を見張る警察に気付いたのでは? との見方もある。(3話)
◼︎野崎と東条が熱がるもんじゃ焼きを、乃木は物ともせず口に運ぶ。(3話)
◼︎3年前に乃木が乃木家を訪れた際に、家紋についてしきりに尋ねていた。この頃すでに別班として活動していた乃木は、別班の極秘情報共有ファイルにあったテントのマークが家紋と同じだと気づいていた。(5話)
乃木が感銘を受けた薫の行動
バルカ脱出の頃から、乃木は任務中にも関わらず薫とジャミーンを助けようとする。その行動は薫らが何かしらテントと関連があるからなのかと思われたが、最終回まで繋がりはなかった。しかし、乃木が「家族の愛情」に飢えた人物だったとわかった上で振り返ると、その行動の意図が見えてくる。
◼︎乃木がジャミーンと薫を助けようとする最初のきっかけは、野崎の反対を押し切ってジャミーンを助けようとする薫のシーン。薫が「誰にだっているでしょそういう人が!」と叫んだ時、乃木は薫をじっと見つめている。サムが家族を守るために入隊したことに憧れたように、ジャミーンのために看病しようとする薫に心を動かされたのでは。(2話)
◼︎同じく、ジャミーンの家でジャミーンを必死に看病をする薫、目を覚ましたジャミーンと一時的に別れる時に抱擁する2人に乃木は熱い眼差しを送っていた。(2話)
◼︎薫は、アディエルとジャミーンは家族同然だったため、何としてもジャミーンを助けたい、と話す。そんな薫に乃木は「素敵です」と伝える。(3話)
◼︎薫をみていると母を思い出すと薫に伝える乃木。人を愛することの素晴らしさを教えてもらったこと、この世界にはこんなに素晴らしいものがあるんだと、心から思えた、と口にした。(6話)
◼︎薫とキスをして泣く乃木。柚木薫を記憶の中の母と重なると言及していた乃木。家族の愛を求め続けていた乃木は、愛に触れ泣いてしまう。(7話)
テント潜入作戦にまつわる乃木や野崎の行動
別班としてテントに潜入していた乃木。この作戦は乃木、櫻井、そして野崎の連携プレーであったと明かされる。それまでの一連の行動の伏線を振り返る。
◼︎別班の作戦会議の際、和田は乃木とノゴーン・ベキとの関係を聞き、乃木の作戦参加は避けるべきと提言したが、櫻井は意見を押し切り乃木をリーダーに任命する。実はテント潜入作戦は乃木と櫻井だけで実行されていた。(7話)
◼︎テント潜入作戦では乃木は本名でバルカに入国する。野崎に理由を尋ねられると「そのほうが野崎さんが動きやすいと思いましてね」と告げる。(7話)
◼︎乃木は飛行機の中で「鶏群の一角 眼光紙背に徹す」と野崎に伝える。言葉の意味は「際立って優れた人、背後にある深い意味を読み取る」だと野崎は気付く。また、乃木の「スネイプ社との商談」を乃木からのメッセージだと受け取り、乃木をサポートする行動をとるようになる。(7話)
◼︎ドラムに付けられた発信機を使い、乃木はロシアのボスタニアを襲ったドライブインの場所を野崎らに知らせた。ドライブインで野崎は何者かからメールを受け取り、別班とテントが対面した場所に駆けつけた。野崎にメールを送ったのは櫻井であり、送信者を「リュウ・ミンシェン」にしたことで、乃木からのメッセージであることを伝えていた。(7話)
◼︎テントとボスタニアの合言葉を乃木が知っていたことについて、「メールの削除ボックスに残っていた」という乃木にSNSや考察メディアでは疑問の声が多かったが、その後、特に怪しいことはなかった。(7話)
◼︎別班メンバーを撃つ乃木。急所を外していたことがのちに判明。放送当時、黒須が銃弾を躱したのはテントだからか、と疑う声もあったが、黒須が自力で避けたことが判明する。(7話)
まだ隠れている? 別班の謎
◼︎乃木はノコルからの尋問に対し、「他の別班員には会ったことがない。ただ、世界中のありとあらゆる場所に潜伏している。その人数や潜伏先、指揮系統は全て不明。」と語る。実際に別班の作戦会議の際は、黒須と乃木以外初対面のようだった。(8話)
◼︎最終回で乃木に父・乃木卓の抹消された情報を渡した櫻井。乃木が去った後に意味深な間があったからなのか、櫻井はベキと知り合いなのではないか、乃木明美は生きていて現在の櫻井なのではないか、との考察の声も見られた。また、公式のXで、乃木家として撮影に使用されたのは国指定重要文化財で製鉄業を営んでいた「櫻井家」であることが明かされた。ストーリーとは関係ないが、この名前の重なりは偶然だろうか?
◼︎物語の中で乃木と櫻井が初めて待ち合わせした際、最初は別班饅頭で合図を送り、その後、櫻井は茶器店で乃木からのメッセージを受け取っている。この茶器店も別班関係者の店なのだろうか?
伏線の多さから、見れば見るほど味わいが増す『VIVANT』。まだまだ新しい考察が生まれていきそうだ。
『VIVANT』作品情報
日曜劇場『VIVANT』
原作・演出:福澤克雄
脚本: 八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈
演出: 宮崎陽平、加藤亜季子
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/