ついにハリウッドデビュー!紀里谷和明監督最新作『ラスト・ナイツ』に迫る

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マリナ

映画『CASSHERN』、『GOEMON』とスタイリッシュな映像で彩られた作品を世に送り出してきた紀里谷和明監督。その彼がなんと3作目にしてついにハリウッドへと進出しました。

その映画の名は『ラスト・ナイツ』。5年の歳月をかけて作られたこの作品はクライヴ・オーウェン、モーガン・フリーマンといった2大スターが競演していることでも話題を呼んでいます。

ラストナイツ1

毎回賛否両論が巻き起こる紀里谷和明監督の作品ですが、日本を飛び出しハリウッドで作られた今作は一体どのような映画となっているのでしょうか。一足お先に試写で観てきた筆者がこの作品が持つ魅力をご紹介致します。

正義を貫く騎士の姿に心打たれるストーリー

『ラスト・ナイツ』は2人のカナダ人が書いた『忠臣蔵』を題材とした物語となっています。日本人にとって馴染み深いこの物語を武士から騎士へと変えて描かれたのがこの作品です。

非道な大臣が要求する賄賂を堂々と断り、刀を向けたバルトーク卿(モーガン・フリーマン)。しかし、それにより彼は死罪を宣告されます。彼は愛弟子ライデン(クライヴ・オーウェン)に自身亡き後の一族を託し、斬首の刑を受けます。

主君を亡くし、騎士として生きることも許されなくなったライデンやその仲間たちでしたが、一年後、不正がはびこる権力とバルトーク卿の仇を討つため最後の戦いへと挑んでいきます。

『忠臣蔵』で「討ち入り」にあたるこの最後の戦いが最大の見せ場となる今作。外国の城を舞台に、ダイナミックなアクションが繰り広げられ、あっと驚く秘策も飛び出します。バルトーク卿の意思を受け継いだ騎士たちの命を賭けた戦いと、彼らが迎える結末にも注目です。

不正を許さず正義を貫く騎士の姿を描いた実にシンプルなストーリー。バルトーク卿を演じたモーガン・フリーマンも「誰もが必ずや共感を得るはずだ」と語る今作は、世界に共通するメッセージがこめられた物語となっています。

世界各国から集結したキャスト、スタッフ。ノルウェー俳優が演じる悪役は必見

この『ラスト・ナイツ』で特徴的なのが総勢17カ国から集まったキャスト・スタッフです。

国際色豊かな顔ぶれが揃う中、特に異彩を放っているのが、ノルウェー出身の俳優アクセル・ヘニーです。彼はこの作品でバルトーク卿に賄賂を要求する悪徳大臣「ギザ・モット」を演じています。

とにかく金と権力にしか目がないこの男。いつも小脇に子犬をかかえ、髪の毛をいじりながら無茶な要求を繰り広げます。

かと思えば、ライデンに命を狙われていることに恐れ狂乱する一面も。こんなちょっと小物感があらわれた「ザ・悪役」を彼が実に見事に演じています。

さらに日本からは伊原剛志がこのギザ・モットの家臣「イトー」役で出演。悪徳大臣のもとで仕える彼ですが、傲慢な態度の部下は容赦なく斬り捨てたりするなど彼なりの美学を持つ騎士を演じています。

ライデンとの一対一での決闘シーンではまるで舞い踊っているかのような剣さばきも披露しています。

今回の紀里谷ワールドはちょっと地味?!

さて、紀里谷作品と言えば、鮮やかな色彩とCGを駆使して作られた幻想的な世界観を思い出す方が多いと思います。

しかし、今回の『ラスト・ナイツ』ではこれまでの作品で見られた派手さはなく、非常にシンプルな映像となっています。パッと見て分かるようなCGも少なく『CASSHERN』や『GOEMON』で見られた花びらや羽が舞うような演出もありません。

これまでの紀里谷作品に馴染みのある方には少々地味に見えるかもしれない今作ですが、その分「ありのままの美しさ」を追求しているように思えます。

特に石造りの城と真っ白い雪とのコントラストや、雨に濡れた人物の頬を伝う水滴など、ただそのままを映しているだけのように見える映像がなんとも目が離せない美しさとなっています。

また、紀里谷作品で毎回話題となる衣装も、今回は作品の世界観に合わせたリアリティあるものとなっています。担当するのは前作『GOEMON』も担当したティナ・カリバス。

『GOEMON』ではまるでアーマーのような着物など奇抜な衣装に驚かされましたが、今回は見た目は抑えつつも細かい装飾や刺繍など細部まで手の込んだ衣装となっています。

こういったこれまでとはちょっと雰囲気が違う新たな紀里谷ワールドが堪能できるのもこの作品の魅力のひとつです。

紀里谷和明から「世界のKIRIYA」へ

ハリウッド進出第一作ということでどんなド派手な作品を持ってくるのかと思いきや、意外にもシンプルでストレートな作品を見せてくれた紀里谷和明監督。作品にこめられたメッセージをまっすぐに届けたいという強い思いが感じられます。

これまで日本映画界で独自の立場を築いてきた彼。今後どのような進化を遂げていくのかますます目が離せません。「世界のKIRIYA」の始まりとなる今作を是非その目で確かめてみてください。『ラスト・ナイツ』は11月14日公開です。

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  • はなこ
    3.2
    応援したのですが、 呆気なく終わってしまった。 配給元と連携がうまく取れなかったのか 監督自ら全国行脚していた。
  • 滑頭
    3.7
    もーんのすごくハードルを低くして観に行ったのが良かったのか、少なくともその期待は超えてくれました。なんだ、思ってたより全然イイ。 その後の紀里谷監督による話を聞いて、監督自身の好感度も上がったし、作品もぜひ擁護したい、色んな人に観てもらいたいという気持ちにはなったのですが、 心を鬼にして苦言を呈すると、 まずスローモーションの多用。体感では全体の半分くらいスローモーションだったんじゃないかっていうくらいスローモーションが多い。尺引き伸ばしすぎ。スローモーションはここぞ、っていうところで使うから効果的なんだろう。これは効果的でない。 その結果なのかどうなのかは分からないけど、全体的にMVを見せられているような感覚。特に序盤。パッパッと話が進み過ぎて重みがない。本当に、MVっぽい。カメラワークのせいか編集のせいか分からないけど。 それから、アクション映画の割には少ないアクションシーン。アクション映画ならアクションで語るべき。アクションほぼ皆無のドラマパート長すぎ。 冒頭のアクションシーンがあまり有機的に後の物語に絡んでこない。上手くない。 アクション、カット割りすぎ。状況を把握しづらい、見にくい。 伏線の張り方が唐突で不自然。 あとひとつ気になったのは、モーガン・フリーマンが最初に衣を献上したとき、その下に賄賂の金貨がないというのを見せるシーンで、セリフでの説明はなかった。贈り物をしてその下に賄賂を敷き詰めるっていう賄賂の渡し方は時代劇でこそ定番だけど、外国の観客も多いこの映画で、それは世界の観客に伝わるのか?ということ。忠臣蔵から色々改変してるのになぜそこはそのままにしたのか。 とはいえ、いいところもたくさんあったんですよ。特に役者とかロケーションとかによるバキッと決まったビジュアル。これはよく作りこまれていて本当にすごかった。クライヴ・オーウェンはかっこいい。話の本筋はいいんだけど、その周りの細かい演出でそれを際立たせきれていなかったのが惜しいな、っていうような感じでした。 2015/10/29 @試写会
  • ムカデ人間
    3
    紀里谷監督がようやく、奇抜な映像に依存しないまともな作品を撮った。 中身はまんま赤穂浪士なので、ある程度の面白さも担保されている。 何か突出したものがあるわけではないが、過去作のように目も当てられない出来には仕上がっていない。 今まで3点しか取れなかった人間が、50点取れるようになるというのは凄いことだ。 『GOEMON』以降、しばらく映画制作を行なっていなかったが、その間に相当勉強したのだろう。 この作品が作れるのなら、今後の紀里谷監督には期待してもいいかもしれない。
  • 3.6
    ラストナイツ
  • よこやん
    1.2
    ストーリーは置いといて映像が綺麗だった。
ラスト・ナイツ
のレビュー(2153件)