先日1月5日は、日本が世界に誇るアニメ界の巨匠、宮崎駿監督のお誕生日。そこで監督生誕記念として、改めて数々の名作を振り返っていきたいと思います。
ジブリ製作作品、魅力的なのはもちろんその登場人物達ですが、今回ご紹介するのは宮崎駿監督作品でも根強いファンを持つ個性的なイケメン主人公たち。ヒロインを守る勇敢で爽やかな彼らは、幼い頃初めてジブリ作品を鑑賞した時から、私達の心を奪い続けています。
宮崎駿監督が描く世界の中で恋をし、また現実の恋人にそれを重ね、理想の男性を思う乙女心は作品と同様、永遠ではないでしょうか。
アシタカ『もののけ姫』
壮大でスケールもテーマも大きな作品「もののけ姫」からは、勇敢で一途にサンを思う美少年の彼をご紹介です。その人気は恐らくジブリ作品に登場する男子の中でもダントツ!モテ男と言えるでしょう。
作中でも、タタラ場の女性陣の注目の的となったり、綺麗で凛々しいルックスと力強さや誠実な雰囲気で、女子の心を鷲掴みにしまくります。
女の子に対して選ぶ言葉がまた絶妙で上手いのもアシタカの魅力。誰もが知る有名なシーンでは、アシタカを殺そうとするサンに対し『生きろ。そなたは美しい。』と彼女の気持ちを揺るがす、衝撃の口説き文句。
また初めに自分の村を発つ際、事実上の婚約者であるカヤに『いつもカヤを思おう』と残し颯爽と去って行く。そんなこと言われたらもう…と、こちら側もドキドキさせられっぱなしの色男っぷり。なんだかなあ。すごいよなあ、とため息です。ジブリキャラクターの人気投票でも必ずと言っていいほど上位を獲得するアシタカ!頼もしい!言うことなし!
パズー 『天空の城ラピュタ』
あの小さな身体に、好奇心と優しさや逞しさがギュッと詰まった、ジブリ作品きってのヒーロー。かっこすぎる!将来有望!一緒にいて楽しい!の三拍子。
小さな頃から一生懸命働くその真面目な性格や、何としてでもシータを守り抜くいい男っぷり、ファンが多いのも納得です。あんな真っ直ぐな眼差しで見られたら、そりゃ空から落ちても助かる気がします!(違う)
冒頭、シータを助けてすぐの場面でも、『お腹減ったろ。あそこで顔洗えるよ。タオルもあるから!』と至れり尽くせり。逃げ回ってお腹が減るタイミングでパンと目玉焼きを出す、まるで魔法のような気の利かし方、完璧です!!『パズーの鞄って、魔法の鞄みたいね!』とシータが一言。違うよシータ!パズーが出来る男なんだよ!
伝説の王国ラピュタにたどり着いた際、2人を結ぶ紐が解けず、『うんと、きつく結んじゃったの』と言うシータを抱きしめ崖までかけよる様子に、”私も抱きしめられたい。シータになりたい!”と思った女の子!挙手をお願いします!私もです!握手!
カンタ『となりのトトロ』
みんな大好き!となりのトトロからは、口下手でシャイボーイな少年がラインナップに。健康的なその肌とルックス、サツキと話す際に赤く染まる頬がとても可愛らしく、多くを語らずとも優しさを見せるその人間性に惚れているファンも多いはずです。
土砂降りの雨が降る中、雨宿りするサツキとメイに自分の傘を差し出す、ほんの数秒のやり取りで彼の人となりが伝わる名シーン。『ん!ん!』と傘を渡し去っていく後ろ姿や、穴が空いたボロボロの傘、母親に対し傘を貸したとは言えない不器用さ、カンタずるい!ずるいほどジーンとさせてくれます。
お母さんに会えない事を知って泣きわめくメイに、サツキが怒って行ってしまい、カンタが『行こうよ・・・。』とメイに声をかける悲しいシーンがありますが、その困った表情と、不器用故にうまく宥める事の出来ない様子、彼らしさがよく出ているのではないでしょうか。その少ない台詞でもしっかりと伝わる優しさが印象的です。
そんなカンタと聡明でしっかり者のサツキの、甘酸っぱいこれからも気になる日本のアニメ界、屈指の名作。書きながらまた観たくなってきました!
ハウル 『ハウルの動く城』
中性的なルックスと絶妙なナルシシズム、細長い脚に甘い声。ソフィーに甘えながらもしっかりと守り抜く、弱さも強さも兼ね備えたビジュアル部門では、圧倒的人気を誇るイケメン魔法使いです。
青い目と金髪ボブカットで、あの気怠さとアンニュイな雰囲気醸し出されたら、ソフィーおばあちゃんだけでなく世の女性は守ってあげたくなること間違いなし!母性本能をくすぐる小悪魔っぷり、もしやこちらが魔法にかけられてる!?
『美しくなければ生きていたって仕方ない!』とオレンジ色になってしまった髪の毛に嘆くシーンは、彼の異常なまでの”美”への執着や情緒不安定さを表しています。また元の色である黒い髪に戻ってからは、少し正気を取り戻し、安定した表情を見せるハウル。どんな彼もまたそれぞれ魅力的なのがこの作品の見所です。
お気に入りのハウルを見つけて叫びたいものです!『ハウルー!私きっと行くから!未来で待っててー!』ソフィーの献身さも見習いたい大人のジブリ。
ハク『千と千尋の神隠し』
ご存知「千と千尋の神隠し」は、日本歴代興行収入1位を獲得した大ヒットファンタジー作品ですが、と同時に、深くて切ないラブストーリーであることは言うまでもないでしょう。
幼いヒロイン千尋を、甲斐甲斐しく守り続けるハク。その甘い美少年のルックス、仕事中の凛々しい目力と、千尋に優しい声で話すギャップが素敵すぎます。グリーンの目が眩しい王子様は、まさに白い龍そのもののように高貴な存在感。
ハクを助けるため出発を決める千を見て、ポカンとするリンに『分からんか。愛だ、愛』と釜爺が説明するシーンがありますが、彼らの儚く力強い愛にも心を打たれます。
ハクが千尋によって自分の本当の名前を思い出す瞬間は、何度鑑賞しても圧巻で壮大な名ラブシーン。2人のその後は描かれていませんが、もう二度と会えないかもしれない。でもまた何処かで会っていて欲しい。
『またどこかで会える?』『うん、きっと』『きっとよ』『きっと』と何度も繰り返すふたりが切なく涙を誘う至高のラスト。嗚呼、ハク様ーー!(嗚咽)
堀越二郎『風立ちぬ』
自分の夢や仕事への熱意、少し女心に疎い自分勝手な大人の男は、今までの宮崎駿監督作品にはなかなか見られなかった男子像。
自覚はあるのか無いのか、裕福な家庭に育ったお坊ちゃん特有の独りよがりな面が少なからず見え、マイペースな少年ぽさを武器にする二郎は、駿監督が描く中でも特にリアリティが強い主人公。エヴァンゲリオンの監督、庵野秀明さんが初の声優を勤めた二郎の声がまたそのリアルさを際立たせていました。
病気の菜穂子が隣にいるにも関わらず、煙草を吸うシーンは賛否両論あったかと思いますが、優しいようでいて頑固な一面を持つ飛行機に全力をかける男、ひょっとして…いや、ひょっとしなくても、幸せにしてくれないかも・・・と疑いつつも惹かれてしまう女性は多いのではないでしょうか。
ルックスで言うなら、何だったら一番優男っぽいのにな、おかしいな…。でも夢を追い続ける男はなんだかんだ魅力的!宮崎監督が唯一、実在した人物を描いた貴重なキャラクターです。
妹、加代(声優は志田未来さん)に『にいに!』と呼ばせ、男心も擽るところ、駿監督、流石!の一言です。
宮崎監督、お誕生日おめでとうございます!
全部で6作品からそれぞれ個性的な主人公たちが揃いましたが、お気に入りのヒーローやボーイフレンドはいたでしょうか。
今回、ご紹介した登場人物以外にも魅力的なキャラクターを沢山生み出して来た宮崎駿監督。その頭の中はどうなってるんだろう、監督の脳内で、あのキャラクター達はどんな風に生きているんだろう。想像するだけでワクワクし、また駿監督の作品が観たい!と願う、欲張りな自分がいます。
幼い頃にトトロに出会い、アシタカに初恋を、千と一緒に切ない気持ちを知ったり・・・。この時代の日本に生まれて良かったな、と心から思うこの頃です。永遠に色褪せない名作達、また違う形でご紹介出来たらと思います。