大人気ゲーム『ペルソナ3』で描かれる1年を春夏秋冬の4部作に分け映画化した『PERSONA3 THE MOVIE』。その最終章がついに今週末に公開となりました。
(c)ATLUS cSEGA/劇場版「ペルソナ3」製作委員会
2013年11月に公開された第1作から2年弱。既に前3作を見ているという方も、まだ見たことがないという方もここまでの3作を一緒に振り返ってみましょう!
#1 Spring of Birth
転校初日、人も機械も全てが静止しシャドウと呼ばれる化物が徘徊する「影時間」の中でシャドウに対抗する能力「ペルソナ」を覚醒させた結城理。
同様の力を持つ仲間たちの集い特別課外活動部に入部した結城はシャドウとの戦いに身を投じる事になる……。
記念すべき劇場版第1作。全国で26スクリーンという小規模な公開から始まったにも関わらず映画観客動員ランキングでは初登場7位(1位は同週公開の『かぐや姫の物語』)となり公開前からの期待度の高さを伺わせました。
季節は春、「影時間」という特異な状況を意に介さず、死すら「どうでもいい」と感じる結城理が共に戦う仲間と出会いその性格が変わっていく様子が凡そ90分の中で1つのまとまりを見せ、4部作という括りを抜け単体の映画としても成長物語を楽しめます。
#2 Midsummer Knight’s Dream
戦いの日々の中で迎えた夏。結城たち特別課外活動部に新たな仲間が加わると同時にこのシャドウとの戦いに終わりがあること知る。自分の存在価値を戦いの中に見つけていた結城は平和な日々に戻ってしまうこと恐れ始め……。
(C)ATLUS (C)SEGA/劇場版「ペルソナ3」製作委員会
原作ファンからの人気が強いキャラクター『アイギス』が初登場する第2作。
ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『真夏の夜の夢(A Midsummer Night’s Dream)』を彷彿させる副題が印象的な今作は軽快な音楽にマッチした戦闘シーンから始まります。
何故、「影時間」が生まれてしまったのか。どうすれば「影時間」を終わらせる事が出来るのかを知った特別課外活動部の前に立ちはだかる新たなる敵。「影時間」の終わりを望まない者達との遭遇が結城の心情を揺らしていく様子が中心に描かれ、出会いと成長を中心に描いていた1作目よりもややダークな作り。
戦闘シーンのアニメーションも高クオリティで、ギャグやシリアスなど全ての要素がバランス良く詰まっています。ただし、初鑑賞の方は非常に続きが気になる終わり方をするため、今作を鑑賞後すぐに次回作を見れる算段をたてておくことをオススメします。
#3 Falling Down
あってはならない誤算。世界の終わりが近づき、それぞれの大きな挫折を乗り越え成長する仲間たちと距離を置く結城。空虚で憂鬱な日々の中、結城は転校生の望月綾時と出会う……。
(c)ATLUS (c)SEGA/劇場版「ペルソナ3」製作委員会
全体を通し重めの展開が続く3作目。
心に深い傷を負った特別課外活動部のメンバーたち。秋という空虚な季節を背景に描かれるそれぞれの挫折と再生。心の成長が前面に押し出された秋編では自責の念からまたも心を閉ざす結城と望月との出会いを中心に各キャラクターの成長が映しだされます。
夏から冬への過程で必ず訪れる秋。これから迎える冬のために人はどのように変化していくのか、20日発売のDVD・ブルーレイにて最終章を迎える前に復習したい作品です。
劇場版の主軸は主人公・結城の心情
原作であるゲーム版『ペルソナ3』ではプレイヤーに感情移入を促す、選択肢以外で喋ることの無い無口主人公だったため主人公の心情が語られることがありませんでした。
しかし、劇場版では主人公は「結城理」と名前付けされた1人のキャラとして『ペルソナ3』の物語を展開していき、ゲーム版『ペルソナ3』とは別物の「結城理」の物語の中で仲間との出会いと別れを通して成長していく主人公が描かれているのです。
月光館学園に転校して1年、様々な試練の中で変化した「結城理」が冬の最後に何を願うのか。最終章『PERSONA3 THE MOVIE #4 Winter of Rebirth』は1月23日劇場公開開始です。