ディカプリオ、オスカー受賞後初来日!『レヴェナント』は「映画史に残る芸術作品」

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本日3月23日、『レヴェナント:蘇えりし者』(4月22日公開)の来日記者会見がリッツ・カールトン東京で開催され、主演のレオナルド・ディカプリオが登壇しました。

レヴェナント:蘇えりし者』は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に続き、2年連続のアカデミー賞監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督を務め、苛酷な自然環境と戦いながら生き延びようとするハンターのヒュー・グラスをレオナルド・ディカプリオが演じています。

これまで5回のノミネートを受け、本作にて念願の主演男優賞受賞となったレオナルド・ディカプリオ。オスカー受賞後初めてとなる会見には、テレビ、スチールカメラ、記者などをはじめ総勢約500人の報道関係者が詰めかけました。

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司会者や報道陣からのオスカー受賞祝福の声には「アリガトウ」と日本語で答え「これまでプライベートも含め何度も日本に来ているけど、戻ってこれてうれしい。桜のシーズンは初めてなので楽しみ」と今回の来日での楽しみを語りました。

オスカーを獲得できた一番の要因について「自分では分析するのは難しいけど、この映画に参加できたこと自体が特別な体験。これだけ多くの人々にとって、その世界観に深く踏み込める作品はそんなにない。映画史に永遠に残る芸術作品になった」と答えました。

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オスカー獲得後、何か変わったか?について聞かれると「まだ数週間前の出来事だから、自分の生活が変わったのかまだわからないけれど、自分としては変わらないことを望んでいる。賞をもらうのが目的ではなく、自分がもともと持っていた夢を追求して、最高の映画を作ることこそが僕の望み」と真摯な思いを語りました。

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また、もともと本作のイニャリトゥ監督の大ファンだったと語り「今回はまず脚本を読んで惹かれた。イニャリトゥ監督の撮影方法はとても独創的で、映画を作っているというよりも、“壮大な旅に出た”という感じ。自然光のみで全てを撮影する、という手法をとり、8時間リハーサルをして、そのうち1時間半だけ撮影する。まるで演劇の舞台のようだった」と撮影風景を振り返りました。

グラスを裏切るジョン・フィッツジェラルドを演じたトム・ハーディについて聞かれると「『インセプション』で共演したときからの友人で、あの年代の俳優たちの中では最高だと思っている。トムが演じたフィッツジェラルドと僕が演じたグラスは、一枚のコインの表裏のようなもので、全員が必死に生き延びようと強い意志を持っている点では共通している部分もあるんだ。また彼と一緒に仕事をしたいと思うよ」と語りました。

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また、「実際にサバイバル生活をしなければいけなくなったとき、3つ選べるとしたら何を持っていく?」という質問に対して、「まずは電話かな(笑)。それから、充電用のソーラーパネル。あとは火を起こすための防水仕様のライター。過酷な撮影現場で、当時の未開のアメリカでサバイバルするということが、本当に大変だったと身に染みてわかった。人類は環境に順応すると言うけど、自分には耐えられないんじゃないかな」と苦笑し、「オスカー像は持って行かないんですか?」と聞かれると、「あれは家に置いておくよ」と答え、会場は笑いの渦に包まれました。

「レヴェナント:蘇えりし者」は4月22日より東京・TOHOシネマズ 日劇ほか全国でロードショー。

(C)Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

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(取材・文 / 辻千晶 撮影 / 鸙野茜)

※2021年9月20日時点のVOD配信情報です。

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  • よしあ
    4.5
    壮大で険しく美しい自然を圧倒的、映像美で体感した。またバックミュージックとも相まってこれは映画館で見れば良かったと後悔。辛く、過酷なサバイバルで生き抜く精神力に心震わされた。あとディカプリオ演技力ヤバすぎ。それだけでも見る価値ある。こういう映画は絶対的に100%字幕で見てほしい。喋るシーン多くないし。
  • alienchibull
    3.7
    グラスの生命力が強すぎる、、! 少しでも気を抜けば簡単に死ねる状況ばっかりというか、常人ならとっくに死んでるよ😂 川の流れのままに流されるディカプリオが忘れられない😂 長かったけど映像の迫力がすごくて見応えあり🙆🏻‍♀️ ものすごい寒そうだし自然の暴力というか過酷さをヒシヒシと感じた🥹
  • MikiMickle
    3.8
    復讐という信念の中で待ち受けるのは過酷すぎるサバイバルなのです。 が、単純な“復讐”と“サバイバル”な話だけではありません。 様々なメタファーが印象的に残りました… 以下、私の勝手な考察です。 例えば、常に画面に映る木々は“生命”なのだと思います。グラスの妻が語る詩が象徴するように「幹が揺らぐことはない」というのは揺るぎない精神と生命力と信念を表します。揺れる木々のシーンではその生命が危うくなったりします。 また、グラスの命を救うのは、時に木々の破片でもあります。 川の流れも象徴的です。オープニングで川の流れに逆らって進む足元から始まり、時に命を救い、その水は命の源でもあります。そして、ラストには深い意味をもつものとなります… 川は、川の神のみぞ知る逆らえない流れなのだと思います。 また、“蘇り”という面では、グラスが受け取った水筒には渦が描かれており、輪廻を彷彿とさせます。土の中、木で作られた小さな避難小屋、馬の胎内から出てくるシーンは、何度も生まれ変わるグラスと生まれ変わりそのものを表していると思います。 この輪廻の思想は、ネイティブアメリカンの信仰にもあるものです。 そして、それらは全て、自然の賜物でもあるのです。生きるも死ぬも… 自然の中で生かされる命を感じずにはいられません。 木・川・水・生きる物たち…全てのものに精霊と神があるという先住民の信仰が、この映画に非常に現されていると思います。 それを視覚的に魅せるのが、エマニュエル・ルベツキさんのカメラテクニックの素晴らしさ。3年連続撮影賞を取っているのも納得極まりありません‼ とにかくその美しさに目をみはります‼ 極限まで登場人物のアップを撮り、そのままカメラを自然へと移す。臨場感と壮大さとを同時に感じます。長回しによって、まるでそこにいるかのような気分になります。 その撮影方法のため、ライトを使わずにほぼ全てを自然光で撮影しました。これは本当に大変な事です。よって、光の煌めきが本当に美しいです アップになるシーンでは、その息づかいでレンズが曇ります。白く曇るレンズ→空の雲→パイプの煙というシーン、面白かったです♪ また、飛び散る血や雨なんかもレンズに着くので、臨場感もあるけれど、不意にカメラを意識してしまうのは、良し悪しかもしれませんが…w 熊のシーンは息を飲む以上の恐怖であり、自然の恐ろしさをひしひしと感じました。 また今作は、ネイティブアメリカンとの関係ももちろん語るべきテーマでもあります。 狩猟隊は彼らの地に勝手に入り込み、彼らと共に生きる動物を乱獲し、彼らの命を奪ってきました。いわば泥棒と同じものです。映画で描かれるのは、先住民と、彼らと、フランス軍との三つ巴です。舞台となったのは1823年。ちょうどモンロー宣言がでた時です。それなりに、侵略者である欧米と交易をおこなっていた先住民族ですが、そこには見下しと惨殺と拉致と凌辱とがあります。彼らが欧米人を襲うのは、至極当たり前の事であります。 愛するものを救うための行為でもあり、プライドを持ったものです。 この映画で良かったのは、一般的に先住民としてくくられる彼らが、種族ごとに特性があるという事を表した事。彼らの精神というものを表現したという事。 が、やはり白人目線(というかグラス目線)であり、そこの辺が分かりにくいと思います。輪廻においても、先住民の文化を知らなければ繋がらないものです。普通にみたら、とにかくすごい復讐劇で、サバイバル劇で、それをほぼスタントなしでやってのけたディカプリオすげぇ‼っていうものになってしまう事。それだけでももちろんすごいけれど。 ただ、ネイティブアメリカンの事をもっと知らしめてほしいというただの願望です。 ちなみに、頭の皮を剥ぐのも、元々は白人の文化からきたものだと言われています。 が、イニャリトゥ監督のその分かりにくさが良い所であり、思考を働かせてくてれ、面白いのです。 とはいえ、バードメンよりは断然解りやすいです。 他にも、これは息子との関係性を考えるものであったり、神をイメージさせる様々なシーン(荒廃した教会。浮かぶ妻など)も、そこにやはり木があったりして、どういう意味なのかを深く考えます… たくさんのバッファローの頭蓋骨の山の幻想…悔恨、自責…… 書くと長くなりすぎるのでやめます とにかく、様々な面で圧倒される映画であり、重苦しさを感じずにエンターテイメント性があり、美しい映像とその技術に目をみはり、何があっても立ち上がるグラスの生命力と信念と、またその“復讐”という信念の先にあるものと、 また、根底にあるネイティブアメリカンたちの心情を感じてくれたらいいなと思う作品でした。 観て、体感してほしいです。まさしく、体感。
  • 5
    ド迫力。リバイバル上映しないかな
  • ロンバックスマン
    3.5
    映像がどちゃくそ綺麗
レヴェナント:蘇えりし者
のレビュー(67293件)