映画『名探偵コナン異次元の狙撃手』には人気キャラが劇場版初登場!気になるポイントを徹底解説【ネタバレ】

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映画『名探偵コナン異次元の狙撃手』の気になるポイントをネタバレありで徹底解説!沖矢スバルは何者?ゲストのボイスキャストには意外なあの人が?知っているともっと楽しいトリビアまとめ

2014年に劇場公開を果たした名探偵コナンの劇場版シリーズ第18弾が名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』(以下、『名探偵コナン 異次元の狙撃手』と記載)。本作では準レギュラーキャラクターである世良真純や、沖矢スバルといったキャラクターが劇場版初登場していたり、これまでの劇場版では描かれなかった狙撃事件がテーマになっていたりといった特徴があります。

実は映画の各所に、気にしないでいると見逃してしまうような様々な秘密などが隠されている映画にもなっています。今回はそんな名探偵コナン 異次元の狙撃手に隠された秘密をネタバレありで解説していきます。

名探偵コナン 異次元の狙撃手』(2014)あらすじ

コナンたちは、園子に誘ってもらったベルツリータワーのオープニングイベントに参加していた。展望台から景色を眺めていたコナンたちだったが突如、展望台めがけて弾丸が飛んできて、同じ展望台に訪れていた男に目掛けて命中してしまう。

何者かが近隣のビルから狙撃してきていることを悟ったコナンは、急いでタワーを降り、博士の作ったターボエンジン付きスケボーで犯人が狙撃に使ったと思われるビルへと急ぐ。しかしその途中、コナンは車に轢かれそうになってしまうのだが、間一髪、実は同じく事件を目撃していた世良真純に助けられる。

犯人らしき人物を発見し、バイクで追いかける世良とコナンだったが、気づいた犯人により銃撃を受けてしまう。窮地に追いやられる二人だったがそこへFBIが助けに駆けつける……。

※以下、『名探偵コナン異次元の狙撃手』のネタバレを含みます。

公開当時の名探偵コナンの状況が色濃くでた劇場版

名探偵コナン自体は90年代末にスタートした作品なので、公開時期によって新たな登場人物が登場したり、コナンが直面している事態が一変していたりと、実はその公開当時の事情が作品に表れることもある劇場版シリーズ。そういった影響を受けている作品の中でも、それが顕著に出ていると言えるのがこの名探偵コナン 異次元の狙撃手でしょう。

当時はまだ本編にも登場して間もなく世良にとっては、映画シリーズでコナンがバディを組むのはこの映画が初。バイクアクションといえば、いつもは平次の後ろに座るのがお決まりでしたが、今回は珍しく世良の後ろで奮闘します。

そして、同じく今作が映画初登場の沖矢スバルは公開当時は、新一の家に居候している謎の存在でした。のちの展開で、彼こそ黒の組織によって撃ち殺されたと思われていた赤井秀一だったことが明らかになるのですが、公開当時はまだ発覚前。沖矢と赤井が同一人物であることが決定的に明かされることになったのは、何を隠そうこの劇場版が初めてでした。

原作漫画でも描かれていなかった内容のため、多くのコナンのファンが、映画の最後で声色の変わる沖矢のシーンで、彼が赤井であること、そして赤井秀一が生存していることを知ったわけで、多くのファンが興奮したものです。

現在のコナンシリーズを観ている人には、当時はそんなことがあったのか、と未来人のような気持ちで観ることができる映画にもなっています。

ベルツリータワー≠東京スカイツリー(R)!?

時勢が顕著なポイントとして、本作の舞台にもなっている“ベルツリータワー”も忘れてはいけません。コナン達の住む街に、鈴木財閥によって新たに建設された巨大な高層建築物が東都ベルツリータワー。言わずもがなスカイツリーがモデルになっています。

実はこのベルツリータワーの登場は本作だけではありません。名探偵コナン 異次元の狙撃手の上映の直前に当たる2013年の12月に公開された『ルパン三世VS名探偵コナンTHEMOVIE』にも登場。コナンの登場する映画としては2作連続での登場となりました。

これは偶然でもなく、当時はまさに東京スカイツリー(R)が話題になっていた時期。何を隠そう東京スカイツリー(R)が完成したのが2012年なので、まさに新たな観光名所として、注目を浴びて間もない時期でした。

ちなみにベルツリータワーの高さは635mという設定。東京スカイツリー(R)が634mなので1mだけベルツリータワーの方が大きいことになります。作中では東都ベルツリーラインが登場していますが、もちろん東武スカイツリーラインも路線として実際に存在します。

異例の多さの英語吹き替え!声の主も意外な人!

本作の異例とも言える演出として忘れてはいけないのが、英語セリフの多さ。本作では外国語を駆使する登場人物が多く、そういったキャラクター同士の会話では英語が使われ、字幕が補填されるという演出が用いられています。よくよく考えてみれば日本人同士でもない者同士の会話であれば、母国語を使って会話をするのが自然です。そういった違和感がないように作品のリアリティを追求するべく英語が活用されていると言えます。

そんな英語を駆使するキャラクターの中に、聞き覚えのある声があったのはお気づきでしょうか。実は作中に登場したターゲットの一人で、犯人を先に殺してしまおうと考えたジャック・ウォルツ役には、パックン・マックンのパックンとしてTV番組でも活躍するパトリック・ハーランがゲスト声優として参加しています。流暢な英語はもちろん、どこか癖のある日本語の演技で、海外出身であるジャック・ウォルツのキャラクターを再現してくれました。実は本作の英語監修を務めるのもパトリック。セリフの監修まで担当するゲスト声優というのは、他のアニメーション作品でも、異例中の異例なのではないでしょうか。

そしてもう一人、流暢な英語を作中で披露しているのが、今回の事件の真犯人であるケビン・ヨシノ役を演じた福士蒼汰。英語の印象はないという人も居るでしょうが、実は福士蒼汰は英検2級を取得している実力者。名探偵コナン 異次元の狙撃手ではそんな福士の英語力を体験することができる貴重な作品でもあったわけです。

ちなみにゲスト声優としてパックンの相方である、マックンこと吉田眞も、ジャックに事情聴取をする刑事として登場しています。

実際の狙撃はそんな長距離で撃つことが可能なのか?

狙撃がテーマの映画らしく、本作のクライマックスでは赤井扮する沖矢が見事な長距離狙撃を見せてくれました。そういえば、そもそも映画のようにあれほど遠く離れたビルから、狙撃することは可能なのでしょうか。

映画で沖矢が使用していたとされる銃はCHEY TAC M200と呼ばれるライフル銃(参照:名探偵コナン赤井秀一&安室透シークレットアーカイブス)。有効射程は2km以上とされている長距離狙撃銃で、まさに狙撃を得意とする沖矢にはうってつけの銃です。『ザ・シューター/極大射程』(2007)の主人公であるスナイパー、ボブ・リー・スワガーが使用していた銃も、実はこのCheyTacM200。この銃と腕前さえあれば、映画のようなビル間での狙撃は可能でしょう。

ただしその腕前というのがかなりの難度のものであるのは言わずもがな。標的への距離が長ければ長いほど、発射後から命中するまでの時間が延びるため、影響される要素はどんどん増えていきます。銃口の角度、弾道上に吹く風、さらには地球の自転によって生じる“コリオリの力”と呼ばれる慣性の力まで計算に入れて撃たなければ、当てることなどできません。それを夜という不利な状況下で、唐突なコナンの花火に乗じて、余裕そうに犯人を攻撃してみせる沖矢、もとい赤井の腕前がどれほどのものなのかを思い知ります。

クライマックのアクションシーンでは、派手なスケボーテクニックを魅せてくれたコナンに驚かされる人が多いと思いますが、実はさらりとやってみせている赤井の腕前もやはり人並み外れた技術であったことは忘れてはいけません。

(C)2014 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

※2020年11月23日時点の情報です。

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