【仕事や人生に行きづまったときに】頑固な仕立て屋の女性が踏み出した小さな一歩に隠された、悩みを乗り越えるヒント

映画は気持ちよく生きるためのヒント

hikari

仕事が終わり、疲れて家に帰ってほっと一息ついたときや、休日ひとりでぼんやりしているときなど、ふとした瞬間に「今の働き方、生き方でいいのかな?」と疑問に感じることってありませんか?

そういう気づきがあると、つい焦ったり不安になったりする人も少なくないと思います。そんなとき、ぜひ観てほしい映画が『繕い裁つ人』です。

tsukuroi

Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】

今まで良しとしてきたはずなのに…生き方に迷う女性を描いた物語

この映画は、池辺葵さんのマンガ「繕い裁つ人」を原作として作られた作品です。

主人公の南市江(中谷美紀)は先代である祖母がはじめた南洋裁店を守るため、先代がオーダーメイドで作った服の仕立て直しやサイズ直し、先代のデザインをもとにした一点ものの新作を作ることが生きがいでした。

しかし、市江の服に惚れ込んだデパートの社員・藤井(三浦貴大)が彼女にブランド化の話を持ちかけたことで、口では頑なに拒否するものの、心の奥底に封印していた「自分がデザインした服を作りたい」という気持ちに気づいてしまい……。

多少マンガと異なる点もありますが、今まで良しとしてきたはずの働き方、生き方に迷いが生まれ、悩み、自分なりの答えを見つけていく大人の女性の姿を丁寧に描いた作品です。

“頑固じじい”な女性のちょっとした前進に勇気がもらえる

映画で「頑固じじい」と表現される通り、市江は自分の信念に沿ったことや好きなことにしか心は動かず、それ以外は凛とした態度で突き放します。しかも自分がやらなければならないことは、先代が残したものを維持することだと決めている。

そこまで頑なな態度をとっているのに、自分のオリジナルの洋服を作りたいのでは?と藤井に迫られると密かにぐらぐらと揺れてしまうのです。

藤井から勧められた「ブランドのはじめかた」という本をこっそり読もうと思ったり、描きためたデザイン画を眺めてしまったり……。

頑固なはずだったのに、そうやって揺れに揺れて悩み抜いて出した市江の答えとは?

それは傍から見れば、あっと驚くようなものではありません。ほんの少し前進しただけ。でも市江のキャラクターからするとそれは大きな一歩。そんな彼女の行動を見て、勇気をもらえる人はきっと多いはずです。

悩んだときは、ケーキを“ホール食い”したっていい

心に引っかかる思いがあるとき、市江はチーズケーキをホールで食べるために喫茶店へ駆け込みます。そのときの至福な表情といったら、もう……。

このチーズケーキのことは、Eテレで放送中のスイーツのレシピとそのスイーツに隠された物語を紹介する「グレーテルのかまど」でも取り上げられていました。監督の三島有紀子さんのエピソードも語られ、彼女もチーズケーキに癒やされていたのだとか。

悩んで、その先の道が切り開けなくなりそうになったら、一旦気がかりなことは脇において自分が喜ぶようなことをする。遠回りのように見えて案外問題を解決する近道なのかもしれません。

クラシカルな世界観がしゃんとした気持ちにさせてくれる

映画は、南洋裁店として登場する洋館や市江が資料を探す趣深い図書館、先代から受け継いだとわかる年季の入った市江の作業スペースなど、女性らしさも感じられるけどクラシカルな雰囲気漂う世界観を確立しています。

市江がまとう洋服も彼女のキリッとしたキャラクターに合うもので、どこかフェミニンだけど、これもまたクラシックな印象を受けるもの。

これらの、女性のやわらかさを残しつつも、ところどころ引き締まったムードが流れているところが、観ている人の悩みや揺れ動く気持ちを鎮めてくれる気がします。だからこそ、働き方や生き方に迷ったり、どうしていいかわらかなくなったりしたときに観てほしい映画です。

きっと、市江の生き方に迷いから抜け出すヒントがもらえ、作品の空気感から、自分が決めたことに自信が持てるような、しゃんとした気持ちになれる物語だと思います。

Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】

 

【あわせて読みたい】
 【映画で考える人生】『マイ・インターン』に学ぶ、今すぐ真似したい人としての在り方
 今この瞬間を大切にしたい。『君の名は。』は平凡な毎日に悩む社会人にこそ観て欲しい
 日頃の疲れを癒す「何気ない日常」を描いたおすすめ映画8選
 【12歳版『(500)日のサマー』!?】小悪魔女子と落ちこぼれ男子の小さな恋に心動かされる!フランスのハートフルコメディがついに公開
 【中川翔子】私たち世代もリアルタイムで「スター・ウォーズ」を体験ができるのがうれしい!

 

※2022年6月21日時点のVOD配信情報です。

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS

  • ミミミ
    3
    フェルメールの光の絵画を彷彿とさせる映像 神戸と聞いて、なるほどと思わせる部屋や喫茶店 そして、流れるように美しい動作の中谷美紀 バレエダンサーのよう でも、話は何も伝わってこない オートクチュールとプレタポルテの話?それだけ? 1人の男が恋した話でもないよね 若者はお粗末にしか見えないし、 生涯の1枚と散々強調するわりにはお粗末な服が多かった チーズケーキ、1人で食べるには大きすぎない?
  • まみこwith餅さま
    4.5
    池辺葵さんの柔らかいけど芯のしっかりした原作漫画を、かなり正確に映画化してあり、奥行きのある素敵な世界が楽しめました。 監督の三島有紀子さんの力量もさることながら、主演の中谷美紀さんの凛とした存在感が半端なく、印象的な作品となっています。 原作をアレンジした、古風で趣きある家屋や調度、魅力的な図書館。喫茶店のチーズケーキなど細部の美しさもお見事! 自分の生き方に迷いのない女性は、どんな職種でもステキですが、祖母から受け継いだものを守り育ててゆく市江さんの姿は、すこやかに伸びてゆく大樹を見るようで頼もしい! 夜会のコンセプトや継続させてゆく熱意、それが可能なコミュニティにも憧れる。 夫婦じゃなくても参加できたらいいな。 壁の花でもいいから。 優雅な雰囲気にひたって葡萄酒を飲みたい! 🌹✨🥂✨🌹 ✨✨👗🧥👗🧥👗🧥✨✨ 🪡ちょっと残念だった点🪡 夜会に乱入する女の子達は、あまりに礼儀知らず。原作にもあるから仕方ないけど、二度はやりすぎと思う。せっかくの雰囲気が台無し。 それまでにも子供用を依頼されて作っているし、頭を下げて頼むのは不自然。 藤井さん役は、もう少し物静かで大人っぽいタイプがよかったと思う。中谷美紀さんとでは違和感ありすぎた。 図書館での藤井氏のおせっかいは本当に不快。読書中に本を押し付けられたら、どんな気持ちになるか想像できないのかな。 👚閑話休題👚 思い返せば、子供の頃、一着だけワンピースを仕立ててもらったことがある。普段着は母が編んだり縫ったりしてくれて、気に入っていたけど、この青い服には特別感があり、大事に着ていた。裕福でもなかったのに、よくつくってくれたなぁと、いまだに感謝しています。 娘達にもつくってあげればよかったと、今更に後悔!🥲 南洋裁店が近くにあれば駆け込みたい!
  • ぶっちー
    -
    なんか観賞後は、虚脱感のような不思議な気持ちに。図書館でのシーンが一番印象的かも。 「自分の読む本は、自分で選びます」 「そんなにいっぱいあったら、本当に好きなものは選べるの?」 みたいな言葉が、グサってきた。 毎年、季節が変わると、去年はなに着てたかな?と考え、いっぱい服を持ってても、ときめかなくて、また新しい服を探す、の繰り返し。お気に入りのものに手を加えて、少しずつ自分のものに育てて行くのが本当のお洒落なのかもしれない。 この作品の結末は、それぞれ違ったものになるのかな? また時間をおいてみたい作品。
  • Seibin
    -
    鑑賞記録
  • 麦の穂
    -
    記録
繕い裁つ人
のレビュー(5745件)