2017年も残すところあとわずか。今年もたくさんの映画が公開されました。
2017年に日本国内で公開された映画はおよそ1,200本! みなさんはそのうちの何作品をご覧になったでしょうか。
FILMAGAでは、各界の著名人や有識者に「2017年私のNo.1映画」を伺いました!
あのひとやこのひとの心に残った作品は? 本日から年末にかけて、ゆっくりじっくり紹介していきます。
第7回は「動画配信編」。お世話になっている方々も多いであろうVODの中のひとたちがときめいた作品とは!
アニメーションの本能的な楽しさを再確認させてくれる。
町田有也さん
(アニメーション・プロデューサー)
■プロフィール
CCC、TCエンタテインメントを経て、日本テレビグループのHuluで映像作品のプロデュースを担当。
メアリと魔女の花
アニメの語源とされるラテン語の「anima=魂」、絵に命を与え動かすという所に由来するらしい。『メアリと魔女の花』は、その絵が動くというアニメーションの本能的な楽しさを再確認させてくれる。また、映像の7割は背景美術で創られると語られるように、その芸術的な背景は私たちを見たこともない世界に瞬時に連れて行ってくれる。スタジオジブリという“魔法”は生まれ変わり、そして脈々と生き続けていく。
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2017年の主な作品は神山健治監督作品『エンシェンと魔法のタブレット』、櫻木優平監督作品『ソウタイセカイ』、NHKEテレでも放送され、2018年のエミー賞にもノミネート中となるトンコハウス所属のエリック・オー監督作品『ピッグ 丘の上のダム・キーパー』など。
「俺もちゃんと生きなきゃ」と頭を垂れさせられました。
林健太郎さん
(株式会社U-NEXT 企画調達1部 部長)
■プロフィール
ギャガ、キネマ旬報社を経て、現職に。偏差値45以上の映画なら大抵泣ける、優しい涙腺が持ち味の41歳二児の父です。
あゝ、荒野
10年に1本の、強烈な熱量映画。菅田将暉とヤン・イクチュンの凄まじい演技合戦もさることながら、流石は岸監督、ふたり以外の面々も、全員そこに「居る」人間として、圧倒的な実在感と魅力を放ち続けるのです。怒涛の305分で本作が描くのは、孤独や愛、ボクシングや青春……と色々ありますが、要は「生きるとは何か」ということ。2017年は『人生フルーツ』と『あゝ、荒野』、対照的なこれら2本に「俺もちゃんと生きなきゃ」と頭を垂れさせられました。
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動画配信サービス「U-NEXT」で、映画と海外ドラマの買付&販促を担当しつつ、時々オリジナル作品を手掛けます。その1本「あゝ、荒野」がU-NEXTで独占配信中!…だからNo.1にしたわけではありません! ヤン・イクチュンに誓って本当です!
U-NEXTオリジナル『あゝ、荒野』
わたしたちの青春時代が完結したような気がした
高田幸枝さん
(BS10スターチャンネル編成担当)
■プロフィール
映画専門チャンネル編成担当。今年一番楽しかった映画は『怪盗グルーのミニオン大脱走』♪
T2 トレインスポッティング
『トレインスポッティング』といえば90年代“オシャレ”カルチャーの代表格。今回の続編では、以前はあんなにカッコ良く見えた主人公たちのパッとしないその後をリアルに描いたことで、一つの時代というか“私たちの青春時代”のようなものが一旦完結したような気がしたのでした。SMAP解散、安室ちゃんの引退や「めちゃイケ」終了決定など、2017年は日本でも90年代を風靡したカルチャーが一つの節目を迎えたような気がして、本作に重ね合わせてちょっぴり感慨深い気持ちになってしまいました。そういう意味で印象深かったです。
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BS10chスターチャンネルでは“STAR CHANNEL MOVIES”というレーベルで劇場映画を続々公開しています。2⽉23⽇(⾦)にはソフィア・コッポラ監督の最新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』が公開。
(C)「メアリと魔女の花」製作委員会、(C)2017「あゝ、荒野」フィルムパートナーズ、(C)2017 Tonko House Inc. ALL RIGHTS RESERVED
※2022年8月27日時点のVOD配信情報です。
2017年私のNo.1映画
- 第1回:2017年私のNo.1映画 年末連載スタート!
- 第2回:映画監督編〜頭を殴られたようでした〜
- 第3回:Filmarks編〜映画を感じる悦びを与えてくれた〜
- 第4回:映像クリエイター編〜人物たちの想いが共振し、反転し、成長するという映画的高揚感〜
- 第5回:映画メディア編〜「映画愛だ」「いや偽物だ」〜
- 第6回:メディア編〜何があっても人生は奥深く美しい〜
- 第7回:動画配信編〜わたしたちの青春時代が完結したような気がした〜
- 第8回:映画人編〜こんな人生を演じてみたい〜
- 第9回:TSUTAYA編〜「恋」は人を変える〜
- 第10回:芸能編〜小5ぐらいから道徳の時間に観たらええと思う〜
- 第11回:俳優編〜観ていて心がギュッとなる〜
- 第12回:劇団EXILE 町田啓太編〜この微妙な空気感。でも、そういうのって、たぶんあるよな〜
- 第13回:経営者編〜「忖度」が流行語にもなるご時勢にアンチテーゼを想起する〜
- 第14回:AI編〜Google Homeの2017年マイベストムービーは果たして!?〜