Filmarksを運営する社員に、映画やドラマ、アニメに関する「偏愛」やオススメを聞いてみる企画。第11回目は、Filmarksの社員5名に「2022年ベストムービー」を聞いてみました。
Filmarks社員の「2022年ベストムービー」は?
Filmarks 柏木さんベストムービー:
『コーダ あいのうた』
あらすじ:家族の中でたった⼀⼈“聴者”である少⼥・ルビーは、「歌うこと」を夢みた。そして、彼⼥が振り絞った⼀歩踏み出す勇気が、愉快で厄介な家族も、抱えた問題もすべてを⼒に変えていくー。
柏木:リメイク元のフランス映画『エール!』(15)が好きだったので鑑賞しました。音楽と家族、そのほか自分が好きな要素がたくさん詰まった、大好きな映画です。 自分以外の家族全員が耳の不自由な中で、唯一耳が聴こえる娘の話。予想外に泣ける! というよりは、予想通り泣かせてくれる映画でした。 崖から飛び込むときの全体を映し出す光景や、トラックの後ろに座ってお父さんに歌声を聞かせる夜のシーンが素敵です。お父さん、お母さん、お兄さん、先生など登場人物みんないい人。 下ネタが多いので、苦手な人もいるかもしれませんが、誰もが笑って泣けて、明るくなれる映画だと思います。クライマックスの”ある”演出がかなり良くて、このシーンがあるからこそ、一方的ではなくて、共感できるような作品になっていると思います。
Filmarks 鈴木さんベストムービー:
『THE FIRST SLAM DUNK』
あらすじ:キャプテン・赤木剛憲(三宅健太)のワンマンチームだった、湘北高校バスケ部。1回戦敗退が常の弱小チームだったが、桜木花道(木村昴)、流川楓(神尾晋一郎)、三井寿(笠間淳)、そして宮城リョータ(仲村宗悟)の加入によって、全国レベルのチームに成長していく。そして迎えた重要な一戦。湘北は圧倒的に格上のチームを相手に善戦するが、徐々に綻びが生じてきて……。
鈴木:『SLAM DUNK』は青春時代の思い出の作品で、映画化が決定してからずっと公開を心待ちにしていました。井上雄彦先生の情熱に、開始早々から涙が止まりませんでした! これは是非、DOLBY ATMOSでライブ感、疾走感を体験してください。全編を通してとにかく“リズム”がよく、アニメ化されていなかった伝説の山王戦を描いているのですが、間に挟まれる回想と緊張感溢れる試合の緩急の付け方が見事で、2時間が一瞬に感じます。 凄く良いクラブイベントで天才DJが回しているかのようなアップ&ダウンというか、その“リズム”に乗せられて何度も高揚させてくれます。
Filmarks 板橋さんベストムービー:
『ウエスト・サイド・ストーリー』
あらすじ:ニューヨークのウエスト・サイドには、夢や自由を求めて世界中から多くの人々が集まっていた。しかし、差別や偏見による社会への不満を 抱えた若者たちは、やがて仲間と集団を作り激しく敵対し合っていく。ある日、“ジェッツ”と呼ばれるチームの元リーダーのトニーは、対立 する“シャークス”のリーダーの妹マリアと出会い、瞬く間に恋に落ちる。この禁断の愛は、多くの人々の運命を変える悲劇の始まりだった……。
板橋:スピルバーグによる、世紀のミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」のリメイク。このハードルの高い傑作をリメイクした彼の勇気に拍手を送りたいです。 開巻、再開発により取り壊されているNYCウエストサイドを空撮で舐めるようなカメラワークに吸い込まれました。物語はほぼオリジナル通りで、対立するプエルトリコ移民の不良集団シャークスとの激しい縄張り争いの中、ジェットの兄貴分トニーとシャークスのリーダーの妹マリアの報われぬ恋を描きます。「トゥナイト」「マンボ」「マリア」「アメリカ」「アイフィールプリティ」「クール」といった、レナード・バーンスタイン(作曲)、スティーヴン・ソンドハイム(作詞)の名曲の数々が、ジャスティン・ペック(オリジナルはジェローム・ロビンス)の振付によってパワーアップして現代に蘇るのですが、今更ながら、全ての曲が口ずさみたくなる魅力に溢れていることに驚かされ、本格的なダンサーによるアクロバティックともいえる群衆ダンスの迫力にもため息がでました。1950年代 NYCのスラムを再現したプロダクションデザイン、ドレスで踊る女性たちの華麗な衣装など、文句の付けようのない出来栄えです。
さらに、スピルバーグの演出は、トニーとマリアがダンスホールで互いを見つめ合う場面では周囲の喧騒を遮断し、クライマックスの倉庫での決闘シーンでは、左右から差し込む長く伸びた影によって対決を強調するなど、盟友ヤヌス・カミンスキーの素晴らしいカメラワークを存分に生かした場面設計に舌を巻かされ、全てにおいて最高のクオリティでありました。 スピルバーグは現代アメリカの分断の悲劇を描こうとしたようですが、ロシアがウクライナに侵攻した今、暴力は悲劇しか生まないというメッセージを改めて啓示することとなり、この普遍的なテーマは時代を問わず繰り返し描かれるべきだと思いました。オリジナルは映画史上屈指の傑作ですが、このスピルバーグ版はリメイクとして最上の出来だったかと思います。
Filmarks 髙﨑さんベストムービー:
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
あらすじ:元天才外科医にしてアベンジャーズ最強の魔術師ドクター・ストレンジは、禁断の魔術によって今とは異なる世界へ通じる扉を開けてしまった。そこは無限の可能性が存在する“マルチバース”と呼ばれる無数のパラレルワールド。「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」での激戦の後、この謎に満ちたマルチバースの世界からの新たな脅威が人類に迫る中、ストレンジの前に立ちはだかるのは最凶の魔術を操る邪悪な“もう一人の自分”だった……。
髙﨑:元々マーベルが好きなのですが、つみき(Filmarks運営会社)に入社して初めて「映画支援」を使うタイミングだったので、いつもより少し奮発して4DXで観ました。初の4DX体験だったので、とにかく2時間遊園地のアトラクションに乗っているような気分! こんなにも映画を観て疲れた経験は久しぶり? 初めて? でした。「ドクター・ストレンジ」シリーズの中でも、映像はもちろんのことストーリーもスケールが大きくなっていて、ドクター・ストレンジのカッコよくておちゃめな、愛すべきキャラクター性がしっかり描かれていました。マーベルシリーズの作品はどれも好きですが、この人とこの人はどういう関係だったっけ、ああそういうことか、と途中何度か記憶を辿る必要があったので、まだ観ていない方は事前に予習して挑むほうがオススメです!
Filmarks 福岡さんベストムービー:
『わたしは最悪。』
あらすじ:ユリヤは30歳という節目を迎えたが、人生はどうにも方向性が定まらない。いくつもの才能を無駄にしてきた。年上の恋人アクセルはグラフィックノベル作家として成功し、しきりに身を固めたがっている。ある夜、彼女は招待されていないパーティに紛れ込み、若くて魅力的なアイヴィンに出会う。ほどなくしてアクセルと別れて新しい恋愛に身を投じ、人生の新たな展望を見出そうとするが――。
福岡:主人公のユリヤに共感するポイントが多くて、心を抉られました。 何者かになりたいけど、方向性なんて定まらないし、あれもこれも挑戦するけどなんかちがう気がするなと思ったり。気づいたら30歳で結婚? 出産? 仕事? わたしはどうしたいの? って、誰もがどこかで共感できる等身大のストーリーが、すごくリアルに描かれています。みんな同じことを悩むんだなって。 人生は選択することばかりで、あの時ちがう方を選んでいたら私の人生どうだったかな、と観終わったあと考えたけど、正しい選択なんてわからないし、結論いまが最高! と思いました(笑)。 ラストのシーンのユリヤも、もしかしたら同じことを思ったのかもしれないです。
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※2022年12月27日時点での情報です。